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<鑑賞記録>ダディー / アルメイダ・シアター

少し前に観た、超話題だった作品。なんとか当日券で観に行けた。直前でキャンセルになったド真ん中の席に座れてラッキーだった。

主人公は、ブラック・アメリカンでゲイで、まだキャリアを始めたばかりのアーティスト。彼には、大富豪で中年で白人の恋人がいるが、これが本物の恋なのか、遊ばれているだけなのか?という話。人種差別的な描写も性差別的な描写もあるけど、変に説教臭くなくて良かった。タイトルの「ダディー」は、彼らの関係が徐々に倒錯していき、DaddyとSon(父と息子)と呼び合う事に因んでいる。最初は、がっつり会話劇で、どんどん抽象的な不条理劇のテイストを交えて心情描写をしていく構成。確かに話題になるのは納得の快作。前評判通りの面白さ。

セットは、プール付きの豪邸のベランダ。ワンシチュエーションで、一年くらいの話になるのかな。本物の水を使ってたのが、ドラマ的には勿論、照明的にも音響的にも良かった。終盤、自分の作品が高額で売れ始めたり、友達や親との距離感が上手く掴めなくなってしまった主人公が、その強迫観念から、携帯電話の着信音が頭の中でガンガン鳴り響くというシーンがあったんですが、客席にスピーカーを仕込んであったらしく、ほんとにお客さんの携帯が一斉に鳴ったように聞こえて驚いた。なんかの事件でもあったのかと思った。

途中、男性二人が全裸のシーンが結構な長尺であって、小さい劇場だったので、割と驚いた。ちなみに、サイズ的にはスズナリくらいの規模感の劇場。日本だと、全裸の公演ってあんまり無い気がする。そのシーンは、最初はショッキングだったものの、お互いの気持ちを確かめ合う為の会話が丁寧に描かれていて、効果的だった。

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