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柔らかプログラマ

後輩にどうしたら柔らかく発想できるようになるのかと訊かれて一席ぶった話というか、自分のコツの説明を試みる話。この前書いたカーネル話を受けて。

①何もしない、もしくはサボる

性能改善なんかをやってると段々と解ってくるが、あるプログラムを速くしようと思ったらボトルネックを見つけてそこを改善する。しかし真面目に改善の前に考えることが一つある。必要のないことをしてませんか?

コードを眺めて高速化する前に考えたいのはそのコードを丸々取り去れないのかということだ。ちょっとしたトリックで何もしないことにする、もしくはサボれると効果が高い場合が多い。真面目に計算せずにうまい近似値を高速に計算するというのもある。個人的にはこの感覚があるのか無いのかが大事と思っている。もちろんサボれない時は地道にやるしか無い。

世の中何でもそうでというとあれだが、最近話題になってた話だと、これ。カツ丼のレシピの一手目に「カツをスーパーで買います」と書けるかどうか。小林カツ代は本当に偉大だと思う。

②ブラブラ遊ぶ

ちょいちょい遊びをいれたり、寄り道するのも大事かと思う。そういう心の動きというか。

後輩氏には「レシピを見ずに料理をしたら?」という話をした。レソピを外れてもちょっとした遊びが新しい発見につながることもあるのでそういうのも大事だと思っている。目的地を確認したらGoogle Mapを見ずに歩いて行くとか、カーナビの指示をわざと無視するとかそういう遊びがいい。

ちょっとやそっと道を外れても死ぬわけじゃないとわかるし、料理やブラブラ歩くのはうまく行くと「御褒美」が貰えるのが非常に良い。「あ、これでいいんだ」というか。正しい道は選ばなくても目的地には着く。

似た話、会社と自宅の間で乗り換えがあるくらいが寄り道ができていいかもしれない。

この手の話で好きなのは料理の鉄人での道場六三郎が披露したチーズ鍋の話。連戦連勝の最強の鉄人、道場六三郎に主催者が用意したテーマは「チーズ」、相手の専門はイタリアン、というので道場六三郎絶体絶命、みたいな試合なんだが道場六三郎が勝ってしまう。(流石にチートだろと思ったが)

「いや〜飲みながらチビチビ食べたりするし」みたいな勝利コメントだった気がするが、鉄人の話でいうと遊んで楽しんでいるときもずっと「これは何かに使えないか」考えてるに違いない。でも、食べてる最中は「へー」とか「ふーん」という感じチーズを齧ってる気もする。

最近はアルゴリズムが自分の興味のあることしか教えてくれないのでネットで勉強よりは出歩くとか、DIYとか料理がいいんじゃないかという気もする。心を揺らすというか。

③ズボラになる

「何もしない」「遊ぶ」を覚えると、ズボラになれる。全体を緩く捉えていじくりまわす心の動きが「◯◯でなきゃいけない」とか「◯◯が当然」という前提を外す。知識や技術があれぼなおいい。

ヴィシソワーズを作っていてスープを作るための牛乳がないことが解っても慌てて買いに行かずに豆腐を突っ込んでミキサーにかけられるようになる。サラダを作っててマヨが足りなきゃヨーグルトを足すだろう。

遊びやサボりの中で「これでもいいかな?」というようなものはどこかにもってそういうものが「技術」や「審美眼」と一致した時に力が出てブレークスルーするのだと思う。ちなみに豆腐ソワーズは結構美味しい。

彼女がズボラとは言わないが、平野レミみたいなのがいいんだろう。後輩氏にはCookpadを見ずに料理をしろとアドバイスした。

と、ここまで書いて、この本なんかも良い、

アイデアの作り方

30分もあれば読める。川崎の丸善のポップに感謝。

無理矢理OSに絡めるなら これ が好きな論文の一つ。どういう発想だ?と、ファッッとなったのを覚えてる。

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