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ロールバックの仕様を理解して勝率を上げよう!

こんにちは!HK牙刀です。

今回は最新の格ゲーには必ずと言っていいほど搭載されているロールバック機能についての記事になります。

「何でヘッダーにキングクリムゾンがいるんだ?」って思われた方もいるかもしれません。大丈夫!あとでちゃんと出てきます。

「ロールバックって何?」って聞かれると「なんとな~くラグくないってことは分かるんだけど、仕組みまではもうわかんねぇなこれ。」って人が意外と多いんじゃないかと思ったので今日はロールバックの仕組みを分かりやすく解説します。ロールバックの仕組みを深く知ることにより、「ロールバックでの勝ち方」が見えてきます。

先に言っちゃうとロールバックはディフェンシブなプレイヤー、特に対空精度で飯を食っているようなプレイヤーが大損をする仕組みです。

RTをいただいて気づいたのですが、この勝ち方はゲームスピードが遅いゲーム、例えばスト5なんかのじっくりと腰を据えてやるようなゲームにはあまり向いていないと思います。KOFシリーズやギルティシリーズ等の「ゲームスピードが早い」「ジャンプ攻撃が早くて見えづらい」「表裏択や中段からそのまま大惨事につながるor死ぬ」「ガーキャンや前転等、ラグが絡むと対処がしづらいごまかし手段がある」といったゲームが対象となっています。

今回はとっつきやすい分かりやすさを重視して書くので、正確に言うと多少違う部分もあるかもしれません。細かいところまで指摘好き好き兄貴は、どうかご自重ください。

ロールバックは「体感的」にラグを0にする

まずロールバックとは何か?についてですが「体感的にラグを0にするテクノロジー」です。体感的にはラグがなくなっていますが、実際にはラグは存在してるわけです。じゃあ、そのラグはどこへ消えたの?っていう話になりますよね。

ラグはどこへ消えたの?

ロールバック機能により体感的に0にされたラグですが、実際はラグは帳消しになっておらず、しっかりと内部で処理されていない負債として残っています。じゃあ、このラグはどこで処理されるの?負債は誰が払うの?って話ですが、「防御側プレイヤーに全て押し付けられる」これがロールバック機能の本質です。とりあえず文面だけ見るとぞっとするような機能ですよね💦まずはこれだけ覚えておけば本質は抑えています。もう少し踏み込んでいうと「ロールバックとは攻撃側プレイヤー(自分)の快適さと引き換えに、防御側プレイヤー(相手)にラグを押し付けるシステム」ということになります。

従来のシステムと何が違うの?

ロールバックというシステムが革新的だったのは「ロールバック搭載のゲームは、時間軸は一緒でも自分と対戦相手で表示されている画面が違う」という部分です。これだけ聞いても意味がわからないと思いますが、これは後で画像で説明します。ロールバック非搭載のゲームでネット対戦をすると、どこかのタイミングで「ぐにゃああああああ」って時間が進むのが遅くなって、水中戦が始まりますよね?

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ぐにゃり

あれは対戦中の二人のゲームの時間軸を同期させて、二人のプレイヤーの画面に全く同じシーンを描画しようとしているからです。二人の画面を同時に同じシーンを描画しようとすると、処理が遅い側に時間軸を合わせなければいけない。二人のゲームが進んでいる時間軸を一致させるには、二人の画面に全く同じシーンが描画されていないとゲームとして成立しない。例えば自分の画面では自キャラが昇竜拳を撃っているのに相手の画面では自キャラが波動拳を撃っている。これでは時間軸が合わず対戦ではなくただのCPU戦になってしまいます。BGMがスローになったり、水中戦になったとしても二人の時間軸と描画を一致させるために、全く同じ画面を二人に描画しなければゲームが成立しない。これがロールバックというシステムが生まれる前のネットゲーの考え方だったわけです。

ロールバック環境下では自分と相手で異なる画面が表示されている

そんな中で「別に二人に同じ画面を表示させる必要はなくね?」という発想を持った天才(というか狂人?)が現れます。誰かは知らんけど。

「自分の動かすキャラがラグいから、プレイヤーはラグを感じるのではないか?相手のキャラについてはそこまで気にして見てないんじゃないか?」

「もし自分だけがラグくない環境を作ってやれば、多少相手がラグかったとしてもプレイヤーはラグによる不快さを感じないのではないか?」

「自分の動かすキャラさえ快適に動いて、いつも通りやっているようなコンボを決めることができれば、相手のラグは容認できるのではないか?」

これがロールバックの基になっている考え方です。要は「自分がいつも通りの動きができて、いつものコンボが決められば相手の事とかどうでもええわ!わしの魂のフルコンくらって死んでくれや!」っていうことですね。

まず前提として、ロールバック環境下でも非ロールバック環境下と同じように時間軸は共通ということ。ラグで生じたお互いのフレーム差を調整するために、相手の画面に表示されている自キャラの動きをちょこちょこ刻みでフレームを吹っ飛ばしている(ジョジョのキング・クリムゾンみたいなイメージ)と思ってください。だからゲーム中の自分の画面ではBGMが飛んだり、自分のキャラのフレームが飛ばされたりすることはありません。自キャラのフレームやBGMは常に正常です。ラグって描画しきれなかったけど、時間軸を合わせるために飛ばされるべきフレームは、相手の画面で自キャラの動いているフレームが飛ばされることで処理されます。やはり文字だけだとイマイチわかりづらいと思うので、画像で説明します。

画像で見るとだいたいこんな感じのイメージ

例としてロールバック環境下のKOFXIで、自キャラリョウで相手に中段を撃った場合、二人の画面にどう描写されているかを比べてみます。

左の列が自分の画面  右の列が相手の画面

名称未設定

左の列が自分の画面  右の列が相手の画面
※リョウの中段は正確には発生16Fですが、めんどくさいので割愛💛

左と右の時間軸は同じです。
左の列(自分の画面)では発生~ヒットまで全フレーム正しく描画されています。それに対して、右の列(相手の画面)では、予備モーションがカットされた中段がいきなり飛んできています。ここで大事なのは中段がヒットするタイミングは自分も相手も同じということです。ですが、ラグを処理して二人の時間軸をあわせるために、そこに至るまでのフレームを吹っ飛ばされているという感じですね。相手画面に映っている自キャラのフレームを吹っ飛ばす処理により、自分と対戦相手、二人の時間軸は常に同期しながらもラグがないように体感できるわけです。

「予備モーション」を吹っ飛ばして、「中段がヒットした」という「結果」だけが残るキング・クリムゾンそのもののようなシステムです。

画像3

さすがに上記の中段のような極端なフレームの飛ばされ方はしないですが、体感しづらいレベルで相手の画面では自キャラの動いているフレームがちょこちょこカットされているということです。相手からすると予備モーションを大幅にカットされた高速中段が飛んできたり、ガードしたはずのジャンプ攻撃をくらっている。これが「自分の画面では、自キャラの動きにラグがない」「自分のラグを相手に押し付ける」というロールバックの本質になります。

ここで大事なのは「逆もまた然り」ということです。こちらの画面では相手キャラが予備モーションを大幅にカットされた中段を振ってきたり、いつのまにかヒットしているジャンプ攻撃を振り回してきます。相手からすると「自分の画面では自キャラの動きは正常。相手の画面には高速中段を振り回している自キャラが描画されている。」ということになります。つまり、二人とも相手は予備モーションをカットされた超高速ジャンプ攻撃を持ち、見えない中段を振り回してくるやべーやつになっているということですね。

ロールバック環境下での勝ち方

察しのいい方はもう気づかれたと思いますが、ロールバックは自分のラグを相手に押し付けるという特性上、「攻めが滅茶苦茶強いシステム」になっているということです。これはゲームによって違うのですが、KOFはゲームスピードが早く、小or中ジャンプ攻撃が非常に見えづらい上に通ればフルコンをたたき込めるゲームです。だからジャンプという行動が強い、そのジャンプを狩れる強力な対空技やジャンプ防止技を持っているキャラがオフでは強いのですが、ロールバック環境下ではその考えは捨てたほうがいいです。

特にKOFXIは昇りで出した小or中ジャンプ攻撃(中段)から地上技が連続ヒットするおかしなキャラがたくさんいます。オフラインでも見えづらい攻撃が、ロールバック環境下で見えるのかって言われると絶対に見えません。

例えばクーラを使っていて、常日ごろから小or中ジャンプも全部バイツ対空で落とせますっていう人がいたとします。ロールバック環境下で同じ動きをしようとした場合、恐らく何度もジャンプ攻撃を通されてしまいます。ロールバック環境下でも通常or大ジャンプは普通に対空で落とせます。ところが小or中ジャンプを対空で落とそうとした場合、見てからではほぼ間に合わないのではっきり言って対空で落とすのは諦めたほうがいいです。それはあなたの対空精度が落ちたわけではなく、あちらのラグをこちらに押し付けてくるロールバックシステムのせいなのです。

そんな環境で対空待ちやガンガードに徹したところで守りきれるはずもなく、100%割られます。通常技での暴れ、パなし昇竜、パなし気味の前転で運ゲーしたほうが圧倒的に生存確率が高いです。ガーキャンでささっと自分のターンにしてしまったり、処理がしづらいパなし気味の前転という行動がものすごく強いため、おそらくアーケードと比べるとガーキャンや前転の価値が上がっています。

ここで一回まとめると「ロールバックは攻めが圧倒的に強い」「ラグを押し付けられる守り側は滅茶苦茶きつい」「小or中ジャンプへの対空待ちやガンガードは大損」「多少雑でもいいからパなし気味の行動で自分のターンにしたほうが得」ということです。

自分から見てこの「ロールバック環境下での勝ち方」みたいなのを積極的に取り入れているのは02UMでよく見かける台湾勢の兄ちゃんたちです。彼らのプレイを見ていると異常なまでのコンボ精度が印象的ですが、よく見てみるとピンチになったらガードに徹せず(決してノーガードなわけではない)通常技での暴れや、対地のパなし昇竜、パなし気味の前転で強引に自分のターンにして、そこから精度を磨き上げた発動コンボを決めて一気に勝っているのをよく見かけます。「お前どうせロールバックのせいでガードできねえんだろ?」みたいな甘えたバレバレの中段や、パなし気味の前転から発動コンボを決めてゲームを返しているシーンがたくさんあります。

おそらく、オフ環境では彼らはそんな動きはしていないはずです。「攻めが圧倒的に強い」「防御側は相手の攻めが見えていてもガードが間に合うか怪しい」というロールバックの特性を理解した上で「ロールバック環境下での勝ち方」を突き詰めた結果、そういう動きが強いという結果になったのだと思います。実際滅茶苦茶つええし。。。

ロールバックでの勝ち方まとめ

・ロールバックは攻め側のラグを守り側に押し付けるキング・クリムゾンのようなシステム。

・攻めが圧倒的に強いので手数の多いキャラや、崩しが強いキャラがさらに強くなる。見えづらい小ジャンプ、中ジャンプ、低ダ、中段の凶悪さがオフよりも数倍上がっている。逆に対空やガンガード等の守りのシステムをメインのシノギにしているようなキャラはオフよりもランクが落ちる。

・ガンガードや対空待ちは絶対割られるので大損。

・割り切ってオフの動きとは違う動き、多少雑でも暴れ、パなし、処理ミスを狙った前転で自分のターンにしてどんどん仕掛けた方がリターンが高い。

ロールバックとはだいたいこんな感じの内容です。オフだと絶対見えないような攻めを持っているが、守り面が弱過ぎてランクが低いようなキャラはロールバック環境下であればランクが変わってくる可能性があります。オフと同じように丁寧なプレイを心掛けて理不尽な負け方をしている兄貴は、この機にロールバック環境下での勝ち方を突き詰めたようなプレイに異世界転生されてみては?

キング・クリムゾンを使いこなして相手をブチ回そう!

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ご武運を!

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