ほくとの部屋 第3回 忍者編 前編
0.イントロ
みなさんこんにちは
ほくとの部屋の神原北斗です。
この企画は関西版のぶおの部屋ということで、レガシーの各アーキタイプごとに、関西圏のプレイヤーの中から達人をお呼びして、デッキについて掘り下げるというものです。
1.ゲスト紹介
ひたすら修行のように忍者のみを使い続ける男、上忍
ー今回第3回目は忍者回。
ーゲストとして永井倫人さん、通称上忍、さんをお呼びしました。
ー忍者というものは忍び耐えるデッキなので、当然公に使っていると公言する人は限られてきます。すなわち関西圏で忍者といえばまさにこの人みたいな感じで通っています。
上忍「よろしくお願いします」
1.1名前の由来
ー早速なのですが、上忍さんがこうよばれているのは、由来みたいなのがあるのでしょうか?
上忍「僕から言い出したわけではないのですが、晴れる屋さんで忍者を使っていくうちに、他の忍者を使っている方からアドバイスをくださいみたいに言われたんですね。」
上忍「それでそのことがだんだん他の方々の耳に入って定着してしまった感じです。」
ー教えてくれ上忍から広まったんですね
上忍「まあそうですね(笑)気づいたらそうなってました。」
1.2使うきっかけ
ーけっこう長いこと忍者を使われているんですか?
上忍「実はレガシーを始めたのが、2020年なので3年くらいしかレガシーをやっていなくてその初めのときから回しているので実質3年間ですね。」
ーそうなんですね!きっかけはなんだったんですか?
上忍「最初忍者を使い続けるつもりは全くなくて、手元にある資産でどうできるかを考えていたんですね。
友人がたまたまレガシーを始めるとなったときにじゃあいっしょにやるかって言って始めたんです。」
上忍「手元で組めるデッキをとりあえずつなぎで作ろうとして、いくつか候補がありました。
その中で忍者のリストを見て、見た目弱そうに見えたんですが、とりあえず使ってみるかって(笑)」
ー(笑)
上忍「そしたら、なんだこのデッキ意外とやるじゃんみたいになりました。」
上忍「そこから新しいデッキをくまずに現在に至る感じです。」
ーずっと忍者を使っていて成績も残されていることで、そうした経緯があったのですね。
上忍「恐縮です。」
ー今回の帝王戦も惜しかったですし。
上忍「スイス最後まけちゃったからなあ(笑)」
2.デッキの動き
上忍「基本的な動きとしては、まず、いわゆる種クリーチャーと呼ばれる、羽ばたき飛行機械、変わり身ののけ者といった軽いクリーチャーを展開します。」
ー忍術するための軽くてブロックされにくいクリーチャーを用意するのですね。
上忍「はい。そしてそれらで攻撃してブロックされなかったものを、手札の忍術の能力で忍術持ちのクリーチャーに変えます。」
上忍「忍術持ちのクリーチャーは殴る度に手札が増やしてくれるので、そこから得たアドバンテージで勝つデッキです。」
上忍「種クリーチャーと忍者が1セットなんですけれども、改良式鋳造所と羽ばたき飛行機械のような種クリーチャーでもセットとみなすことができます」
ー改良式鋳造所のおかげで実質種クリーチャーと忍者の組み合わせが増えているんですね!
上忍「僕も結構忍者がどういうデッキなんですかって聞かれることがあるんですが、端的に言うと忍術という能力はレガシーにおいてめちゃめちゃ弱いんですよね」
ーそうなんですか??
上忍「なぜかというと、当然クリーチャーのコンバットが通ったうえで、マナを支払ってそのクリーチャーを手札に戻したうえで、ようやく忍術持ちクリーチャーが出せるから、テンポを失いまくってるんですね。」
上忍「その弱い動きを極限まで強くつかおうとするデッキが忍者なんです」
ーなるほど、忍術という能力をあまり考えたことがなかったので面白いです、忍術を最大限まで生かしたデッキなのですね。
忍者は忍術という能力を最大限に生かすためのデッキ
ブロックされにくい種クリーチャーを、バックアップのもとで継続的アドバンテージに変換してアドバンテージで圧殺をねらう!!
3.実際にまわしてもらう
上忍「例えばこの手札は、種クリーチャーである羽ばたき飛行機械と、そのバックアップするカウンターがあって忍者があるという感じです。」
上忍「もしプレイするのであれば、島から羽ばたき飛行機械。で2ターン目に羽ばたき飛行機械が攻撃してブロックされなければ忍術して百合子をプレイ。」
上忍「除去が飛んでこなければそのまま百合子の能力誘発で手札が増えてと言う感じです。」
上忍「このまま殴り続けて後続の忍者をもらいに行けるのが理想です。まあ実際には除去打たれたりしますが、カウンターしたり2枚目の忍者をプレイしたりして何とかします。」
ー毎ターン攻撃することで、カウンター等のバックアップや後続補充ができるんですね。
上忍「そうです、基本的に攻撃を通していって手札を補充していって、物量差で相手を倒します。」
4.デッキ構成
・カウンター
ーリストの構成としては、目くらましより否定の力の方が良いですか?
上忍「否定の力を使っているのは僕のリストの特徴的なところです。
基本的には目くらまし採用の忍者が多いですが、個人的にこのデッキに4積みの悪意の大梟、レガシーをする上で一番好きなカードなんですね。
このカードをうまく使うデッキを探していたとも言えます(笑)」
ー強いですよね!
上忍「それを強く使うことを考えたときに、島を戻すアクションがそんなに強くない局面が多くて、
テンポをとるというよりは否定の力を手札に持って、悪意の大梟でカードを引きに行ったほうが強いと考えました。」
ーなるほど!
ー悪意の大梟は種クリーチャーとしては最強ですか?
上忍「そうですね、このカードはコントロール戦でも、種クリーチャーとして出して、それを忍者で再利用してっという動きができるので、アドバンテージを着実にとっていくことができます。
有効なマッチアップでかなり有効です。」
ーアルーレンぽいですね。
忍術「そうですね、似ているところはありますね!」
序盤のデイズで悪意の大梟の着地が遅れてしまうデメリットを否定の力の採用で回避できる!!
・ピン除去
ーあとは目につくところでピン除去を(プッシュ、残忍な切断、殺しに)散らしている理由は何なんでしょう?
上忍「殺しと残忍な切断は百合子から捲れたときにダメージが上がります。プッシュは濁浪に当てられないのですが、それらは低いマナで対処することができます。」
ーなるほど、濁浪の執政が倒せるからなんですね。
上忍「大まかにいえばそうなります。」
ーでも濁浪の執政は悪意の大梟で十分なんじゃないんですか?
上忍「けっこうみなさんそう言われますが、濁浪の執政に対して、悪意の大梟が正直強いと思っていません。」
上忍「どういうことかというと、結局大梟を展開したとしても受け身なんですよね、
相手の濁浪の執政がぼったちしている間は、こちらは結局攻めれないですし。」
ー確かにお互いに止まってしまいますね。
上忍「そうなんです。
そしてそうなると、相手が好きなタイミングで大梟を除去して、攻撃を通してくる展開になってしまうので、あまり一時しのぎにしかならないんですよね」
ー濁浪を相手の場に立たせておくよりも、こちらとしては除去してしまうほうが良い?
上忍「そうですね、除去してしまった方がやりやすいです。URデルバー戦であれば、自分のクリーチャーを残して相手のクリーチャーを残さないという展開にしていった方が優位に戦えることが多いです。」
ーなるほどわかりました。
URデルバー戦では、にらみあいになってしまうと優位とは言えないため、濁浪の執政を倒せるピン除去を採用!!
・改良式鋳造所
ー今回動画に関してスポンサーいただいているクリストファー悩乱さんが、初見だと改良式鋳造所の強さがあまりよくわからないといっておられたので、ちょっと説明してもらっていいですか(笑)
上忍「僕も最初みたときに、こんなカード何に使うんだろって思ったんですよね(笑)」
ーでも実際けっこう強いですよね?
上忍「かなり強いですね。さきほど説明した通り、忍者は基本的に忍術をして、攻撃を通していくというデッキなんですけれども、当然相手もそれを見越して忍者を除去してくるという展開が予想できる。」
上忍「そのプランに対して強いのが改良式鋳造所です。
単体では2マナで1/1を出したり、そのクリーチャーを少しずつ大きくしていったりという能力をもっているのですが、」
上忍「さらに、タップと飛行機械を生贄えにすると、4/4の構築物トークンを作る能力を持っていて、これが飛行機械である羽ばたき飛行機械と多相をもつ変わり身ののけものとシナジーするんです。」
ー変わり身ののけものが多相だから飛行機械扱いになるんですね
上忍「そうです。これらは4/4の構築物にすぐに変換することが可能です。もし羽ばたき飛行機械と改良式鋳造所を持っている場合、1Tに4/4をつくることができます。」
上忍「これはやられてみるとわかるのですが、これはかなり思った以上に強い動きです。
稲妻でやけなかったり、ソープロしてきたとしても結局大した損をこちらはしていなくて、次のターンから2マナで1/1を生成してアドバンテージを取っていく動きも選択可能になるので除去の多いデッキにはかなり強いです。」
ーソープロをつかってくるデッキは、そもそもコントロールが多いのでその場合エンドに改良式鋳造所でじわじわトークンを出していく動きが強そうですね。
上忍「そうですね、単体でのそうした動きももちろん強いです。」
ー1ターン目の4/4って他のデッキであるかなって考えたんですが、さまようもの、がありますね。
上忍「まさにそれです(笑)、デルバーですら3/2ということを考えると、それよりも早いクロックというのはすごいんです。」
改良式鋳造所の展開力は、追加の忍者とみなせるくらい強力で、1ターン目4/4はこのデッキのブン回り要素の一つ!!
・シェオルドレッド
ーありがとうございます。次にサイドボードなのですが、一番目を引くのがシェオルドレッド、信じられますかシェオルドレッド??
上忍「これはめちゃめちゃ趣味なんですが、基本的なこのデッキの攻め筋は、忍術のルートと改良式鋳造所の4/4を出すルートの2つ。
そして最近8castというアーティファクトに寄せたデッキがはやってしまっているせいで、どんなデッキにもアーティファクトを全除去できるカードがサイド後積まれることが多いんですよね。」
上忍「それがどれだけきついかというと、忍者はピン除去で除去され、改良式鋳造所はアーティファクト破壊で除去されとなると、こちらの攻め筋が全く通らないことになりやすい。」
上忍「それに対して、サイド後もう一つなにか勝ち筋がないかなと思って採用したのがシェオルドレッドですね。」
ーなるほど。
上忍「ただ今回の帝王戦では枚数を減らしてしまっています。」
ーなるほどお(笑)
シェオルドレッドはまだ研究段階!!
・墓地対策
ー墓地対は今回はサージカルですが、虚空の力線のときもありますよね?
上忍「サージカルはリアニ以外のコンボに対して強くなります。」
上忍「サイドボードからハンデスが積めるので、サージカルハンデスとすることで、相手のコンボを崩していったりとか、スペル系コンボに対してはサージカルがいいですね。」
上忍「まあリアニが増えてくれば力線の方がいいかなと思います。」
ー結局力線なかったとしても、ハンデスとカウンターあるデッキはもとからリアニきついから(笑)
コンボ全般に強いサージカルと特にリアニメイトに強い虚空の力線でメタで使い分け!!
5.このデッキ使ってていいところ
上忍「ちゃんと回ると気持ちいいですね(笑)」
ー(笑)
上忍「というのも忍者が2体いて、ダメージを与えると、それぞれ2回ずつ誘発して4枚とか引けると膨大なアドバンテージが手に入る。」
上忍「要はカード引くのが楽しいんですけど(笑)そういうことができるとこのデッキ楽しいーてなります。」
ー楽しそうですね(遠い目)
上忍「あとは4/4が即座に出して押し付けて勝てると爽快です!」
6.苦手なうごき
ーさきほどピン除去されるときついとありましたが、他にもやられると嫌な動き、ヘイトカードとかあれば教えて下さい。
上忍「今の環境で言ったらウルザの物語がすごくきついです。」
ーどういうことでしょうか??
上忍「なぜかというと、このデッキ基本的に土地に触るカードがないのです。
ですので、あれと2マナランドとかで相手の構築物の方がサイズが大きくなってしまうと、こちらの攻撃が通らないし、受けてに回らざるを得なくなって、それも影槍で突破してくるのでかなり厳しいです。」
ーたしかにこちら4/4で相手x/xだと普通に考えて分が悪いですね。
上忍「そうなんですよね、ダメージレース的にも突破が困難です。土地を割るカードが入っていないからですね。」
土地を割る要素がないため、相手の方がサイズで上回ってくるウルザの物語は危険人物!!
(後編へ続く)