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好きな作品|ハルキについて

自分を説明する難しさ
私は自分のことを話すとき、いつも戸惑いを覚えます。どれほど言葉を尽くしても、それが本当に「自分」を正確に伝えているのか、自信が持てないからです。言葉は便利な道具ですが、そこには簡略化があり、思考や感情をそのまま映し出せるものではありません。それに、意識的にしろ無意識的にしろ、「こう思われたい」という願望が入り込んで、それは純粋な自己表現というよりは、他者に向けた演出になりがちだと思います。そんな違和感が拭えず、自分のことを話すという行為そのものに、どこか意味の無さを感じることもあります。

伝えようとすることの意味
それでも、重要なのは「完璧に伝えること」ではなく、「伝えようとすること」なのでしょう。言葉がどれほど不完全でも、伝えようとする意志がある限り、そこには意味が生まれるはずです。他者と完全に思考を共有し合うことは難しくても、「知ろうとすること」「知ってもらおうとすること」を重ねるうちに、少しずつ本質的な部分が浮かび上がってくるのかもしれません。

作品が映す人の輪郭
私にとって、その手段のひとつが「好きな作品を語ること」です。作品は単なる娯楽ではなく、ときに価値観や人生観を形作る重要な要素になり得ます。ここで紹介するものは、単に楽しんだだけでなく、私自身の思考や感情に深く影響してきたものばかりです。もちろん、これらの作品が私という人間を代弁してくれるわけではありません。しかし、それらを共有することで、言葉だけでは伝えきれない「私」が、少しでも伝われば嬉しく思います。


目次



ぼくらの(鬼頭莫宏)

ジャンル:SF・ロボット漫画
連載期間:2003年~2009年鬼頭莫宏による漫画作品。
少年少女たちが突如として巨大ロボット「ジアース」に搭乗し、地球を守るための戦いを強いられる物語。
登場人物がそれぞれ重い境遇や内面を抱えながら、逃れられない戦闘に身を投じる様子を描く。テーマは「生命の価値」「犠牲」「責任」などに及び、シリアスな展開が特徴。

  • マキ編~コエムシ編あたりが好き。中でもキリエ、コモ、カンジ、カナ、マチ編あたりの話が特に好きです。

  • 最初に読んだのは13歳くらいの頃だったと思います。自分の価値観や人生観を形作る、大きな礎になった作品です。


悪の教典(貴志祐介)

ジャンル:ホラー・サスペンス小説
刊行:2010年
貴志祐介によるホラーサスペンス作品。表向きは完璧な人格者に見える高校教師・蓮実が、裏で冷酷な殺人計画を進める姿を描く。
先天的に共感能力が欠落して生まれてきた蓮実が、「人格者の教師」と評されるに至るまでの思考過程も描かれている。

  • 中学時代の蓮実少年が、当時の教師から人情の機微について熱く説かれた結果、人間らしさを会得する方法に思い至る瞬間の描写が好きです。

  • 「他者の内面は外からは分からない」という当たり前の事実を知って、自分もしくは他者の、表面と内面の乖離について深く考えるきっかけになった作品です。


進撃の巨人(諫山創)

ジャンル:ダークファンタジー・アクション漫画
連載期間:2009年~2021年
諫山創による漫画作品。巨大な壁に囲まれた都市を舞台に、突如現れた「巨人」と人類との戦いを描く。
物語が進むにつれ、世界の真実や各勢力の思惑が明らかになり、自由・差別・思想など多面的なテーマを扱う。アニメ化・実写映画化など多方面でメディア展開されている。

  • あまりにも好きな要素が多い作品です。王政編のリヴァイ、ケニーとウーリ、ヒストリアとユミルが特に好きです。レベリオ収容区襲撃あたりのライナーとエレンも好き。

  • 人間同士の争いや思想対立、差別の構造など、人間社会の根源的な問題を再考させられ、視野が大きく広がるきっかけになった作品です。

  • 連載を追いながら十代の殆どを過ごしたので、自分の価値観に多くの影響を与えている作品だと思います。


amazarashi

ジャンル:ロックバンド
活動開始:2007年~
秋田ひろむを中心とする日本のロックバンド。文学的かつ鋭い言葉選びと、独特の世界観を持つ歌詞が特徴。
絶望や苦悩、社会への疑問などをリアルに描きながらも、希望を見出すメッセージが多くの支持を得ている。

  • 全曲好きですが、「つじつま合わせに生まれた僕等」「1.0」「千年幸福論」「バケモノ」あたりが特に好きです。

  • 苦悩を肯定するための、多くの気づきを得るきっかけになりました。


日食なつこ

ジャンル:シンガーソングライター
活動開始:2010年代~
日本のシンガーソングライター。ピアノを主体とした楽曲と、詩的で鋭い言葉遣いによる歌詞が特徴。
透明感のある歌声と独創的な世界観で、根強いファンを獲得している。

  • 「大停電」「うつろぶね」「致死量の自由」「音楽のすゝめ」あたりが特に好きです。

  • 言葉選びのセンスや視点の鋭さから、率直に感情を表現することの意義を再認識するきっかけになりました。


ダルちゃん(はるな檸檬)

ジャンル:ドラマ漫画
刊行:2017年~2018年
漫画家・はるな檸檬による作品。見た目は“普通”に擬態して生活する主人公ダルちゃんが、自身の本来の姿や社会との違和感に葛藤する物語。
可愛らしいタッチでありながらもリアルに描かれる世界観のなかで、「普通」とは何か、「ありのままの自分」でいることは何かを問いかける。

  • 泣き崩れるダルちゃんを抱きとめるサトウさんのシーンが好きです。

  • 普通に合わせて生きることのしんどさがリアルに描かれていて、社会に溶け込むための擬態について再考するきっかけになった作品です。


OMORI

ジャンル:インディーRPG
リリース:2020年
アメリカのインディーゲームスタジオであるOMOCATが開発したRPG。少年“オモリ”の内面世界と現実世界を行き来しながら、トラウマや喪失感を克服する物語が描かれる。
カラフルで可愛らしい見た目とは裏腹に、重いテーマやホラー要素が含まれているのが特徴。

  • デュエットのシーンが本当に好きです。

  • 心の痛みや後悔といった、内面的な苦しみにフォーカスした物語を通じて、それらをどう乗り越えるか、自分の感情との向き合い方を再考するきっかけになった作品です。


PSYCHO-PASS

ジャンル:SFアニメ
放送:2012年~
近未来の日本を舞台に、犯罪係数を数値化し“潜在犯”を管理する「シビュラシステム」が存在する社会を描いたオリジナルSFアニメ。
過度な管理社会や個人の自由意志、正義のあり方などを刑事ドラマ形式で問う作品。後に漫画・劇場版など各種メディアミックスを展開。

  • シビュラシステムの設定とよく練られたストーリー構成が好きな作品です。全編好きですが、シビュラが槇島を勧誘するあたりのシーンが特に好きです。

  • 「最大多数の最大幸福」を掲げるシステムによる管理社会を目の当たりにし、自身が考える価値基準や幸福論を再考するきっかけになりました。


東京喰種(石田スイ)

ジャンル:ダークファンタジー漫画
連載期間:2011年~2014年
人間社会に溶け込む“喰種(グール)”と呼ばれる人外の存在を描いたダークファンタジー漫画。
主人公が半喰種となり、両方の世界に生きる苦悩を抱えながら自己を探し、社会の差別構造などと向き合っていく。

  • 月山編のニシキと貴未が好きです。赫子を綺麗と言われて固まってしまうトーカも好き。:reの滝澤、カナエも好きです。

  • 社会における"異分子"としての苦悩が描かれていて、マイノリティの生きづらさや、共存のために必要な努力について深く考えるきっかけになった作品です。


ダンジョン飯(九井諒子)

ジャンル:ファンタジー・グルメ漫画
連載開始:2014年~
ファンタジー世界でモンスターを料理して食べる、というユニークな切り口の漫画。冒険パーティが地底迷宮でモンスターを調理しながら探索を進める。
食と冒険の融合、丁寧な世界設定とキャラクター描写が人気を集めている。

  • 綿密に作り込まれた世界観と、登場キャラクターの造形の奥深さ、説得力の高さが好きです。

  • 物語の中で描かれる「生きるために食べる」というテーマが、食そのものの意義や生命の循環について改めて考えるきっかけになりました。

  • 友人曰く、私はカブルー君に性格が似ているらしいです。


ブルーピリオド(山口つばさ)

ジャンル:青春・芸術漫画
連載開始:2017年~
美大を目指す高校生・矢口八虎が、美術の世界にのめり込んでいく様子を描いた漫画。
受験の厳しさだけでなく、“本気で好きなことを追求する”ことの苦労や喜びをリアルに表現し、多くの読者の共感を得た。

  • 八虎が好きです。ユカちゃんも世田介君も橋田も好き。

  • 自分の本質的な部分が他者に伝わる喜びに心を打たれ、自己表現の重要性を知るきっかけになった作品です。


Elephant

ジャンル:ドラマ映画
公開:2003年
ガス・ヴァン・サント監督の映画。アメリカの高校で起こった銃乱射事件を題材にし、日常と暴力が地続きに存在する恐怖を描く。
ミニマルな演出とドキュメンタリー風のカメラワークで、「なぜ事件が起きたのか」の明確な答えを示さず、観客に考えを委ねる。

  • 友人に勧められて観て、衝撃を受けた作品。

  • 余計な説明を排し、静かな日常がシームレスに暴力へと転じる、その演出の巧みさが好きです。

  • 「普通」と「異常」の境界がいかに曖昧であるかを意識させられ、社会に潜む問題や人間の危うさを考え直すきっかけになった作品です。


時計じかけのオレンジ

ジャンル:SF映画(原作は小説)
公開:1971年
アンソニー・バージェス原作の小説をスタンリー・キューブリックが映画化したSF作品。近未来のイギリスを舞台に、暴力行為にふける主人公が矯正治療を受ける過程を描く。
暴力と自由意志、道徳や社会秩序といったテーマをショッキングな映像表現で訴え、当時大きな物議を醸した。

  • 観客自身の倫理観を試すような構造になっている点が面白くて好きです。

  • 個人の自由を奪うことと社会秩序の維持、どちらがより正しいのかというテーマを考えさせられ、視野を広げるきっかけになった作品です。


Get Out

ジャンル:社会派ホラー映画
公開:2017年
ジョーダン・ピール監督による社会派ホラー映画。黒人青年が白人彼女の実家を訪ねるうち、奇妙な出来事に巻き込まれていく。
人種差別をテーマとしながら、ホラー表現とブラックユーモアを織り交ぜた斬新な作風が高く評価された。

  • 人種差別をテーマにしながらも、ホラー映画として純粋に面白く、社会批評としても鋭いバランスが取れていて、総じて物語構成の完成度が高いのが好きです。

  • 理解しようとしているつもりでも、どこかで対象を異物として扱っている可能性があることに気づかされ、自分自身や社会にある、無意識の偏見を疑うきっかけを得ました。


キャビン

ジャンル:ホラー映画
公開:2012年
ドリュー・ゴダード監督・脚本、ジョス・ウェドン共同脚本によるホラー映画。典型的なホラー映画の設定を意図的に取り込み、メタ的視点で展開する。
ホラーの“お約束”を外側から観察するような構成が大きな特徴で、ジャンルへの批評性が高い作品。

  • ホラー映画の定番をあえて利用し、逆手に取るメタ的なアプローチが大好きです。

  • ジャンルの型を利用しながら、新たな表現を生み出す発想の面白さを初めに知った作品です。


トゥルーマン・ショー

ジャンル:ドラマ、コメディ映画
公開:1998年
ピーター・ウィアー監督、ジム・キャリー主演のアメリカ映画。主人公トゥルーマンの人生が、実は巨大なテレビ番組として24時間生放送されているという設定。
人々が他者の人生を娯楽として消費する姿勢や、トゥルーマンが真実を追い求める過程が大きなテーマ。

  • トゥルーマンの葛藤と、それを見守る観客の構図が皮肉で好きです。

  • 他者の人生を覗き見てエンタメとして消費することの残酷さや、メディアの倫理問題を再考するきっかけになった作品です。


ダンガンロンパ

ジャンル:ハイスピード推理アクションゲーム
リリース:2010年(1作目)、2012年(2作目)
スパイク・チュンソフトが制作したハイスピード推理アクションゲームシリーズ。閉鎖空間で殺人事件が起こり、学級裁判で犯人を追及していく。
個性的なキャラクターとスリリングなストーリー展開、倒錯した学園生活が特徴で、推理要素とアクション要素を融合させている。

  • 2で1の設定を上手に引き継ぎつつ、新たな物語を作り上げている点が秀逸で好きです。キャラクターの中では十神や狛枝、黒幕が特に好きです。

  • 最初に遊んだのが思春期あたりのころで、当時好きだった作品なので、自分の趣味嗜好に大きく影響を与えた作品な気がします。

  • 先入観を覆されることが物語の醍醐味であることを知り、またこれを繰り返し体験することで、何かを決めつける前にその背景を推察する習慣が身につくきっかけになった作品です。


Portal

ジャンル:パズルゲーム
リリース:2007年
Valve社が開発した一人称視点パズルゲーム。プレイヤーは「ポータルガン」を使って空間に穴を開け、出口と入口を自在に行き来しながら謎を解く。
シンプルな操作性ながら革新的なアイデアが高く評価され、後に続編『Portal2』も制作された。

  • ゲームデザイン、世界観、キャラクター、ユーモアセンスに至るまですべてが好きです。GLaDOSが好き。コンパニオンキューブも。

  • シンプルなルールから奥深い体験を生み出すデザインに感動し、ゲームの構成やユーザー体験構築の面白さに対する興味が深まった作品です。


Return of the Obra Dinn

ジャンル:推理アドベンチャーゲーム
リリース:2018年
Lucas Popeが開発した推理ゲーム。18世紀の帆船「Obra Dinn」に起きた謎の惨劇を、死者の最期を再現する能力で推理し真相を解き明かす。
モノクロ風の独特なグラフィックと革新的な推理システムが高く評価され、多くの賞を受賞した。

  • 船員の亡骸から死の瞬間の映像を垣間見ることで手がかりを拾い、船で起こった事件の全貌を推理する、そのゲームシステムの斬新さが好きです。しかもすごく面白い。

  • 断片的な証拠から論理的に真相を導き出すプロセスに没頭し、思考の整理や推理の面白さを改めて実感した作品です。


グノーシア

ジャンル:SF人狼ゲーム
リリース:2019年
プチデポット開発のSF人狼ゲーム。人狼にあたる“グノーシア”が乗船した宇宙船の中で、繰り返されるループを体験しながら真実を探る物語。
1回あたりのプレイ時間が短く、周回プレイを通じて登場人物の本音や過去を知っていく構成が特色。

  • ジナが好きです。と思ったけど、セツは当然好きだしSQもラキオもステラもシピも...たぶん全員好きです。

  • 人狼というマルチプレイ前提のアナログゲームを、一人でもプレイ可能なゲームに落とし込む工夫、そのゲームデザインが好きです。

  • バックグラウンドが作りこまれたNPCと繰り返し対話や駆け引きをすることで、表面的な言動の裏にある感情や意図に気づく体験が得られ、性格を読み解くことの面白さを再確認した作品です。


アベンジャーズ・エンドゲーム

ジャンル:ヒーロー映画
公開:2019年
マーベル・スタジオ制作の映画「アベンジャーズ」シリーズ完結編。前作『インフィニティ・ウォー』の続きとして、サノスに敗れたヒーローたちが逆転を図る。
これまでのマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の集大成となる大作で、多くのファンを感動させた。

  • 圧倒的なエンタメ性が好きです。アクションの派手さ、キャラクター同士の掛け合い、長年積み上げられたストーリーの集大成としての完成度の高さが好き。

  • キャラクターとしては、トニー・スタークが一番好き。

  • ヒーロー映画の王道的な魅力を再認識した作品です。


スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム

ジャンル:ヒーロー映画
公開:2021年
MCU版スパイダーマンの3作目にあたり、過去のスパイダーマン映画シリーズとのクロスオーバー要素が大きな話題に。
ヒーロー映画としての派手なアクションだけでなく、キャラクターの歴史を踏まえたドラマ性が高く評価された。

  • 作品全体に散りばめられたオマージュやファンサービスが絶妙で、エンタメとしての完成度が高い点が好きです。

  • 純粋に「観る楽しさ」を思い出させてくれた作品です。


エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

ジャンル:SFアクション・コメディ映画
公開:2022年
ダニエルズ(ダン・クワン、ダニエル・シャイナート)監督のアメリカ映画。平凡な中年女性がマルチバースを通じて数々の自分と対峙する物語。
SFアクション、家族ドラマ、コメディなど多彩な要素を詰め込んだカオスな作風が話題を呼び、アカデミー賞など多くの賞を獲得。

  • 作品自体がかなり好きですが、それ以上に、とんでもなく型破りで、万人受けしなさそうなナンセンスなユーモアが詰まった作品にも関わらず、アカデミー賞で高い評価を得たその事実が好きです。

  • 脈絡なく、広大な荒野の風景を背景に2つの丸い石が並んで置かれている画が突然スクリーンいっぱいに映し出されるシーンが本当に大好きです。同監督の「スイス・アーミー・マン」も好き。

  • 「どうやったらこんな発想が生まれるのか」と純粋な驚嘆を得て、創作の可能性の広さを思い知らされた作品です。


Outer Wilds

ジャンル:オープンワールド・ミステリーアドベンチャー
リリース:2019年
Mobius Digitalが開発したSFアドベンチャーゲーム。22分ごとにループする宇宙の中で、プレイヤーは古代文明の謎を追いながら、世界の終焉の真相を探る。
プレイヤーの知識のみがループを越えて引き継がれるという設計が特徴で、発見と考察を重視したゲーム体験が展開される。

  • 知識を得ることで世界が広がるゲームデザインの秀逸さが好きです。

  • 知ることそのものが冒険であり、発見することが最大の報酬であるという体験に衝撃を受けました。


STEINS;GATE

ジャンル:SF・タイムリープアニメ(原作ゲーム)
アニメ放送:2011年~
5pb.(現:MAGES.)の科学アドベンチャーゲームを原作とするアニメ作品。秋葉原を舞台に、偶然タイムリープ技術を発見した“未来ガジェット研究所”のメンバーたちが時間改変に巻き込まれていく。

  • 綿密に計算されたタイムリープの構成と、それに伴う人間ドラマの緻密さが好きです。

  • 伏線の回収と物語の構築力に圧倒され、ストーリーテリングの面白さをより深く考えるきっかけになりました。


暗殺教室(松井優征)

ジャンル:学園漫画
連載期間:2012年~2016年
“殺せんせー”という謎の生物が中学校の担任となり、生徒たちに自分を暗殺するよう仕向ける異色の学園漫画。
教育・成長・友情などを主題に、コメディ要素とシリアスな要素をバランスよく融合し、キャラクター一人ひとりの成長を丁寧に描く。

  • コメディとシリアスのバランスが絶妙で、読み進めるほどに感情移入できるところが好きです。同じ理由で脳噛ネウロも好き。

  • ただ信じて、その人をしっかり見ることの大事さを教えてくれた作品です。


パルプ・フィクション

ジャンル:クライム映画
公開:1994年
クエンティン・タランティーノ監督によるクライム映画。複数のエピソードが交錯するオムニバス形式が特徴で、時系列の前後や軽妙な会話劇が魅力。
犯罪や暴力を扱いながらも、ユーモラスな会話やポップカルチャーへの言及で独特の世界観を築き、評価された。

  • タランティーノ独特のブラックユーモアと、単に映像表現のスタイリッシュさが好きです。

  • キャラクター同士の雑談が、何気ないようでいて核心を突くものになっている点に魅了され、ストーリーテリングの奥深さを感じた作品です。

  • 同じ理由でレザボア・ドッグスも大好きです。(キル・ビルのやりたい放題っぷりも好き)


Doki Doki Literature Club

ジャンル:ビジュアルノベルゲーム
リリース:2017年
TeamSalvatoが開発したビジュアルノベル。可愛らしい学園恋愛ゲームのような見た目とは裏腹に、メタ要素やホラー表現を含む。
プレイヤーの選択やゲーム外の仕組みに干渉する展開が大きな話題となり、一種の“サプライズ”系作品として有名。

  • 仕掛けの衝撃度が高いにも関わらず、ただのホラーではなく、キャラクターの存在や行動に意味があって、総じて説得力のある構成になっている点が見事で、好きです。

  • メタ要素を駆使することで、プレイヤーの心理に直接訴えかける作品作りの奥深さを学び、創作における視点の広げ方に気づかされた作品です。


ただしい人類滅亡計画(品田遊)

ジャンル:哲学、SF小説
刊行:2021年
品田遊(別名:ダ・ヴィンチ・恐山)による小説。全能の魔王が現れ、10人の人間に「人類を滅ぼすか否か」の議論を強制するという設定で展開する倫理哲学小説。
「人類は滅ぶべきか?」という極端な問いを出発点としながらも、作中では様々な思想がぶつかり合い、反出生主義・功利主義・倫理学・社会問題などが鋭く掘り下げられる。

  • 「人類は滅ぶべきか?」という前提を置いたときに、論理的にどこまで思考を展開できるかを楽しめる思考実験のような趣きが好きです。

  • 自分はパープル(懐疑主義者)とシルバー(相対主義者)に、意見が被ることが多かった気がします。

  • 多様な主義・思想によって世界の見え方が大きく変わることを学び、複数の視点を共存させる思考の重要性を改めて考えるきっかけになった作品です。


プロジェクト・ヘイル・メアリー(アンディ・ウィアー)

ジャンル:SF小説
刊行:2021年
主人公は記憶を失ったまま「ヘイル・メアリー」で目覚める
科学的なリアリズムと、知性あふれる謎解きの要素がふんだんに盛り込まれた作品で、エンターテイメント性に富んだ展開が魅力。

  • 知的好奇心を刺激する科学的な考察と、論理的に問題を解決していく過程が面白くて好きです。

  • 異文化との意思疎通の難しさと、それを乗り越える過程に、人間同士のコミュニケーションにも通じる本質を感じた作品です。


ストーンサークルの殺人(M.W.クレイヴン)

ジャンル:刑事小説
刊行:2018年
イギリスの推理作家M.W.クレイヴンによる刑事小説。燃やされた死体に謎の痕跡が残る連続殺人事件に、個性的な警部ワシントン・ポーと分析官ティリーが挑む。
巧みなプロファイリングとテンポの良い捜査過程、対照的な性格の2人の掛け合いが魅力。

  • ティリー・ブラッドショーがとにかく可愛くて好きな作品です。

  • イギリスの風土や文化が反映された犯罪描写により、海外ミステリ特有の空気感や社会背景を味わう楽しさを改めて知るきっかけになった作品です。4作目のグレイラットの殺人も好きです。


あとがき

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。最初は単に「好きな作品をまとめる」くらいのつもりで書き始めたのですが、振り返ってみると、これは「自分自身を整理する作業」でもあったように思います。

作品を通じた自己理解
好きな作品を選び、それについて言葉を尽くすうちに、自分の価値観がどこから形作られてきたのかが浮かび上がってきました。改めて見渡すと、私が惹かれるのは、価値観を揺さぶられるような作品ばかりです。問いを投げかけてくるもの、既存の枠組みを少しずつ壊してくれるもの、あるいは今まで気づかなかった視点をそっと差し出してくれるもの。そんな作品たちが、自分の内面を少しずつ耕してくれていたのだと実感しました。

これからの変化
これからも新しい作品に出会い、そのたびに影響を受けて、今とは違う何かを大切に思うようになるかもしれません。そのときには、またここに書き加えていこうと思います。

あなたの「好き」について
そして、読んでくださったあなたにとっても、「特別な作品」がきっとあるのではないでしょうか。もし何かの作品が、考え方を変えたり、人生の一部になったりしたことがあれば、それはどんなものでしょう?もしよかったら、あなたの「好き」についても教えてください。それを通じて、少しでもあなたの世界を知ることができたら、とても嬉しいことです。

改めて、ここまで読んでくださったことに、心から感謝します。ありがとうございました。

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