4-2-3-1から4-3-3へ:2020年バージョンフロンターレ
再び4-3-3へ
南アフリカ大会後、4-3-3はJリーグでも流行の兆しを見せたけれど、いつしかすたれていった。だが、最近になって採用するチームが再び増えてきた。今年の川崎フロンターレはもその一つ。
4-3-3の場合、中盤にはアンカーとインサイドハーフ2枚の3つのポジションがあるが、今のフロンターレでそのポジションをできる選手は、田中碧、守田英正、大島僚太、脇坂泰斗、下田北斗と故障中の中村憲剛。さらに家長昭博を含めると実に7名を擁する。
この中で、大島をゴールに近いインサイドハーフで使うということでは、4-3-3は理にかなうフォーメーションといえる。
アンカーへのマークにどう対処する?
4-3-3の泣き所であるアンカーへのマークへの対処については、これらの選手はアンカーもできるから、アンカーとインサイドハーフを入れ替わりながらマークをずらしていく、ということかと思っていた。
ただ実際には、田中碧や守田英正が務めるアンカーは、試合中には、流れの中で入れ替わることはあっても、相手を混乱させるためのポジションチェンジという感じではない。
アンカーにマークが付いているときは、インサイドハーフが落ちてきて直接ボールを受けるというパターンが多いように見える。
ドリブルによるポジションチェンジ?
試合をよく見てみると、脇坂泰斗あたりは、下がってボールを受けたあと、ドリブルで縦ないし横にボールポジションを動かしながら縦に攻めるタイミングをうかがっていることが多い。そのタイミングでアンカーが上がってくるからやはりポジションチェンジといえるのかもしれない。
以下の4枚は2020年8月8日のフロンターレ対トリニータ戦。アンカーの田中碧より後ろで横にドリブルしながら縦を伺う脇坂。このままハーフラインに沿ってセンターまでドリブルしてボールのレーンを変えている。このときは田中碧がインサイドハーフのポジショニングに入ってハーフスペースを埋めた。
こういう横方向のドリブルはしばしば行われるので、やはり意図的なポジションチェンジと考えるべきなのかもしれない。