見出し画像

XAI Afterglowを考えてみた

2024年10月27日(日)に東京流通センターで行われたM3にて先行リリースされたXAIさんの新曲「After glow」について考えてみました。

本noteはこの楽曲はこういうものを表現したかったんだ!と断定するものでもこういう意味だ!と啓蒙するものでもありません。

あくまで、僕自身が考えてどう受け取ったか開示するためもので妄想にも近いかもしれません。
その点をご留意して読み進めていただけると幸いです。


歌詞を追って感じたものを書き連ねようと思いますが、まずは曲全体の所感を書き留めます。

キャリアスタート(前)から今まで、そして今の姿勢を表現したものなのかなと思い、この曲における光はステージを輝かせるスポットライトと考えた。

メロディから瞬きを感じて始めは混じりけのある淡い光を感じたけど、ピントが合った光が入り乱れるように思える。
アウトロには最初に感じていた残光が足元に転がって残るように舞台の端っこを微弱にだけれど確かに照らしているように感じた。
同じ事象でも受け取ったものの形は変わることなく、そこから抽出される感情だけが変わり記憶の情景が変化する。
過去を想いに変え、自らに還元していく。

自らを縛り付けてしまっていたものから解放されて、自分自身を何物にも妨げられることなく表現したい。


前回のEPは色々な意味で内側に音楽を届けたいという趣意を感じていたけど、
今回の曲はXAIとしてまたここから羽ばたいていくよという外への想いを感じた。


そのような楽曲だと受け取りました。



ずっとここで耐え|ていた《e i a》 暗い過去も 
はい《a i》清算《e i a(n)》      

しきたりとか 無い《a i》センスが 
常識にクソくら|えさ《e () a》

ピント合わせたい|低下《e i a》 
してく現在も抱い|ていた《e i a》

愚痴ばっかじゃ|無い《a i》センスが 
泣いたって仕方ない


e(i)aとaiで踏もうとしてるなと思った。
歌詞を追わなくても声を楽器として聴くことが出来て
耳障り良く、手でリズムを取ってしまう。

現在から振り返るネガティヴを多く抱いていた過去。
上手くやれなかった、しきたり(通っていた学校や家でのこと?)とないセンス、常識。
色々な事が出来るようになってきた今、やりたいことにピントを合わせて表現しようとしても、ままならない事がある。

減衰するナニカ、昔の感触を出すけど嘆いても仕方がない。



人と人の隙間縫うように 燃え盛る舞台の上を

Ah 睨んでも少しでも近づきたくてたまらない


ライブ会場のフロアで煩わしい後頭の隙間を縫うように視野を滑らせ、滾った目線で舞台を睨みつける。
そのまま言葉を引用させていただくが憧れや嫉妬心が入り混じったような感情。


どんな誓いや願いも届かない 

それは憧れという呪い

誰かに決めさせないで未来を あの閃光は


憧れは最も理解から遠い感情だなんて論説を見にする。仮に理解できたとしても、釣り合う相応なものは出力することが叶わない。
その残像だけが残って、縛り付けられてしまう。
この曲の光をスポットライトと解釈した。
朧げで混じり気のある淡い光。境界線が不鮮明になる。


Afterglow 心が叫ぶ方へ 君がいなくても

Afterglow ここからまだまだ飛べる 

そう信じさせてよ


Afterglow:夕焼け、残光、何かが終わったあとに残る感情。

ここは外に向けて発せられているように感じた。
表に出すことで想いの補強をする仕草。
形にしないと変形してしまうと確信を持ちきれない不安。君という幻想が見えなくても一人でもまだまだ飛んでいける、そう信じたいんだよ!という叫びに聴こえた。


シンキバからニュージャージー 

ベルリンから上海も

Rhinoceros portまでランデヴー

窓の曇ったタクシー 

慣れないアルコールで弾けた赤い星

深夜一人でダンシング 泣いたって仕方ない


新木場はフッドなのかな。
東京からアメリカ東海岸、ドイツから中国、世界中をサイポートまで連れていきたい。そこからどうするのかはあなた達次第というように受け取った。

出来ることは港へドッキングさせて何か想いを届けること、羽の休まるひとときを共有すること。

自分が不自由になって少し自棄になったとき、
何気なく視線を向けた先に映ったのが赤信号が切り替わる瞬間。
曇った窓越しに見える光は、ぼやけていて頭が回らない状態では星の瞬きのように見えるのではないかなと思った。日常的なささやかな転機で胸が晴れやかになる。


傷ついた神様に恋をしてた頃は ひとり舞台の上で

ただあなたの刺す光を 愛のように感じた。


ネガティヴを進んで享受し酔いしれていた頃に
スポットライトに刺されて、
ステージの上で歌えること、光を浴びれることに愛を感じた。

光が射すでも差すでもないのが良いなと思った。実際に感じた事をそのまま表現されているようですごく感覚的。


どんな誓いも願いも届かない 

奇跡やまじないもういらない

誰も触れさせないで 未来が あの閃光が


〜まじない もういらない とも 
〜まじないも、いらない  とも
聴こえるのが包容力を感じさせられる。

ここのサビは誰かにこの想いを伝えたいというように聴こえる。

未来を ではなく 未来が 
あの閃光は ではなく あの閃光が

前者は選択肢が手の中にあるように感じるのに対して、後者は主体性を感じてその手助けを施されるような気がした。

サビが途中で切れているのは自分というより、
相手に目線が合ってるからなのかなと思った。


間奏の歪んだハミングは舞台変化や心情の入れ替わり、過ごした長い時間を感じることができた。


どんな誓いや願いも届かない 

それは憧れという呪い

誰かに決めさせないで未来を あの閃光は

Afterglow 心が 叫ぶ方へ 君がいなくても

Afterglow ここからまだまだ飛べる 

そう信じさせてよ


確固たるナニカ手に取って他に惑わされることのないように、心に留めるような唄声。

あの日受け取った閃光は形が変わる事はなく、
輝いていてそこから抽出できるものが変化する。
過去を想いに変えて自らに還元する。


最後に歌い出しを繰り返すのは
改めて心にその気持ちを残して信じていきたいというメッセージなのかなと思った。

形にして発さないと不安になってしまっていた昔とは違って中にあるだけでも充分なほど強固な信念になったから歌詞が載っていないのだろうと考える。

アウトロの音は
イントロ、当時見えていた朧げな光が残光になってほのかにマーチンを照らす情景が脳裏に浮かんだ。

過去を潜り抜けて辿り着いた。


ファーストインプレッションと今だと印象がかなり違うなと思う。

耳触りや歌詞のインパクトではあるけど、ポップさのあるメロディに儚さを等身大に載せてるのかなという印象的を受けた。

曲を聴き進めていくと、今まで積み上げてきた中で発見し発現させた内に秘めた決意のようなものを等身大から滲み出す。
そんな清々しさと堅固さを感じる曲だなと改まった。


XAIさん いつもありがとう。

いいなと思ったら応援しよう!