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新しい採用市場と働き方改革

こんにちは、これからの働き方研究所です。
いよいよ本日より11月がスタートし、2018年も残すところあと2ヶ月となりましたね。次年度の計画を立て始めている方も多いのではないでしょうか。
研究所ではそんな時期にこそふさわしいと考え、総務省統計局「労働力調査(詳細集計)」をベースに採用や会社の方針を検討するうえでの選択肢の1つとして、新たな人材市場に向けた働き方改革を考察していきます。

新しい人材市場の提案

多くの方にとって耳にタコといった話になりますが、厚生労働省『労働力調査(2018年8月)』によると、国内の全産業で3~4割の企業が人手の不足超過状態にあります。
人手不足に苦しんでいる企業が外部から人材を調達する為に取り組んでいる対策は、現状「新卒・中途採用の強化」が中心になっています。新卒・中途採用市場は少子高齢化の影響から、そもそもの母数が減っています。そのため企業間の競争は激化し、2019年卒新卒の有効求人倍率は1.88倍、さらに中小企業では過去最高の9.91倍に及びます。(出典:リクルートワークス研究所「第35回ワークス大卒求人倍率調査」)

(出典:労働政策研究・研修機構「人材(人手)不足の現状等に関する調査」)

上述した背景から、これからの企業は既存の採用市場(新卒・中途)の外を見る必要性が出てきているのではないでしょうか。
例えば、前回の「これからの働き方研究所」で触れた外国人材も選択肢の1つですが、以下のような潜在労働市場では合計で約700万人が存在します。

潜在労働市場
・追加就労希望者 187万人
・完全失業者 162万人
・非労働人口のうち就労希望者 336万人 
 合計685万人
(出典:総務省統計局「労働力調査(詳細集計)平成30年4~6月期平均(速報)」)

新しい市場にこれからの働き方のヒントあり

前述した潜在労働市場では、女性が男性と比較して多いことが特徴として挙げられます。年齢層でいうと第一子出産後に値すると思われる25〜44歳前後の層が厚くなっていることから、育児が落ちついた段階で復職を希望する人が多くいることが読み取れます。またそうした女性達は退職前に何かしらの職歴を持っているキャリアのある女性で、全体の9割に及びます。
企業は潜在労働力の中にいる女性たちを、見落としていないでしょうか。

近年日本の女性の労働力率は、育児が一段落してから復職する女性が増えていることが要因となり、上昇傾向にあります。ですが国際的にみるとまだまだ低い水準にあるとともに、雇用形態別にみた場合に非正規雇用(パート・アルバイト・非正規社員など)で働く人の数が増加傾向にある点は考える必要がありそうです。

女性の就業率が上がっている要因に、前述の30~34歳前後の女性が非正規雇用者として働き始めていることが挙げられます。
そこから読み取れることは、復職するにも同じ会社に正社員として戻れる機会が全体でみると少なく、非正規労働者として働くことを余儀なくされている人々が少なくないということです。
また、なかには就業時間と働く場所に自由が効くという理由から、非正規をあえて選択する割合も高くなっています。このことから既存の正社員の働き方が育児・家庭と仕事を両立するには難しく、柔軟でないことを表しているようにも受け取れるのではないでしょうか。

(出典:内閣府共同参画局「男女共同参画白書(概要版)平成30年版」)

実際に女性達が求職するうえで「就労時間」「就労場所」を条件としていることや、就労のために必要な項目として「子供を預ける施設」「短時間勤務や在宅ワークなど多様な就労形態の普及」といった声が上がっています。

(出典:大阪府「女性の就業機会拡大に関する調査」)

企業はこうした女性達の要望を逆手にとり、家庭や育児を抱える人々が就労しやすい環境を整えておくことで、求職していなかった人々の求職活動の促進につながり、そして新たな人材市場の開拓へとつながっていくのではないでしょうか。

既存社員の定着や働きやすい環境という視点はもちろんですが、今後の採用や入社してくる人々に向けて企業はいまこそ柔軟な労働環境の整備が求められています。





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