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いい学校、いい会社とはなにか
「いい学校に入りなさい」、「いい学校に入り
たい」、「いい会社に就職しなさい」、
「いい会社に就職したい」という言葉を聞きますが、それは誰にとっていい学校、会社なのでしょうか。
それは、自分が誰かに認めてもらえる、
「世間体のいい」学校、会社ではないでしょうか。
大学であれば、法律や歴史、文学、化学や物理、
工学などを学びたいから、という学生自身の、
これを学びたい、が志望理由になるかも
しれません。
しかし、特に私立の中学受験は、学生本人の意思というよりは、親の世間体や思惑によって、子供の
受験する学校が決められているのではない
でしょうか。
子供が有名な進学校に合格すれば、その子供を育てた親として世間に自慢できる。
進学校に入学させるだけの経済力があるだけ
でなく、実際に偏差値の高い学校に入学させることができたと箔をつけることができる。
親自身が叶わなかった夢を子供に負わせ、
世間を見返すために子供を利用する。
社会的地位の高い親の子供は、さすが名門校に進学するのだ、と世間から称賛されたい。
子供の立場からすれば、親の世間体や見栄、
承認欲求を満たすために利用されるのですから、
たまったものではありません。
しかし、親の言うことをなんでも聞くことが、
いい子供の条件で、親の言うことが絶対として
育てられた子供は、そのように考えることはなく、
あるいは考えたとしても、自分の中で押さえ込もうとするかもしれません。
いい会社というと、日本を代表する、名の知れた
大企業をイメージすると思います。
会社を選ぶ時も、友人や彼氏彼女に自慢できる
会社。
世間からすごいと評価される会社。
親が、"世間での評価が高い"と認めてくれる会社。
入社することで、自分が優秀だと認められる会社。
今流行りの業界にあって、流行に乗っている自分を自慢できる、認められるような会社、など、
主体は自分になったとしても、やはり世間体、
つまり、"自分が他人からどう見られるか"を優先
して選んでいるのではないでしょうか。
なんだか他人事のように書いているように見える
かもしれませんが、私自身もかつてそうだった
ので、しなくていい失敗をしました。
だからもし、これから進路で迷っていたり、
どんな仕事をしようか悩んでいる方がいれば、
自分自身とよく向き合ってみてほしいのです。
自分はなにに興味があるのか、なにをしている時が好きなのか、誰かに言われなくても続けられる
こと、ついやってしまうこと。
逆に、これだけはやりたくない、嫌いだ、続けるのがしんどい、と思うものはなにか。
簡単なことではありませんが、そうやって自分と
向き合う中で、自分なりの"これがやってみたい"、
が見えてくるはずです。
そして、そのやってみたいことを実現するために
必要なことはなにか。どんな学校に行けば、自分の知りたいことについて学べそうか。
どんな仕事をすればできそうか。
どこの会社を選べば叶えられそうか。
それがいわゆる、他人軸ではなく"自分軸"という
ことだと考えます。
なぜなら、我々は1人1人、生まれも育ちも才能も、考え方や好みも違うのですから。
いまだに日本では、世間体をはじめとして、
他人からの評価、他人の目を気にする文化が残っています。
もちろん、処世術的に、他人の目を気にし続けて、他人からの求めに応じて生き続けることも一つの道だと思います。
しかし、私はそうしようとして失敗しました。
心を病みました。
世間や他人が言う、いい学校、いい会社というものに入っても、それは内情を知らない、目に見える
部分やイメージしか知らない、世間や他人がいい
と勝手に思っているだけで、あなたにとっていい
とは限らないのです。
世間や他人が言うことを聞いていれば楽ですし、
なにかあっても他人のせいにできるので、
そういう意味でも楽はできます。
しかし、自分の人生でなにかを選択をした結果
起きたことは、誰が引き受けてくれることはなく、
結局自分で引き受けなければならないのです。
こんなはずではなかった。
間違いだった。
失敗した。
そういう後悔をするくらいなら、
簡単なことではありませんが、自分にとって、
いい学校、いい会社を探して選ぶことを考えることが大切だと考えますが、皆さんはどのように思われるでしょうか。
ここまでお読みいただきありがとうございました。