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合計100点以上の点の取り合い:速報レビュー ラグビーリーグワン サンゴリアス対ブレイブルーパス

今日はラグビーの新リーグ「リーグワン」の開幕戦を見に味の素スタジアムへ。

サンゴリアス対ブレイブルーパス。この組み合わせ、サントリーと東芝府中の時代から、お互いに府中をベースにするライバル関係にあり、この試合も「府中ダービー」という位置づけ。

昨シーズンはサンゴリアスは最終節まで優勝を争ったが、ブレイブルーパスはうまく歯車か合わず低迷。やや不安を抱えながらの新リーグとなった。

スコアは60-46(前半24-27)でサンゴリアスの勝利。前半はブレイブルーパスリードで折り返し。

後半も20分くらいまでは接戦で、合計スコアが100を超える凄まじい点の取り合いだった。ワンサイドゲームで合計スコアが100を超えることはしばしばあるが、接戦でここまで点が入るのは珍しい。

スタンドオフのポジションにも入るダミアン・マッケンジー

サンゴリアスは新戦力の現役オールブラックス、ダミアン・マッケンジーが今年は目玉。


この試合、マッケンジーが面白い動きを見せた。攻撃時にスタンドオフのポジションに入ることがあるのだ。そこでスクラムハーフからのパスを受ける攻撃を何回か見せた。

あるいは、12シェイプで12番が普通入る位置に立つことも多い。

よく見るとサンゴリアスはマッケンジーだけでなく、スタンドオフの田村煕、インサイドセンターの中村亮土が入れ替わりながらの攻撃を見せていた。

マッケンジーがスタンドオフの位置に立つこともあれば、田村の前で中村がボールを受けることもあった。このあたり、なかなか興味深い攻撃だ。

なお、ボーデン・バレットを擁した去年に比べて、今年はキックが少ない組み立て。そのほとんどがコンテストキックで、キックを使ったテリトリー確保は有効にできなかった。

ブレイブルーパスのピックアンドゴー

そのあたりがブレイブルーパスの得点につながったように思える。


 ブレイブルーパスの攻撃はフォワード中心。サンゴリアスのディフェンスが素早く左右に広がってセットされるのに対し、ブレイブルーパスはブレイクダウンの近くにフォワードをトップスピードで走り込ませてゲインを刻んでいく。


特にラックができたあと、ボールを拾ってパスをせずにそのまま前進するピックアンドゴーが有効だった。サンゴリアスのディフェンスが左右に広がる一方、ラックの真後ろが手薄だったからだ。

さらに出足のいいブレイブルーパスのディフェンスの圧力の前にミスがいくつかでたこともあり、ブレイブルーパスもトライを積み重ねていく。

試合の流れを決めたのはトライ

サンゴリアスも、ペナルティからマッケンジーかPGを刻んで点を積み重ねつつ、チャンスを確実にものにしてトライを重ねていく。



その結果、前半だけで合計5トライという点の取り合いになった。

後半も点の取り合いは続いた。試合の趨勢が決したのは後半23分。

スコアは39-34でブレイブルーパスか5点を追う展開で、ブレイブルーパスは敵陣深くのラインアウト。そこから攻撃を続けるが、ボールがこぼれ、サンゴリアスのマクマーンが飛びつき、そのままウイングのテビタ・リーにパス。


テビタ・リーはそのままビッグゲインして最後は斎藤直人が飛び込んだ。



コンバージョンも決まって12点差。ターンオーバー後は素早くウイングにボールを持たせるという鉄則そのままのトランジションからの攻撃でサンゴリアスが試合を決めた。

そのあとサンゴリアスが点差を広げ、ブレイブルーパスもトライを返すものの及ばずノーサイド。

ブレイブルーパスの光、サンゴリアスの不安

お互いの攻撃が意図した形ではまった結果としてのハイスコアの試合といえるが、お互いにディフェンスがやや淡白なのが気になるところ。

ブレイブルーパスは勝ちきることはできなかったが、去年の低迷は脱したと言えそうなプレーぶりだった。

一方、サンゴリアスは去年ほどには有効にキックが使えていないのが気になるところ。このあたりは、スタンドオフをサバティカルの選手に委ねたことの弊害といえるのかもしれない。勝利はしたものの、個人的にはやや不安の残る開幕戦だった。