Fragmente:11
パリ、フランス。『資本論』は人を人として見ていない。ただそれは資本主義が人をどう見ているかの話である。マルクスは人を階級的視点と労働力の単位以外で見たことがあるのだろうか。(ないわけがない)
煌めくクリスマスマーケット。湖面。凍る。
白いワンピースに頭をもたげる劣情。それでも頭を下げて受けとる。キラキラと輝いていた。
ユリの花が咲いていた。最も古い記憶。見上げたスイカ先生。ユリ組か、思えば。
スイカ、ゆり、ならユリイカ!詩人になろうか。
Erwachsen zu sein
向かいの女性たちが Schimmelの綴りを確認していて何度でも頭を黴させてくる。
掘り返せ少年時代を。でも幼稚園、ない。記憶がない。何もしていなかったみたいに。記憶に蓋をして生きてきたからだろうか。覚えていないことにばつの悪さは覚えない。むしろかっこいいとさえ思っている。忘却の美学とはなんなのだろうか。
潜る試み。混ぜていなかった泥の底はかたい。
沈殿。かき分けてなかへ。
記憶と沈殿。粘土質の記憶