Limiter(リミッター)について
Limiter とは音圧が一定レベルを超えないようにするものである。
終わり。
ではなくて、手持ちの Limiter プラグインの評価と、一番最初にどれを買っとけばよかったなどの感想です。
トゥルーピークについて
DTMでの Limiter についてお話するときに欠かせないのが True Peak(トゥルーピーク)なのですが、これについて詳しいお話が図入りで解説されているので参考にしてください。
これを知っておくだけで良いと思いますが、もっと詳しいお話は下記リンクなどでどうぞ。
きちんと理解できれば、かなり詳しくなれます。(筆者はちゃんとは理解できていませんが -6dB の知識を得ました)
手持ちにあるもの
Limiter 以外は入手した順番です。(正確じゃないと思いますが、大体です)
Limiter (PreSonus StudioOne 内蔵のもの)
George Yohng's W1 Limiter (無料配布)
IK Multimedia TR5 Classic Multi Band Limiter
IK Multimedia TR5 Brickwall Limiter
IK Multimedia TR5 Classic Clipper
FabFilter Pro-L
iZotope Ozone 11 Vintage Limiter
TDR Limiter 6 GE
FabFilter Pro-L 2
IK Multimedia TR5 Quad Limiter
IK Multimedia TR5 Precision Comp-Limiter
IK Multimedia TR5 Stealth Limiter
Mastering The Mix LIMITER (おまけ配布)
Apogee SoftLimit (おまけ配布)
PluginAlliance bx_XL V3
最初期に SONAR標準(Sonitus Compressor の Ratio あげて Limit するという)、W1 Limiter 使っていましたが、Pro-L を手に入れてからはずっと Pro-L でした。
ふとしたキッカケで Ozone 11 を手に入れて「何?これ?激重」と思って TDR に手を出して一通り堪能した後、やっぱり Pro-L 2 に戻ってきました。
その後の IK は T-RackS 5 MAX V2 にアップデートして入手、bx_XL V3 は調度低音とミッドハイ・ロー、サイドの分離どうしたもんかな・・・と悩んでいるときだったのでピタはまりで、1ヶ月だけサブスクしてそこからアップデートしたものです。
使用する音
UJAM の DOPE で作った音を適当に鳴らします、
DOPE なんて多分使うことないだろうなーなんて思ってたのですが、驚いたことに本当に使ってません。
なんでこんなん持ってるのと言われると、UJAMからのプレゼントです。
使わなそうなものをいくつかセレクトしたのですが、ほんとに使いませんね。
波形はこんな感じ。というか実音無いんですけどね。
基本同じ設定で試し、後はそのリミッターで可能な範囲でできるだけ派手に設定してみる
+6dBほど持ちあげて、シーリングは-0.1dB というだけの設定。(基本)
+6dBほど持ちあげて、シーリングは-0.1dB というだけの設定を派手にしてみる。(派手)
Limiter
TruePeak を見るか?と、見ない場合は Soft Clip にするかどうかの設定がある以外、平凡的な設定が可能なリミッターです。
リダクション量が -6dB 以下の場合(0dBが最大である、絶対値で比較するので「以下の場合」という言い方も変ですが、とりあえず -6dB 以上の場合)は、前述の記事「トゥルーピークについて考える」で 0dBFS を超えちゃった場合に該当します。
この図を見ると、0.12dB ほど超えちゃってますね。
派手な設定を試してみます。
同じく Bモードなのですが、スレッショルドを -12dB まで下げるとコンプレッションされた音が弾けてきます。
A は modern 、B は classic リミッターという感じなんだと思います。
PluginAlliance bx_XL V3
最近お気に入りでよく使っているマルチバンドリミッターです。
プリセットの 04 Master Loud を選んで TP Limter で Gain を 6.0 Ceiling を -0.1 に設定しただけです。
個人的にプリセット派なのですが、よく弄るのは左下の CROSSOVER (ちなみにグラフでも選べます)と、上3種類の GAIN、THREASHOLD と 各種 XL でしょうか。
IK Multimedia TR5 Classic Multi Band Limiter
長い間筆者のマルチバンドリミッターといえばこれでした。
バンド毎のメータリングもできず不便ですが、プリセットを選ぶだけでそれなりの音になっていたので、ずっと使っていました。
割と派手めの音に設定し直しています。
IK Multimedia TR5 Brickwall Limiter
マルチバンドリミッターは使っていたのに、なぜかシングルバンドのこちらは使ってませんでした。
設定項目があまりにも少なくて、尚且つ何が変わってるのかわからなかったのだと思います。
今聞くとはっきりわかります。
Clean、Advanced 1~4?あれ? Clip、Sat 1~3?あれ?なにが違うんだ?
多分 Advanced はゲインリダクションに影響するが、Gain Reduction の変化が無い→とうことは 0dB 固定になってて表示できない理由がある→きっと Sat はサチュレーション部分だけ抜き出したものだろうな、とか考えることができます。
(どうやら正解のようです。)
IK Multimedia TR5 Classic Clipper
Clipper の設定をしてみたけど基本も派手も同じ設定で、Slope だけが違うようになってしまった。
アタックが違って聞こえるだけのような気がします。
IK Multimedia TR5 Quad Limiter
Quad Limiter も以前紹介して以来全く使ったことなかったです。
とりあえず2バンドで、6dB上げて見ました。
こちらは派手にしたバージョン。
周波数も弄ってDOPEっぽくモコモコした感じにしてあります・・・
IK Multimedia TR5 Precision Comp-Limiter
これまた以前の紹介以降全く使ってない Comp-Limiter です。
6dB上げることはできるのですが、-0.1dBのシーリングができません。
ま、リミッター付きのコンプのエミュということなのでしょう。
全然派手じゃあありませんね。
触れるところアタックとリリースだけなんですもの。
IK Multimedia TR5 Stealth Limiter
Pro-L を持っていない人には安くてオススメの Limiter です。
今丁度 T-RackS 6 が出た時期で、すでに T-RackS のシリーズ持ってる方はイントロセール対象になっているはずです。($199が$100引きなど)
ブラックフライデーにもセールがあると思いますので、ぜひセールの時期に買っておくのをオススメしたいです。
Input と Ceiling を設定するだけで、あとはタイプを選ぶだけという簡単さ。
筆者はデモではよく使ってるんだけど、本番は Por-L 2 を使うことが多くて出番がありません。
派手目なのを設定したのですが、Hormonics 1 に対する Tight が派手になるのかな・・・
iZotope Ozone 11 Vintage Limiter
こっちも高名な Ozone 11 のモジュールの一つで Vintage Limiter です。
値段がそれなりにするのと、何度も書いていますが激重なので、使う人を選ぶツールです。
とりあえず modern モードで 6.0 dB 上げてみました。
こっちは Analog モードにして、Character を変更してみました。
ずんずんきます。
George Yohng's W1 Limiter
ちょー有名な WAVES の W1 ?のコピーのフリーソフトです。
Threshold とCeiling を設定するだけのオススメソフト。
AdaptiveRelease (リリースの適合性?SoftLimitっぽいやつかな?)をオフにして、Release を1.0ms にしてみました。
音が切れやすく派手になっていると思います。
TDR Limiter 6 GE
オーストラリアが誇る Tokyo Dawn Records のリミッター Limiter 6 の有料版(GE)です。
かなり優秀で細かいところまで触れます。
コンプ、ピークリミッター、高周波リミッター、クリッパータイプのそれぞれを組み合わせたり、組み合わせなかったりと言った使い方ができます。
ここではコンプレッサーに NOVA(TDRでも特徴的らしい) を使って、他のタイプをオフにして、思いっきり赤いメータを揺らすリミッターを設定してみました。(このような使い方は全く推奨されておらず、勿論マスターの最終段にはPro-L2をかましてあります)
Mastering The Mix LIMITER
これはプラグインブティックかどこかで買い物したときに付いてきたおまけリミッターです。
GAIN と CEILING を設定して定型的な作業をする分にも、5,6秒間を解析してそれに合うGAINはここだよと言った作業にも向いています。
かなりお得感あり。
ここは YOUTUBE 用としての解析の結果、「(右から2番目の赤い縦棒)LUFS が高すぎるので GAINをこの(左から3番目の緑の縦棒の)白いところまで下げなされ」と言われてるところです。
アタックを早く、NPG を大きくして(なんか派手になる)、そこそこGAINを調整してみた。
なんか派手になるのところが、よくわからなかったので使ってなかったのですが、ハーモニック・ディストーションなどと書かれていたので、多分サチュレーション関連なんでしょうね。
それっぽい音になっています。
Apogee SoftLimit
おまけで貰ったものですが、実は常用しているソフトのナンバーワンです。
単純にミックス段階での音上げに使ってます。
とにかく一番軽かったのです。
ここでは単純に 6dB 上げて Ceiling -0.1 dB したものを示します。
単純ですがドライブをMAXにあげてみました。
FabFilter Pro-L
このUIも懐かしいです。
当時は30dBくらい上げていました。
派手・・・なのかな?
香り付け程度しか変わってない。
FabFilter Pro-L 2
今常用しているリミッターです。
とにかく安心。
StudioOne には書き出し時に「マスターエフェクトをバイパスする」というオプションが付いているので便利です。
一応派手にしてみた。
で、どれを使えばいいの?
財力があるなら Pro-L 2 を
もっと財力あるなら、CPU にもお金をかけて Ozone 11 を
そんなに無いなら色々と試用してみて自分にあったものを
全然財力ないなら W1 Limiter を使いましょう。
リミッターとして使うならマルチバンドはやめておいたほうが良いかもしれません。
マスター段に挿すだけなら良いかもしれませんが、バスに挿したりするという使い方を考えればマルチバンドは後回しにして、純粋にリミッターとして使えるものを選択したほうがいいと思います。
終わりに
DTMを始めたときからソフトシンセを使っていましたが、通常のソフトシンセって音が小さいんですよね。
ただソフトシンセの音であっても、オーディオ化してノーマライズしてやればいいのです。
リミッターとかはその後の音が飛び出しちゃったテヘとかの場合お話です。
リアルな録音の現場に居た身として(周りが録音だーと言っている最中、同じCDに収録するデジタルコンテンツを作っていた)、それらの知識がなかったことを悔やみます・・・
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