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チームの現在地の確認:ラグビー早慶戦(11月23日)

今日は昼間は秩父宮でラグビー早慶戦。早稲田はこれまで帝京に敗北、慶応は筑波、明治に敗北して優勝戦線からは脱落。帝京が明治を破ったため、早稲田も自力優勝の芽はない状況で迎えた今年の早慶戦となった。

最終スコアは40-33で早稲田が勝利。

ただし前半は35-5で早稲田が大量リード、後半は5-28で慶応が大量リードという、前半と後半とで流れが大きく変わった試合だった。こういう試合は風の影響だったりするが、今日はほぼ無風。なので風上、風下が変わったわけではない。

早稲田はスタンドオフが吉村紘ではなく伊藤大祐。スペース感覚にすぐれ、長短のパスを操る吉村と比べて、パスの多彩さはそれほどでもないがランに優れている。

前半の早稲田の攻撃では、縦の動きがカギになった。横に何フェイズか展開したあと、ブレイクダウンに近いチャンネルに縦に走り込んでくる。
それはフォワードであることも、河瀬や伊藤であることもあり、この動きで何度もビッグゲインやトライを勝ち取った。

後半の早稲田の攻撃が鈍ったのは、この近いチャンネルの攻撃に慶応が対応したことが大きい。ビッグゲインを切れなくなり、ペナルティやミスでボールを失った。


一方の慶応。去年は巧妙なテリトリーキックが特徴だったが、この試合はキックをほぼ封印。ランでの前進を図る。

前半はそれで前にでることができなかったが、出色だったのは後半立ち上がりの攻撃。去年はほとんど見せなかったダブルラインからの攻撃。バックドア経由のゲインに再三成功した。

これ自体はトライには結びつかなかったが、慶応が見せたダブルライン攻撃がそれ以後の早稲田のディフェンスを迷わせる。

このあとの慶応の攻撃はほとんどがフロントドアからのクラッシュだったが、ダブルラインを引いての攻撃だったため、ディフェンスが迷いながらタックルする形になり、少しずつ踏み込まれてゲインされる。

そのうちに反則を犯してペナルティを与え、タッチからのラインアウトモールでのトライで点差を詰められた。

最後は慶応の美しいキックパスが決まってトライ。慶応は最大28点差を7点差まで詰めてノーサイドとなった。


スコアとしては接戦だったが、両軍ともミスやペナルティが多く、自分のスタンダードでは「ナイスゲームだった」とはいえない。

早稲田は攻撃オプションをもっと広げる必要があるし、反則をしない意識付けが必要。今年は去年はこの段階でも見せていた移動攻撃からのダブルラインアタックを見せておらず、チームづくりの上で何か考えがあるようだ。

慶応は、トライを取る形が去年あれだけ練り上げたキック戦術をほとんど使わなかった。その一方で、同じく去年はほとんどなかったダブルライン攻撃を見せた。その一方で、去年の大きな課題であった、モール以外でトライを取る形を整備するという課題への答えはこの試合からは見いだせなかった。

こうした形で、大学選手権に向けた課題が明らかになった。この試合はそういう試合なのだとおもう。その前に早稲田は明治と、慶応は帝京と戦わなければならないのだが。