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ほくとの部屋 第1回8cast編

0.イントロ-関西版のぶおの部屋の発足

レガシー勢のみなさんは「のぶおの部屋」をご存じでしょうか?

晴れる屋トーナメントセンターで、各アーキタイプごとの達人を呼んでインタビューしていく、斉藤 伸夫さんによっておこなわれた企画です。

のぶおの部屋の初回が2013年、ちょうどいまから10年前ということで節目として、「関西版のぶおの部屋」みたいなのがやれたらと思いついちゃいました。

名称を「かんばらの部屋」としておきます。
→ゴロの関係でほくとの部屋になりました。

1.ゲスト紹介 

誰よりもガラクタをガチャガチャする男


ーそういうわけで今回8castに関して、篠原 元さんにインタビューをさせていただきました。改めましてよろしくお願いします

篠原「よろしくお願いします。」


篠原 元

ー8castと言えば篠原さん、第一人者だと思い声をかけさせていただきました。初回なので話しやすい方でやれてよかったです。

篠原「よばれたらいつでもきます(笑)」

ー篠原さんはエタパ優勝という実績もありながら、だれよりもガラクタをガチャガチャする男というイメージ、8castに関しても一目おく技術をもっています

2.デッキのおおまかな動きを教えてください 

シンプルでまっすぐなデッキ

篠原「基本的にはガラクタ2種類とオパールのモックス、睡蓮の花びら、という0マナのアーティファクト15枚を散らばせながら、物読み、思考の監視者というドローソース、そしてウルザの物語の3種類でゲームを作っていく形になります。」

0マナファクト


ドローソース


アド源かつ打点かつ対策札


そして河童、縦への打点を得て完成形へ


篠原「そしてこの状態から神河に入って、河童の砲手を得ました。これによってゲームの展開が縦に広がりました。」

ー縦にと言いますと?

篠原「もともとこのデッキの前進となったデッキがカーンエコーという、エコー、LED、カーン、ウルザみたいなデッキがあったのですが、そこから東のしのげん(篠原 厳)がエコー親和、カーンとウルザを抜いてしまってサイとエムリーにしたんですね。」

ーここで東のしのげんが出てくるんですね(笑)

常滑エターナルウィークエンドヴィンテージでのまさかのしのげん同型バブルマッチ(たまたま隣の卓に居合わせた神原撮影)

篠原「そのデッキは徹底的に横並びデッキだったんですね。ウルザの物語と飛行機械トークンを出していく形だったのですが、そこに1点で集中して勝てるカードということで河童の砲手を得て、ゲームに広がりが出て今の構築にが完成しています。」

ー横並びだけでなく、サイズの大きいクリーチャーも取れるようになったんですね、河童の砲手最初でたときすごい喜んでましたもんね??

篠原「発売日に4枚買いました(笑)」

篠原「デッキの動き自体は、持っているガラクタを全部場に出していって、ウルザの物語、思考の監視者、河童の砲手の3種類で、ライフを詰めていく形です。シンプルでまっすぐなデッキと言えます。」

3.使ってて面白いところはどこですか?

ウルザの物語を一番強く使える

篠原「ウルザの物語と言うカードは正直強いじゃないですか?」

ー間違いないですね(笑)

篠原「あのカードを一番強く使えるデッキなのかなって思います。」

篠原「結局どのアーティファクトデッキ、モダンとかまで見回しても、ハンマー、親和とかで使っても強かったけど、やっぱりこれより強く使えるデッキはないんじゃないかな。」

篠原「古の墳墓と、ウルザの物語だけで完結していて、ウルザの物語を最大バリューで使えるというのが他のデッキにない面白さですね

ーなるほど面白いですね、ウルザの物語で何もってくるかとかもバリエーションがありますよね

篠原「そうですね、だいたいで1マナのピン差しカードを探してくることになりますが、影槍、上天の呪文爆弾、神原さんの苦手なランタン・・・」

ーランタンだったり真髄の針だったりは嫌ですね~

篠原「大阪だとメインでランタン、多くて、東京だと針の方が多いとかありますね。東京はデルバーのシェアが高いので、不毛に強い針、大阪はリアニのシェアがおおいからランタン。」

ーなるほどそういう違いがあるんですね

篠原「最近だと機能不全ダニ。」

ーありましたね!

篠原「今まで手のとどかなかったかゆい部分が改善されたり、ミラーで強くなったりっていう選択肢が増えてますね。
まあもともと改良式鋳造所、最近は入らなくなったけどあれはあれで強い。」

ーたしかにロングゲームだと良さそうです

篠原「4cコントロールがまたはやると選択肢に入れます。」

ーたくさんバリエーションがあっていいですね

篠原「そうですね、デッキちょっとずつ変えていけるところが面白いです。」

ウルザの物語のサーチ先

デフォルト:盤面に触れるカードとライフレースをまくるカード

対リアニ:墓地対策できる

大阪のようなリアニが多い環境むけ

対デルバー:不毛を避けれる

東京のようにデルバー環境向け

対同型:ウルザの物語等を割れる

かゆいところにてがとどく

対コントロール:粘り強くアドがとれる

ロングゲームの雄

ピン差し要素はメタによって変更可能!!

4.いまのメタ上でやれるの?

トップメタとその対抗にたいして良い環境

対4cコントロール:有利

篠原「神決定戦、この前あったじゃないですか。」

ーデルバーと4cコントロールが戦ったやつですね

篠原「結局4cコントロールが勝ちましたが、4cのようなゆっくりしたデッキには、8castに分があります。」

ーなるほど4cには有利なんですね!

篠原「そうです、4cは結局ウルザの物語と河童の砲手、どちらもかなりクリティカルに効くゲームになることが多いです。」

実質3アド


着地してしまうと触れられない



篠原「リソースゲームでもウルザの物語で3枚分のリソースを取ってしまえば、相手のウーロ動き出すよりも早かったり、物読みだけでもかなり相手しんどいかな。」

対デルバー:先手ゲー

ーなるほどわかりました、デルバーについてはいかがでしょうか?

篠原「デルバーに関しては、先手有利、後手でやや不利と言う感じです。先手番とった側が有利なゲームなるのかなと思います。」

ー先手ゲーなんですね、チャリスがあるとそんな感じになりやすそう

篠原「先手だとチャリスが強いかな、後手だと逆にチャリスとエムリーを減らしてしまったりします。」

ーチャリスを減らすこともあるんですね

篠原「そうです。仕組まれた爆薬で小粒を対処できるので、チャリスの枠をそれと交換したりします。」

ー色1色のデッキなのに仕組まれた爆薬を使うのは新鮮ですね、話をきいているとダニ等で、結構緑マナが欲しかったりもしてますよね

ー結局サイド後も先手ゲーになってしまうのしょうか?
「そうですね、そこはあまり相性変わらないです。」


後手番はチャリスやエムリーを減らし、除去と交換

対イニシアティブ:最低限戦える

篠原「イニシアチブにも最低限以上はとれるデッキと言えます、一方的に不利なゲームではないです。その代わりイニシアチブが台頭してきたせいで、減らしていたサイをふやすことになりました。」

ーサイはイニシアチブには強い?

篠原「そうですね、飛行トークンでイニシアチブをうばえます、サイと河童の枚数で、イニシアチブの台頭で、枚数を逆転させています。」

ーそれはちょっと残念ですね

篠原「まあアルコンとかチャリス0とか置かれるとスペル連打できないときに打点とまちゃいますし。それがサイだとスペルが止まっても動けるから良い感じしています。」

これらに対しても、


サイなら動ける!

ーなるほどわかりました。そしたらトータルで見ると今の環境、けっこう戦えそうじゃないですか?

篠原「そうですね、今のメタ上ではすごくいいんじゃないかと思います。

篠原「デルバーイニシアチブ二大巨頭がいてそれらには悪くないし、デルバーをつぶしに行ける4cや、イニシアチブに有利をとれるリアニのような初速のはやいデッキにも対応できるという感じです。」

5.逆に苦手なデッキ

部族系とノンクリーチャーのコンボ


ーけっこう得意なデッキを聞けたので、逆に苦手なデッキがあるでしょうか?

篠原「エルフが苦手で、そもそもアロサウルス飼いにデッキの根底を否定してくるのでかなりつらい展開になることが多いです。」

篠原「あと赤単プリズンもあまり得意ではないです。3玉、合流点、パイロが全部あるデッキで、チャリスも0で置かれるのでかなりしんどいことが多いです。」

ーむこうのチャリスだけ0で置かれるときつそうですね!

篠原「こちらのチャリスは抜くしかないですから。」

ーエルフに関しても、チャリスしたら緑の太陽の頂点からアロサウルス飼いされるからきついということですね

篠原「そうですねかなり大変です、もともと活性の力や母聖樹も飛んでくるし、苦手なところばかりです。」

篠原「コンボの中だと一番苦手なのはDoomsday、初速がはやすぎます、全然チャリス1カウンター1だと超えてこられます。初速を緩めてくれないコンボはきつい。最後の審判をうたれてしまったら負けてしまいますし。」



篠原「またスニークショウはそこまでではないのですが、オムニテルがきついです。」

ーどういう違いがあるのでしょうか?

篠原「全知が出てしまうと止められないことが多いです。スニークショウだと出されたクリーチャーをバウンスできたり、針合わせられたりするのですが、全知だとそれがムリ、スタック上で負けてしまいます、あと帳がきついです。」

ーチャリスできないんですか

篠原「うまく合わせられたらいいんですけどね(笑)、ですからオムニの方がややきついです。」

ーなるほどわかりました

篠原「ポストも絶望的です、相手の土地に干渉できないからです。
土地単にはチャリスが聞くのですが、ポストはそんなの関係なくカーンがでてきて終わってしまいます。」

篠原「ついでに言うとマーフォークも苦手です。」

ー苦手なデッキぽんぽん思い浮かびますね(笑)、それはブロックできないから?

篠原「それもなのですが、サーガも島にされるし、たまくつでチャリス乗り越えてくるしで、部族がけっこう苦手よりです。

ー今の環境はそれらが少ないから良さそうですね

7.今回のKMCでのてごたえ

篠原「今回4-3でおわってしまったのですが、イニシアチブに対してマリガンで勝ち切れなかったのがもったいなかったです、接戦でした。」

篠原「まあもともと上振れ下振れ大きいデッキではあるので仕方ないかな。」

ー当たりとしては、考えていたメタ通りでしたか?

篠原「想定していたメタは4c系にあたるのではないかな、と思って、それでちょうど最初にアルーレンを踏みました。」

ーそうなんですね、あれ入れました?

対デスタク、アルーレンのサイドシークレットテク


「入れました(笑)」

(若干タイミングが前後しますが、インタビューの終盤で、今回の大会KMCを優勝された篠原さんの8cast仲間の岩崎さんが来てくれました、インタビューの経緯を説明して岩崎さんにもお話を伺うことに。)

今回のKMC優勝の岩崎さん

ーちょうど8castで勝たれたんですね!おめでとうございます!

篠原「8castが優勝しているときに4-3のやつがしゃべっててすいません(笑)
岩崎さんのデッキは、今回チャリスなし、URデルバーが少ない読みだとチャリスをなくしてしまうプランもけっこうありなんです。

ーメインにチャリス入っていないなんて斬新ですね

岩崎「サイドにも0です。」

ーそうなんですね!実際使っていてどんな感じでしたか?

岩崎「代わりにいれた金属の叱責がめちゃくちゃ強かったです。

篠原「あれ良いカードですよね」

岩崎「後半チャリス引いたときなんやねんこのカード、ってなるところを金属の叱責だと、お、ぎりぎりカードだなって(笑)
あとは、チャリスで封じているカードを上から引くとなんやねんって(笑)」

岩崎「今回も、イニシアチブ戦でこちらが手札1枚で、相手がwillないと思って突っ込んでくれたので、3マナ払えごらってやって勝つことができました。
𠮟責込みでサイド後カウンターの数をトータルで大目にとれるから良いですね。」

篠原「まあイニシアチブ環境であればそっちの方がいいかもしれないですね、大阪だとやはりリアニが多いのでチャリスがないと不安感はあるけど。」

岩崎「今日はほんまに当たりがうまくて、イニシアチブ3回あたりました(笑)」

ーちなみにリアニは当たりましたか?

岩崎「0回です」

篠原「ぼくは2回リアニ踏んでます(笑)」

チャリスがイニシアチブにはきかないので、デルバーが少なくイニシアチブが多い環境の場合チャリスをなくす選択肢が有効!!

8.使う上での細かいテクニック、きりがないとおもうのでほんのいくつかでも

コンボにはチャリス、デルバー相手にはサーガを意識

篠原「基礎的なことなのですが、エムリーのキャストの条件、島ペタルで出せますとか。」

ー確かに大事ですね

篠原「デルバー相手の場合、サーガのトークンはタフネスを4になるようにすると良いです、ガラクタはなるべくそのために残すと良いでしょう。」

篠原「同じくデルバー相手で、ウルザの物語と、チャリスがあって古の墳墓と手札でそろっているとき、ウルザの物語から出すと良いです。チャリス1よりサーガを優先して出しています。」

ーそれは意外です、チャリスからやりたくなってしまいますね、それは先攻でもですか?

篠原「先攻でもです。これはURデルバーのみの話です。ウルザの物語を1T置いて次に古の墳墓が置ける展開は、虚空の杯が盤面になくても勝てる展開が多いです。なので、ウルザの物語先置きが良いです。
もしこれに不毛が飛んできたときに、目くらましをケアせずチャリスが置けるからです。

篠原「逆にチャリスを置くマッチはコンボだけ、と考えています。
コンボに対して、チャリスで速度を減速できれば、こちらがウルザの物語を2Tに出してもそれで間に合っているということです。つまりコンボにはチャリス、デルバーにはサーガとなります」

コンボには何よりも優先


デルバーに対する初動はこれ

ーなんでもチャリスからはいっちゃいたくなりますね(笑)

ーあと少し触っていて、ガラクタを盤面にどのくらい残すか、がちょっと分かりにくいなと感じたのですが

篠原「確かにありますね。
そういうときは次のターンに引きたいカードがなにかを考えると良いです。次引きたいカードが、河童なのか、エムリーなのか、サーガなのか、監視者なのか、引きたいカードによってどの程度ガラクタを残すか決めればいいと思います。」

ーけっこうデッキとして並べたりドローしたり起動したりで、動きあってやることが多いですね

篠原「ごちゃごちゃしてますね」

ーけどそれがすきなんですよね

篠原「そうです(笑)」

9.デッキに興味ある方、使ってみたい方へ一言

派手に勝って派手に負ける、負けてもきにせず行こう

篠原「いつも答えるのはこのデッキ組むならデルバー組めといっているのですが、興味がある方向けだと、勝つときも負けるときも派手なんですよね、盤面なにもなくなっちゃったりとか。」

篠原「それはそれで割り切って、ちょっと負けても気にしない気持ちでいくのがいいんじゃないかなと思います。」

篠原「あと全体的に値段が安いので、サブデッキとしていいです、再録禁止もないですし。」

ーそしたらフルフォイルにできちゃいます?

ウルザのガラクタが光らないですね(笑)

磨いてればいつか光るさ

岩崎「8castは最高のデッキやで、みんな使ったらいいのに??まあおれは大きな大会ではつかわんけど(笑)」


プレゼントしたレア孔雀から出た土地とポーズ

10.おわりに、次回予告

みなさんここまで読んでいただいてありがとうございます。

また篠原さん、貴重なお話ありがとうございました。
岩崎さんもおめでとうございます。

毎KMCごと(おおむね月1)にこんな感じでやっていきたいと思いますので、もしゲストの方にお渡ししているレア孔雀代のたしにしてもらっていいという方がいれば、投げ銭していただけると深くうれしみ(笑)

注:店内の撮影に関して、事前に晴れる屋TC大阪の大角さんに伺っています

注:インタビュー項目にKMCと入っていますが、せれさんに事前許可をいただいています

(本記事は100円に設定していますが、有料部分では次回のデッキとゲストの方が誰なのかをお知らせしています)

次回のインタビュー予定は、(間のチーム戦はずした)2/19(日)です。

どうもありがとうございました。

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