見出し画像

HLAB Alumni Interview #2-2 信田絵里香さん(海外進学を決意したサマースクール)

HLABは2011年以来、高校生、そして大学生の多くの参加者が、各々のフィールドで活躍しています。今回は、HLAB Alumni Interviewの第2弾として、2015年参加者の信田絵里香さんのインタビューを掲載します。

高校時代からアメリカでの留学生活まで、全4回に渡ってお送りしてまいります。(第1回はこちら

第2回は、信田さんが留学に行こうと決意したきっかけについてです。HLABに参加したことによってどのような変化があったのでしょうか?

―前回、高校時代ことを聞いてきたんですけど、HLABについて聞いてみたいと思います。HLABに参加したきっかけを教えてもらっていいですか?

信田さん:私がHLABに参加しようと思ったきっかけは高校の先生に紹介してもらったことです。もともと高校1年生の時から留学をしたいと思っていたのですが、情報が全くなかったので、外から情報を得る必要があると感じました。当時、海外大学進学コースというコースの担当をされていた先生に相談をし、その先生が紹介してくださったのがHLABでした。

―前回の話だと閉じた学校という話でしたけど、海外大学進学コースっていう特異なコースはあるんですね。

信田さん:そうですね。私はそのコースが設立されて2年目だったので、私が高校2年生の時はまだ海外に行っている卒業生もいないし、学校側も試行錯誤の段階でした。周りの先生は反対してたんですけどコースを任された先生は熱心な方でしたね。

その先生が見つけてきてくださって、そもそもHLABが何なのかよくわからない状態で、一応応募してみよっかなって思ってノリで送ってみました。

それで受かったあとは、今度は、夏休み明けのテストとHLABが丸かぶりだったので、周りの先生に大反対されました。でも結局、行ってみたかったのでここでも反対を押し切って、成績はほかのテストで挽回しました。

―そもそも留学に行こうと思ったきっかけは?

信田さん:元々は親に勧められていたんです。だけど、自分的には親のレールに乗りたくないと思っていました。でも、1年生の終わりくらいに、演劇を学び続けたいけど、他のことも一緒に勉強したいと思うようになりました。日本では演劇を学ぶとなるとそれだけを専門しなければいけないイメージがあり、海外だったらダブルメジャーの制度が整ってるって聞いたので、それに魅力を感じたことがきっかけの一つです。

また、コミュニケーションという学問が、日本ではあんまり聞かない学問だったので、そこに魅力を感じたこともあります。親のレールに乗っかることはすごく悔しかったけど、結局は自分でたどり着いた答えだったし、親はよく自分のことわかっているなと思いました。

―高校時代にコミュニケーション学を知る機会があったんですね。

信田さん:そうですね。高校1年生の時に、ボストンを1週間周る研修がありました。そこで実際に現地学生とお話をした時にコミュニケーション学の話が出て、自分に合っているなと感じました。その後、親に留学することをお願いして、頑張れと言われたのはいいけど、実際は留学に関する情報がなかったので、っていう感じでさっきの話に戻ってくるんです。

高校のときに行ったボストン研修で、コミュニケーション学を知る。
MITの前で記念撮影。

―HLABに参加してみて変わったこと、1週間過ごしてみて、自分の変化を振り返ってみてどうですか?

信田さん:大きく分けて2つあります。1つ目は、初めて、日本の地方にある高校を卒業した後に海外の大学に進学したっていう先輩と出会えたこと。親は「英語を話せるようになりなさい」と言うけど、地方の子で英語が喋れるというのは、周りから浮いて、いじめられる対象になるんですね。だから、私はそれを封印してきた。

だけど、留学を見据えて、勉強し直さなければいけないという段階で、どう勉強すればいいのかについて、高校ではセンター対策しかしてくれないから、HLABの場でいろんな話を聞けたことは、とても大きな収穫だったし、それを学校に持って帰って、他の留学に行きたい子に伝えられたということが大きな変化でした。

サマースクールのタレントショーで歌を披露したときの写真(写真左)

―じゃあ実際に海外進学コースを作ったっていう。

信田さん:いやいや。先輩方もいらっしゃいました。ただ、当時はまだ卒業生もいなかったので、一緒に試行錯誤したという感じです。先輩方がやっていたことを次の年で改善する後輩、みたいな。校長先生や学年主任に「システム変えてください」って言ったこともあり、徐々に過ごしやすい環境になっていきました。

―ちなみに影響受けた先輩は?

信田さん:私が一番影響受けたのは、村上玲央っていう人。ハウスが同じだったっていうのもあるんですけど、すっごい熱心に話を聞いてくれて、「こう勉強したらいいよ」とか「こうアプリケーションを使ったらいいよ」とか本当に一から教えてもらいました。

「私にも留学できるのかもな」っていう希望を持つことができました。自分の周りだと、親か海外大学進学コースの人くらいしか「留学行けるよ」って言ってくれる人がいなかったので、HLABで初めて実際に留学している人に出会えたというのが大きかったです。

HLAB OBUSE 2015の閉会式後、ハウスで撮った写真。(信田さんは前列左から2番目、大学生メンターの村上玲央さんは後列右から2番目)

―もう一つの変化はなんですか?

信田さん:もう1つは、HLABの経験の中で、コミュニケーション学を学びたいという思いが一層強くなったことです。

同じハウスに、すごい内気な子がいました。10人くらいの前で自己紹介をする段階で泣いちゃうくらいで、今までそういう子に接したことがなかったので、みんなでサポートしていこうねみたいな空気はあったのですが、どう接したらいいか正直わかりませんでした。

ただ、詳しい話は飛ばしますが、最終的には、その子が閉会式での高校生代表のあいさつに自分で立候補して、徹夜でスピーチ考えて、堂々と数百人の前で話していたんです。その光景を目の当たりにして、「人って短時間でここまで変われるんだ」と、すごく感動しました、と同時に、「なんで変わったんだろう」ということに興味を持って、その子や周りのコミュニケーション能力が影響しているのかなと思いました。周りの影響や自分の意思でここまで人は変われるんだと気づき、コミュニケーション学という、学びたい学問に結び付いたんです。

HLABと一緒に「多様な人々が共に住みながら学び合う」環境をつくっていきませんか?小さなサポートから、新しい時代の教育を!