案ずるより産むが易し
自然環境リテラシー学 Cチーム 前期に参加できなかった回の補習コース 11月8日
僕は8月にあった実習に参加できず、その補習として今回の自然環境リテラシー学に参加した。
この時期にシーカヤック…。正直、少し嫌ではあった。(笑)
天気悪そうだなぁ、寒そうだなぁ、水冷たいだろうなぁ、濡れるの嫌だなぁ(今回の内容はレスキューであったため、濡れることは避けられないのだが…)風邪ひかないかなぁ等々。
不安要素満載で出発した。
電車とバスに揺られ、ロッジさらくわに到着。
今回がシーカヤックが初めてという参加者も一緒だったため午前中は座学、午後から海上実習という形だった。
座学ではシーカヤックツーリングのガイドをしている柴田さんに南伊勢の地形の特徴や、ツーリングを行う際に使う地図についてお話を伺うことができた。
昼食を食べて参加者の人とも打ち解け始め、いざ海上へ!
とはならず、まずはPFDやスプレースカートの付け方と意義、パドルの操作方法、シーカヤックの乗り方などの講習を行ってから。そのあと海へ
ここからは海上実習で感じたことを述べていこうと思う。
まず感じたことは、波・風が強かったことだ。ロッジさらくわは、湾の奥にあるため普段は穏やかな海であるがこの日は時折白波が立つほど荒れていた。柴田さんや先輩方も驚いており、ここ以外では乗れなかっただろうとおっしゃっていたほどだった。風が吹くとカヤックは自然と風上へ向くと教わり、実際にもそれを体感できた。
しばらくして初心者の人もある程度乗れるようになると、シーカヤックでの鬼ごっこが始まった。ルールはカヤックか体にタッチまたは携帯しているスポンジを当てられると鬼になり、鬼が増え続けるというもの。1回目は2人の先輩が鬼でスタート。やはり先輩方は上手く、徐々に鬼が増えていき、僕も先輩の見事なスポンジコントロールにより鬼となってしまった。2回目は僕が鬼でスタート。夢中になって追いかけていたが捕まることはできなかった。しかし、何度か惜しいところまで行き、自分の技術の成長を感じることができた。途中で風が強くなり、2人ほどチン(転覆)してしまい鬼ごっこは打ち切りになってしまった。
次はレスキュー訓練だ。補習の僕としてはいよいよといった感じだ。
ところがここで大雨が…
写真でもわかるようにかなり大粒の雨が降ってきて全員びしょ濡れに。
しかし、普段なかなか見ることのできない光景を見れたことは貴重な経験となった。
そして、雨が止んだあとレスキューに。
まずはグループレスキューから。
グループレスキューはチンしたカヤックを他の人が元に戻し、カヤックに乗るのを補助するというものだ。まず、チンしたカヤックの先頭部分に垂直方向に近づき、ひっくり返して元に戻す。そのあと互いに向きを逆にして並行にし、カヤックを抑えて乗り込むのを手助けするというのが大まかな流れだ。実習では先生がチンした役を認めスムーズに行うことができたが、実際になったらチンした方はもちろん、助ける側も慌ててしまうだろうから、そのような状況になった時にいかに冷静になれるかが重要だと感じた。
次はセルフレスキュー。
これがものすごく大変。チンしたらまずカヤックの先端を持ち上げ水を抜くが、これが持ち上がらない(笑)。ちなみに、これができなくてもヤックに乗った後でポンプで水を抜くこともできるため大きな問題ではない。先端を持ってカヤックをひっくり返し、カヤックの後部に馬乗りになるが、これにはコツがある。体を水面から垂直に上げようとするとバランスがうまくとれないため、体を水面と並行に近いようにし、バタ足をしてカヤックに乗ると上手くいくと教わり、その通りにやるとスムーズにできた。
写真のような体勢になったら、這うようにして前進し、お尻が座席部分にきたらそのままお尻を落として乗り込んで完了。しかし、前進するとバランスが崩れそうになってかなり大変。なんとか乗り込んだがここで問題が…写真を見てお分かりかもしれないが、座席からパドルが取れないのだ(笑)。今回は先輩にとっていただいたが、本来はもう一度やり直し。パドルをどこに引っ掛けるかも考える必要があると学んだ。
ちなみに今回一番心配していた水温は全く問題なかった。先輩に聞くと川はこの時期だともう冷たいが、海はまだ大丈夫なそう。新たな学びを得ることができた。
振り返ってみるとこの実習が始まる前に抱えていた不安は全くと言っていいほど問題なかった。海水温やのやり方などは実際に体験しないと分からないし、やってみると案外できたりするものだ。これぞ「案ずるより産むが易し」。これから自然環境リテラシー学だけではなく、さまざまな「初めて」に遭い、不安になると思うが、まずはやってみるということを大事にしていきたい。案外簡単かもしれない。