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アンディ・マレーの引退発表によせて

今朝、私の大好きな選手の1人が引退するかもしれないというニュースが目に飛び込んできました。その選手とは「アンディ・マレー」です。

私の好きなテニス選手の中で引退を発表したのは彼が初めてです。ですから、このnoteを書き始めた今でも心の整理がついていません。

そんな中でこのnoteを書こうと思った理由は2つあります。1つは、私が私の気持ちを整理するためです。そして2つ目の理由は「アンディ・マレー」という偉大なテニスプレーヤーがいたという事実を自分の中に残し続けるためです。

そのため、いつも以上に拙い文章になってしまうかもしれませんが皆さんも「こんなことがあったな」などと振り返りながら、ぜひお付き合いください。


目次

1.マレーに心惹かれた理由を改めて考えてみる
2.個人的に印象に残っている3試合を振り返る
3.終わりに

1.マレーに心惹かれた理由を改めて考えてみる

マレーはフェデラー・ナダル・ジョコビッチと並びBig4の1人として近年のテニス界のトップに立ち続けていました。その中で、グランドスラムはウィンブルドンで2回・全米で1回の計3回の優勝を果たし、オリンピックはロンドンとリオで連覇を達成しました。ツアー通算では45回もの優勝を果たしたまさにテニス界のレジェンドの1人です。

そんな彼のどんなところに惹かれたのかを考えてみたいと思います。

プレー面でいえば、まずはコートカバーリング能力の高さです。「えっそのボール拾うの?」「その態勢で拾ったのにカウンター打ってくるの?」といったような驚きを1試合で何度も与えてくれるので、見ていてワクワクするプレーヤーでした。

そして、相手のセカンドサーブに対するリターンにも驚かされてばかりでした。まずおかしいのはリターンする位置の高さです。ベースラインの内側で普通にリターンしてきます。さらにおかしいのはただ返すだけではなく、威力と正確性も伴っていることです。

これには錦織も幾度となく苦しめられました。錦織とマレーの試合では錦織を応援する私にとって、マレーのセカンドサーブに対するリターンは脅威でしかありませんでした。

このようなプレーから伝わってくる「諦めの悪さ」や「勝利に対する意地」のような人間味溢れるテニスに心惹かれたのかもしれないと感じます。


2.個人的に印象に残っている3試合を振り返る

個人的に印象に残っている試合を振り返る前に述べておきたいことは、私がATPツアーを追いかけ始めたのが2014年シーズンからであるということです。ですから、悲願のグランドスラム初優勝や地元開催でのオリンピック金メダルはリアルタイムで見たわけでありません。

したがって14年以降の試合を挙げていくことになることを予めご了承ください(というより実際に挙げてみたらほとんどが16年シーズンの試合でした笑)。


①.2015年デビスカップ決勝 vsゴファン 3-0(6-3 7-5 6-3)

マレーのプレーは国を背負った時に、より凄みを増すと思っています。これもマレーに心惹かれた要因の1つかもしれません。1球1球に対する執着心がそれこそ半端じゃないように感じるのです。これは、普段のATPツアーの試合が100%だとすれば、120%いや200%ぐらいの力が発揮される、そんな感覚です。その分、驚くようなラリーやカウンターが連発して、見る側とすれば興奮が収まらないという試合がたくさん生まれるのです。

ここで挙げたのは、そんなマレーがイギリスに79年ぶりのデビスカップのタイトルをもたらした試合です。マッチポイントでおなじみのコートカバーからの絶妙なロブを見せ、勝利を決めた瞬間にコートに倒れる姿は今でも忘れられません。

その後、ホームで敗れ涙するゴファンとマレーの振る舞いも含めて強く印象に残っています。


②.2016年全豪オープン準決勝 vsラオニッチ 3-2(4-6 7-5 6-7 6-4 6-2)

キャリアの中でも1.2を争うくらい調子の良い時期のラオニッチの挑戦をマレーが最終的には完璧に退けたという試合です。

私は15年の冬に行われたIPTLのラオニッチvsナダルの試合を見て、この年の全豪で「ラオニッチ1発あるんじゃないか」と思っていました(今更言うのもアレですが・・・)。

その予感の通り、ラオニッチはこの大会で見事なテニスを披露し準決勝まで勝ち上がっていきました。そして、この試合も素晴らしい内容でセットカウント2-1とリードし、決勝も見えるようなところまでいきました。

しかし、ここからのマレーが強かった・・・どれだけ強いサーブやショットを打ち込まれてもボールに触り、拾い続けることでプレッシャーをかけ最終的にはグランドスラムを戦い抜く体力のところで差を見せつけ勝利を挙げました。

試合の終盤にラオニッチが負傷してしまったことが大きかったのは間違いありませんが、そこに持っていったマレーの強さもまた光った試合でした。
お互いに素晴らしいプレーを見せた好ゲームでした。


③.2016年デビスカップ1回戦 vs錦織圭 3-2(7-5 7-6 3-6 4-6 6-3)

国を背負った時に普段以上の力を発揮するもの同士の試合で、マレーの意地を見た試合でした。4時間54分の試合は見てる側も非常に熱くなりました。

試合展開としては一進一退の中でマレーが勝負強さを見せ2セットを先取します。その後修造さんいわく、ゾーンに入った錦織が素晴らしいテニスを見せ2セットを奪い返したものの最後はマレーに軍配があがるというものでした。

錦織がどれだけ素晴らしいショットを打ち込んでも、決して諦めずボールを追い続けチャンスを伺い、少しの隙も逃さないところにマレーの強さを見ました。

先のラオニッチとの試合と合わせ、Young Gunsと呼ばれていた世代の2人がどんなにいいテニスを見せても、最終的にはBig4が勝つんだなということを思い知らされた2試合だった気がして強く印象に残っています。


番外編.2016年全米オープン準々決勝 vs錦織圭 2-3(6-1 4-6 6-4 1-6 5-7)

番外編としたのは、完全に錦織ファンとして印象に残っている試合だからです。先に挙げたデビスカップ,そしてリオ五輪で錦織はマレーの壁に跳ね返されていました。一方マレーはウィンブルドンとリオ五輪というビックタイトルを手にするなど、キャリアの中でも非常に充実した時期を送っていました。

そんな状況で錦織が死闘を制し、見事にマレーの壁を越えて勝ちきった試合です。試合が終わって気がついたら夜が開けていましたが、本当に感動しました。

錦織vsマレーは両者の良いところを出し合う展開が多い気がして、最も好きなカードの1つでした。


3.終わりに

怪我による引退ということで本当に残念ではありますが、これまで繰り広げたいくつもの死闘を考えればそれは仕方のないことかもしれません。ですから、この事実を受け入れてマレーの次のキャリアを楽しみに待ちたいと思います。

本音を言えば、これまで何度挑戦してもたどり着けなかった全豪のタイトルを獲る姿を見たかったですし、東京五輪でそのプレーを間近で見てみたかったです(全豪優勝の可能性はまだありますが・・・)。

ただ、少なくともあと1回は彼のプレーを見ることができるはずなので、その姿をテレビ越しにしっかりと目に焼き付けたいと思います!


*選手の敬称は全て略させていただきました。

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