変なウェブサイト屋に依頼すると、ウェブサイトやSNSで何もしなくても売れる?

「ウェブサイトやSNSを整えれば売上が上がる」
よく耳にするフレーズです。

本当にそうでしょうか?
BaseTreeのお客様の多くで、「ウェブサイトは変えてないのに忙しい」という事象が発生しています。

そうすると、前提の「ウェブサイトやSNSを整えれば売上が上がる」が成り立たないわけです。

そこであらためて、制作会社に依頼することで得られる本当の価値は何なのか考えてみます。

ウェブサイトをどうにかしようとする過程で、経営者や組織が内側から変わり、それが普段の振る舞いや在り方に現れる。
だから自然とお声がかかる。

ウェブサイト屋に依頼する本当の価値は、経営者自身の思考や行動、社内の在り方を内側から変える「問いかけ力」なんじゃないかと思います。

テクニックや作業は代行可能。しかし、最後は「人」

美しいデザイン、洗練されたコピー、巧みなマーケティング戦略。
これらはすべて外注すれば手に入ります。
プロに任せれば、質の高いWebサイトやSNS投稿を「代理」で生み出せるでしょう。
自分たちで一言も発しなくても。書かなくても。

しかし、どれだけ立派な外側をつくっても、最終的に顧客は「人」を見ています。
私が生きる地方では特に顕著だと思います。

問い合わせ窓口に立ち、商品を提供し、サポートで困りごとに対応する…
これら全て、人です。

たとえウェブ上で完結するサービスであっても、その裏側にいる人間の思考と価値観が反映されたものがサービスなのであって、誰がつくっているかがサービスの質を左右します。

ウェブ上でいくら外面を取り繕ったり、すごそうに見えても、実際に会ってみたら期待ハズレだったり。契約後に「思っていたのと違う」と幻滅されたり。言っていることとやっていることが違ったり。
外部が整えた“虎の衣”をまとった「猫」では、信頼は長続きしません。

自社・自分に問いを立て、思考を深める過程の価値

私は
「あなたは何者なのか?」
「あなたたちは何者なのか?」
「顧客に何を提供したいのか?」
「なぜそれを実現する価値があるのか?」
と問いかけます。

あらためて文字に起こすとうるさいですね 笑
社員もいないフリーランス1年目なのに、皆さんよくお付き合いしてくださってます 笑

このうるさい問いが、経営者や自社メンバーが自分たちの内側に耳を傾ける契機となるのです。
たとえ言葉足らずで不格好でもいいんです。
喋ってみる、口にしてみる、自分から生み出すのが大事。

義務感に追われるのではなく、「こうしてみたい」「やってみたい」という純粋な意欲が湧き上がり、稚拙でも自分たちなりの言葉でサービスの理念や価値を表現する。
これが他者任せでは得られない、自社にしか生み出せない“本物”の原資となります。
合理性やコスパを超えた、その会社ならではの魂や情熱が、顧客に「この人たちなら託してみよう」と思わせ、信頼を生むから、声がかかるのです。

信頼に応えることが究極のマーケティング

顧客が商品を選ぶ理由は価格や機能だけではありません。
「この会社なら信じても良いかもしれない」という不確実さの中で、あえて託してもらえることこそが究極の価値提供です。

託してもらった信頼に応えることが、実は最高のマーケティングになります。
なぜなら、信頼は人と人とのつながりの中で成立し、ウェブサイトやSNSを介さずとも売上が自然と生まれる循環をもたらすからです。

人は人の中でしか生きられない。
1人で生きているつもりでいたとしてもです。

仕事も同じで、誰かの困ったを解決することができるから選ばれている。
誰もができることなら仕事にならないわけです。
そして自分もできないことがあるから誰かの力を借りる。
その循環の中の1要素として自分もいる。
そう思えば「自分がどんな要素なのか」を循環の中で表現すれば、自然と好転するものだと思うのです。
誇張なく、偽りなく、煽らず、誠実に。
ウェブでも、対面でも。営業でも、サポートでも、製造でも、社内でも。

信頼の源泉となるのは、代行では到底まかなえない、自分たち自身が紡ぎ出した「言葉や行動によるブランドストーリー」です。

ブランドストーリーと聞くと身構えてしまいますよね。
要は絵本とかゲームとかと一緒で「物語」です。
語弊があるかもしれませんが、批判を恐れず、あえて噛み砕くと
「こういう経験があったから、これが好き/得意で、こうしたいから、これをやってる人たちです」ってことです。
意訳すぎたかな…笑

「問い」を立てられちゃったので、それにどうにか答えようとする。
そのプロセスが、自社の価値を明確にし、自分たちの言葉で語れるようになる。

語った言葉の「背景と今」という点同士を繋ぐと、自分、自社、サービス…に関連性や一貫性があるはずです。
バラバラな点同士を繋げた「線で語る」ことが物語。
線だから続きがある。今から見たら未来です。
その線上の点、未来まで、確実に線がつながりそう!
というのが「信頼がおけるか否か」ということなんじゃないかと思います。

変なウェブサイト屋は、「なぜ、何を、誰に届けるのか」問いを立ててきます。
この問いが自社内に眠る答えを掘り起こします。

自分たちなりの言葉と行動で顧客の信頼に応えられる会社は、ウェブやSNSがなかったとしても自然と売れていきます。

なぜなら、信頼という見えない資産は、いつでもどこでも「人」を通じて伝わるからです。
私は、その信頼資産を掘り当て、磨き、輝かせるお手伝いをする存在になりたいと思っています。
その結果、経営者が自らの在り方や自社の存在意義を確立し、ウェブ施策を起点に強靱なビジネスへと成長する姿を見届けたいのです。

いいなと思ったら応援しよう!