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pmconf2024 現地参加レポート
こんにちは。マネーフォワードの宮内です。toB向けの帳票送付サービス、マネーフォワードクラウドインボイス送付のPdMを担当しています。
2024年12月6日に開催されたpmconf 2024 Day2のオフラインイベントに参加させていただきました!
pmconfは2016年から続く、国内最大級のプロダクトマネージャー向けカンファレンスです。
パネルディスカッションやOST(参加者同士のディスカッション)を通じて多くの学びを得ることができました。
今回はその様子を参加レポートとして共有します!
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パネルディスカッション:プロダクトマネージャーと仮説/戦略
まず、パネルディスカッションでは、Zen & Companyの宮田さんとFoundXの馬田さんが、「プロダクトマネージャーと仮説/戦略」をテーマに熱くお話されていました。
中でも私にとって印象的だったテーマについて共有します。
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仮説の質とインプットの量
宮田さんが「仮説はカッコいいものではない。量的なインプットを続けた先で思考を咀嚼し、組み直すことで初めて形になる」と語っていたのがとても印象的でした。過去に戦略コンサルタントとして新規ドメインに入る際、2週間ほどで20〜30冊の書籍と多数のケーススタディを網羅していたそうです。
ついつい急いでアウトプットばかりに力を入れてしまいがちな性格なので、「地道なインプットを重ねているか?」という問いはすごく刺さるものでした。
AIの進化で言語の壁も溶け始め、アクセスできる情報が格段に増えているという恵まれた環境も利用しながら、私も日々のインプットの量を増やしていこうと考えるきっかけになりました。
戦略のコモディティ化と組織戦略による差別化
「戦略は5秒で立てられる時代が来る」という指摘も記憶に残りました。過去に宮田さんが「国内SaaS戦略は4パターンに分類される」とSNSで発信されていましたが、生成AIの進化も相まって一般的な戦略フォーマットや定石は瞬時に生成できるようになるかもしれません。
実はSaaSって、国内だと取れる戦略少なくて、4パターンぐらいに集約されるんじゃないか。
— Yoshitaka Miyata / 宮田善孝 (@zenkou_1211) July 22, 2024
・会計、人事や契約レビューや契約書管理などは垣根を超えて、Multi-Horizontal化
・Verticalは参入障壁高くて、じっくりAll-in-Oneを作り込む…
そこで差別化のポイントとして話されていたのが人材育成や組織編成などの「戦略を実行しきるための組織体制の構築」でした。
戦略がパターン化されつつある中で、この組織戦略にはまだホワイトスペースがあるいうことです。
PdMはプロダクトづくりを成功させることがミッションである以上、プロダクト戦略だけでなく、自分のチームの体制や仕組みづくりにも真剣に向き合わないといけないと強く考えさせられました。
CPOを目指すだけがキャリアじゃない:エッジを立てるPdM像
「全員がCPOを目指す必要はない」「PdMはより細分化してエッジを出すことも価値がある」という言葉は、PdMという職種のキャリアパスを考える上で新鮮でした。
CPO的存在を目指すのも一つの道ですが、全員がそうなってもプロダクトはうまくいかない。特定領域で誰にも負けない専門性を磨き、その個性を持ち寄った集団でイノベーションを起こすのもPdM組織のあり方だということでした。
現在マネーフォワードには60人を超えるPdMが在籍していますが、その一員として働く中で感じるのは、自分の強みを活かして周りとその強みをかけ合わせたほうが、より早くより良いプロダクトが作れるということです。
そしてそのような大人数のPdM同士の掛け算ができる組織体制や仕組みを作っているのが弊社のPM室です。
よろしければ下記の記事も読んでみてください。
OST形式でのディスカッション
カンファレンスの後半はOpen Space Technology (OST)の形式でPdM同士のディスカッションが行われました。
会場の参加者の中からテーマを公募し、そのテーマの中で気になるものを選んでディスカッションに参加するというものです。
私も「ユーザー・ドメイン理解」をテーマとして挙げさせていただきました!
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2つのセッションに参加したので、そのディスカッション内容についてまとめました。(3つ目のセッションは大人気で中に入ることができませんでした😢)
PdMがデータ分析スキルを活用して意思決定するには?
最初のOSTセッションは「PdMがデータ分析スキルを活用して意思決定するには」というテーマに参加しました。ここでは、特に顧客満足度の定義と計測方法が熱い議題となりました。
ECサイトやメディアのようにコンバージョンが明確なプロダクトであればKPIは定めやすい。しかしそうではないプロダクトでは、成長のための明確な指標の定義や計測が難しいという悩みが共有されていました。
結果的には「満足度」を直感的なアンケート指標に頼るのではなく、実際の行動データを見てヒントを得るというソリューションが結論の一つとして挙がりました。具体的には、継続して使い続けているユーザーと離脱したユーザーの行動パターンを比較し、そこから満足(利用継続)の条件を逆算するアプローチするという方法です。
私が担当するプロダクトでも、顧客満足度を定義することは容易ではありません。「何が顧客の継続利用の鍵になるのか?」をデータ駆動で解明し、その裏にある心理や行動をインタビューなどで明らかにし特徴を把握するという、定量情報と定性情報のかけ合わせが仮説検証の肝になると感じました。
ユーザー理解とドメイン理解について
2回目のOSTでは、私が「ユーザー・ドメイン理解」というテーマを挙げました。私自身、実はマネーフォワードへの入社から日が浅く、新たなドメインやユーザー理解を進めていく中で「周りはどうやっているんだろう?」と感じたのと同時に、自分の知見も共有できるかも知れないと考えていました。
<ヒアリング依頼のハードルが高い>
真っ先におすすめの取り組みとして多く上がったのは顧客へのヒアリングや実際の仕事を見学するというソリューションでしたが、一方で「顧客に聞きに行くハードルが高い」「聞きに行けるけど実運用者が出席してくれない」などヒアリング機会を設けてもらうことの難しさが悩みとして挙がりました。
それに対し参加者から更に、顧客は忙しい中で何のインセンティブもなくインタビューに答えてくれることは少ない、PdMとして何を顧客に与えられるのかをインタビュー設計の一部として考える必要があるという意見もありました。例えば、要望を聞く時間を設けたり、未来のプロダクトづくりについて巻き込むスタンスを見せたり、ということです。
ユーザーとの対話のハードルがある中で、私たちPdMは「なぜ顧客が協力してくれるのか?」を意識した関係構築が欠かせないと改めて感じました。
<ドメインエキスパートとの協業>
もう1つ、ドメインエキスパートの存在についても活発な議論となりました。理解が難しい領域や現場ヒアリングが簡単にはできない医療などの領域では特に活用されていますが、みなさんが共通して口にしていたのは「ドメインエキスパートはN1であり情報が偏っている可能性があることを忘れない」ということでした。
積極的に頼るべきではあるが、仮説を生み出すことに協力をしてもらい、仮説検証は実際の顧客にするべきだという意見が特に印象的でした。
OSTに参加してみて「似たような悩みを抱えているPdMが全国にいる」という安心感もありましたし、「自分が普段抱えている悩みを他者がどう切り返し、乗り越えているのか」をリアルに知れるのはとても勉強になりました。
最後に
pmconfのオンサイトイベントに初めて参加しましたが、新しい実践的アイデアを得るだけでなく、自分自身の立ち位置や視座を見直す機会となりました。また、懇親会でもたくさんのPdMの方とお話しして、世界を良くしたいと思っている同じ志をもった仲間がこんなにもいるんだ、と胸が熱くなりました。
明日から引き続き自分のプロダクトを前進させ続けることに集中し、来年も新しいテーマを持ち込んだり登壇したりなどチャレンジできればと思っています!
マネーフォワードは、今回のpmconfのセッション選考に惜しくも落選してしまった方々によるイベント「落選セッションお披露目会」の運営をお手伝いしています!
落選したとは思えない魅力的なテーマとゲスト勢揃いのイベントです。残席わずかとなっていますので、ぜひお早めにご応募ください!
最後に、マネーフォワードでは共に働く仲間を募集しています!オープンポジションなどもご用意しているので気軽にご応募ください。