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黒森峰の逸見姉妹を書き終えて

 こんにちは。お久しぶりですH&Kです。ようやっと黒森峰の逸見姉妹が完結しました。2016年から書き始めた物語ですので、なんと7年も掛かっちゃいました。遅筆すぎですね。でも終わりにはたどり着けたので、そこは誇りに思っています。

 というわけで今回はその逸見姉妹を書き終えた感想とか、ハーメルンで書き切れなかった今後についての詳細をこちらでしたためられたらと思います。



取り敢えず走りきった感想

 いにしえのネットミームでは「くぅ~疲れました!」みたいなやつがありましたが、結構アレ、真理を言い当てています。7年間50話60万文字超なんで疲れないわけないんですよね。でも取り敢えずは終わりまで出力しきったという安心感が一番大きいです。やっぱり物語として送り出した以上は、キリの良いところまで出すべきだと(現実はどうであれ)考えていますから。
 ただ反省も凄くあって、7年間もあると自分の文体というか小説のスタイルが大きく変わってしまうんですよね。連載当初は割と勢い任せだったのが、劇場版序盤くらいから丁寧に状況を描写しなきゃ、といろいろと助長にしてしまった自覚があります。
 これが本当に良くなくて、劇場版途中で長年空白を開けてしまった最大の原因になってしまいました。あれもこれも気になって、あの人物の心情も描写しなきゃ、とかここのシーンをもっと書き足さないと! と足し算ばかりの執筆をしていました。これってエター(死語)への直通かつ特急列車なんですよね。結局二次創作含むあらゆる創作活動なんてリビドーありきなんで、それを失った瞬間にさまざまなモチベーションが枯渇するわけなんです。
 で、見事エタった私なんですが、復活への道筋は常に模索していました。それについては次に書いていきます。

エタってる間、なにしてたの?

 超短いショートショート(オチなし)を妄想しまくっていました。主人公のカリエは元野球少年なので、戦車道から離れて野球をしまくっているシチュエーションを妄想していました。今回のエピローグはたぶんその時に考えたエピソードを流用していると思います。ただこれに関しては割と不確定で、なんかいきなり降って湧いたシーンのような気もします。エピローグを途中まで書いているメモがあるのですが、そこでは野球なんて影も形もなく、カリエが大洗の学園艦に取り残されているシーンを書いていますから。
 とにかく執筆に対するモチベーションとネタを掘り出すために、起承転結も何もないショートショートを量産していたのですね。
 でもこれが結果的には良かった。筆力は多分やや下降線ながらも維持できていましたから。
 あ、あと人の創作物を読みあさっていました。ここ最近の人に作品のテンポとか展開とか研究していましたね。
 最終話の戦車戦があっさり風味なのはその影響です。
 他にも劇場版の小説を十数回は読み通しました。やはり原作は本当に偉大で、あの緻密なプロットはまだまだ真似が出来ませんので精進していきたいと思います。

何で今更書けたの?

 これは本当にたまたまで、どうしても思いつかなかった展開のヒントを最終章4話から頂いたからです。ネタバレになるので、4話の方にはあまり触れないようにしますが、カリエが遊園地の工事用車輌が通行する地下通路を利用するシーンです。小説ではカットしましたが、カリエはエリカに協力して貰いながら狭い地下通路に潜り込んでいきました。

「本当にいくのね」
「うん、パンターのサイズと佐久間さんの腕ならギリギリイケると思う」
 ティーガーⅡ車体前方の緩やかな傾斜を利用し、パンターがそこへ後進で乗り上げていく。すると、主砲の俯角が本来よりも大幅に下を向き、地面を狙う形になった。そこには地下通路への入り口の蓋がある。
「堀内さん、やっちゃって」 
 中央広場の砲声に紛れるように、パンターの主砲がこれからの道を切り開いた。

 たしかこのあとエリカが広場に地上から合流することを考えると、なんか描写がくどいな、と思ってカットした記憶があります。如何に大学選抜のマークを外して奇襲するか、というところに頭を悩ませていたので、最終章4話のあのシーンは「こんなこともやっていいんだ!」と天啓を得た気分でした。

 あと、センチュリオンとの決着をようやっと思いついたからです。何とか優花里を投手、カリエを捕手、愛里寿を打者に見立てて決着をつけたいという思いはずっとありました。
 当初の案では縦横無尽に動き回る愛里寿をカリエがブロックして、優花里がとどめを刺すという案だったのですが、全くしっくり来ていませんでした。そもそも今ってコリジョン・ルールで捕手のブロックは実質禁止ですし。

「戦車道にコリジョンはまだないよ」

 というカリエの台詞も用意していましたが、これじゃない感が強すぎて当然ボツ。しかもカリエの物語なのに、カリエがとどめを指さないのはあり得ないし、愛里寿はそんなことでは絶対に討ち取れない強敵だとも考えていたので、本当に展開の袋小路に迷い込んでいました。
 で、どうしようもなくなって、ずっと最終章を1話から3話まで何度も見続けていたのですが、ふとショットトラップのシーンが何回か出てきているのに気が付いたのです。
 もう電撃が走りましたね。
 優花里が投げて、カリエが受けて、愛里寿を刺したらもう野球じゃん! て。
 Twitter(X)でも呟きましたが、ワールドタンクミュージアムのフィギュアでブンドドしていてこれを思いついたとき、小躍りしちゃいました。これでカリエの物語にケリをつけられる! て。

今後は?

 エタ中に作っていたショートショートをきちんと小説に整えて投稿していこうかな、と思います。たぶん5本です。で、メインの軸足をブリジットという名の少女REとヴァンパイア/ジェネシス(勘違い)に置いていこうと思います。とくにヴァンパイア/ジェネシス(勘違い)はもう七割まで来ているので、次完結させるならこっちかなと思っているので。

 というわけで皆さん、ここまでお付き合いいただき有り難うございました。むこう(ハーメルン)のあとがきには書き切れなかったお話でした。

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