PHPカンファレンス2019に登壇してきました(スポンサー枠で)
この記事は、「弁護士ドットコム Advent Calendar 2019 - Qiita」の7日目の記事です。ラッキー7ですね。PHPの最新メジャーバージョンも7ですね。よろしくお願いします。
ということで、12月1日に開催された「PHPカンファレンス2019」にスポンサー枠で登壇してきました。
この記事はその顛末と感想をまとめたものです。思ったことをざっくばらんに書こうかと思います。登壇時の発表内容と違って個人の感想が多く含まれていますので、個人のnoteに書かせていただきました。
登壇しようと思った経緯
「誰か登壇したい人はいますか?」というエンジニアリングマネージャーの言葉に、「まあ一回くらい登壇してみようかな。」みたいな気持ちで応えた結果です。ということで、スポンサー枠での登壇でした。
私事ですが、結婚して子供も生まれてから勉強会にあまり行ってなかったので、良い機会なので参加しつつ、せっかくなので登壇してしまおうと思い、引き受けることにしました。
一方で、スポンサーセッションということで(一応)会社を背負ってということなので、スライドのレビューなどはそこそこ行いました。
スライドについて
『「弁護士ドットコム」を作り続ける開発組織について』ということで発表しました。
デザインは弊社の菅野さんに入れていただきました。壁打ちなどにもお付き合いいただきました。ありがとうございました!
以下、言い足りなかったり補足したい個別ページについてコメントしていきます。
P.3 「弁護士ドットコム」を作り続けるとは
最初に結論を言うことにしました。発表内容が技術的な内容ではなく少し特殊だったので「最初に結論を伝えたほう方がこの後のスライドが理解しやすいのでは?」と助言をいただいた為です。
振り返ってみると、「人」ということではなく「こんな感じで頑張ってます!」くらいの方がすんなりまとまった気もします。(「人」を大切にしているのは本当です!)
P.16 やりたいことは色々ある(事業会社の宿命)
この辺りは事業会社あるあるで共感してもらえるかなー、と思ったところです。たまにプラクティスで「案件を減らす」みたいな話も聞きますが、まあ減らないし減らせないですね。
しかし、それはまったくネガティブではなくポジティブだと考えています。やることがあるのは良いことです。決めなければいけないのは優先順位です。
そこで「コミュニケーション(対話)して優先順位を決めます…」という訳なのですが、次のスライドに続きます。
P.17 適切なコントロール(とても抽象的ですが)
物議を醸した(?)スライドですね。個人的には、この発表の中でもかなり上位で好きなスライドです。
「対話で適切なコントロールをしていく」ということで、とても抽象的な表現になりました。簡単に「対話」と言っても、利害が相反する人と話したりもしますので、最終的には良い意味で妥協して、最適な落とし所を見つけなければいけません。その辺りのニュアンスが「適切なコントロール」に含めていたのですが、なかなか説明が難しいところではありました。
そして「アジャイルな開発」も欠かせません。登壇時には端折ったのですが、個人的には「アジャイルな見積りと計画づくり」や「アジャイルサムライ」などをヒントにしています。見積もりに幅を持たせたり、インセプションデッキを作ったりはしています。アジャイルになることを意識しています。
何か言ってるようで何も言ってないようなスライドですが、発表後に「まあわかる」という反応をしてくれた方がいまして、とてもうれしかったです。ありがとうございました。
P.22 マネージドサービスの活用
サービス開発に注力するために、マネージドサービスを活用する方針についてのスライドです。
自社運用について、「人手が足りない」「インフラを民主化したい」としていますが、当初は「担当者の退職によりノウハウが消える」にしようかと思っていました。その際「必要以上にネガティブなことを言わなくても良いのでは」と助言をいただいて今の表現になり、サービスに開発に注力したい意図を強調できました。
弊社にもSREチームがいるのですが、かつてインフラチームだった歴史があります。その結果、現在でも数多くの自社運用インフラを抱えている状態です。そのような状況を改善すべく、アプリケーションエンジニアも含めた全員でインフラをコントロールできるように、マネージドで運用できるシステムはそちらに寄せてボトルネックを解消していく方針です。
P.23 Tech Focus Day
質問が多かったのは、この「Tech Focus Day」についてでした。
個人的にも、これからも続けていきたい良い取り組みだと思っています。今後も続けていけるように、エンジニアではない方にも分かるような結果をエンジニア主導で提供して行ければと考えています。
P.26 覇道より王道
トップの考え方として「覇道より王道」という言葉を紹介しました。
こちらを元々「現場のマインドセット」としようかと思っていたのですが思った以上に浸透していなく、「トップの考え方」と紹介して「結果的に、現場にも似たような考え方が浸透している」と説明しました。
覇道に比べて、王道は長期的だと考えています。弁護士ドットコムのサービスを支えてきた人は、長期的に、一歩一歩、サービスを前に進めてきました。このスライドはそのような意図を表現しています。
王道を歩むというトップの考え方を、現場のエンジニアの引き継いでいると言えるかと思っています。
P.27 「弁護士ドットコム」を作り続けるとは
最初にも出しましたが、改めて結論です。
ここで、「人」についての要素を6つほど挙げております。その中から2つの要素について解説をしたいと思います。
「秩序と混沌のバランス」については「Spotify engineering culture」を参考にしました。Spotifyですと「Chaos」「Bureaucracy」と表現されています。「バランスを取りつつ、やや混沌に寄って、ギリギリのところで維持し続ける」というのが表現されていて、カルチャーとして非常に共感しています。「Spotify engineering culture」は「part 1」と「part 2」に分かれています。すばらしいものになっていますので、そちらも見てみると良いかと思います。
「Respect Others」については、そのままで「他人を尊重する」という意味です。弊社の必読書に「Team Geek」があるのですが、その中で語られている「HRT(謙虚・尊敬・信頼)」のリスペクトにフォーカスした言葉になります。日本語だと、「尊敬」よりは「尊重」が近いと考えています。
P.28 We are hiring!
スポンサー枠ということで「我々は積極採用中です!」と締めました。
1つ前のスライドで「人」としたのですが、その人が足りないという流れでした。ありがちなエモっぽい締めになってしまったのですが、よろしくお願いいたします。採用に興味がなくても、勉強会などで一緒に何かできればと思います。
補足
全体的なまとめは、既に弊社の櫛引さんが書いてくれています。よろしければ、こちらもご覧ください。
タイトルに込めた意図
『「弁護士ドットコム」を作り続ける開発組織について』というタイトルも少しこだわりました。
ひとつは、「弁護士ドットコム」という言葉をタイトルに入れたことです。今回の登壇にあたって「技術の話をする人は他にいるだろうから組織の話をした方が面白そう」と考え、また「意外と事業会社の開発に興味がある人は多いのでは?」と思い、事業会社の開発組織について発表することにしました。タイトルに「弁護士ドットコム」という社名を入れたのは、そういった事業会社を強調したい意図からです。一方、聞きに来ていただいた方は実際に弁護士ドットコムを知っている方がほとんどで、(それは全然良いのですが、)弁護士ドットコムを知らない方にももっと聞いてほしかったです。とはいえ、社名を目立たせたい狙いもあったので、これはこれで良かったかもしれません。
もうひとつは、「作り続ける」という表現にしたことです。弁護士ドットコムは10年以上の歴史があるサイトです。今ここにいる我々だけではなく、過去の方、そして未来の方、(私も含みますが)多くの方によって作り続けられています。そういった意図を「作る」ではなく「作り続ける」という言葉に込めました。
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さいごに
なんとも子供っぽい感想ですが、とても楽しかったです。またチャレンジしたいと思います。
発表を聞いてくださったみなさま、ブースに来てくださったみなさま、スタッフのみなさま、ご協力いただいた数多くのみなさま、大変ありがとうございました。
ゆるふわアジャイラーです。