海に両生類はいない
蛍池には熱帯魚屋さんは無かった
だから僕は大人になるまで本物のエンゼルフィッシュを見たこともなく
エンゼルフィッシュが淡水魚か海水魚かも知らなかった
子供の頃憧れたエンゼルフィッシュがネグロ川を中心としたアマゾン川水系の淡水魚だと明確に認識したのは恐ろしいことに2年前の7月、認識したというより思い出したのだと思う、あのすり切れるほど読んだ図鑑の魚が目の前に再び現れた
スクーバダイビングを始めて海を潜り、子供心から染み付いた図鑑好きに拍車がかかり、おそらく日本で手に入る魚類の図鑑はほぼ揃えているにもかかわらず完全にその魚だけ抜け落ちていた
理由ははっきりしている、海にもエンゼルフィッシュは居たのだ
標準和名でニシキヤッコ、ソメワケヤッコ、タテジマキンチャクダイ、ワヌケヤッコ、サザナミヤッコ、ロクセンヤッコ、など水中で見栄えのするキンチャクダイ科の英名は全て○○○○エンゼルフィッシュ
例えば小型種で人気のあるニシキヤッコはRoyal angelfish、サザナミヤッコはSemicircle angelfish、全て語尾にエンゼルフィッシュが付く
これにころっと記憶がすり変わり子供の頃夢中になっていたのは海水魚のキンチャクダイ科の一種だと信じ込んでいた、いまだ見ぬキンチャクダイ、そういう具合に僕の中でエンゼルフィシュが置き換わっていた
淡水魚のエンゼルフィッシュは日本で見かけるものはほぼカラフルな改良種で原種に近いものはアルタムエンゼルフィッシュが多いと思うが恐らくは小型水槽に適応できるように小型改良されている。
アマゾンのアルタムエンゼルフィッシュは背鰭、腹鰭の伸張が30cmにもなる
日本のホビー水槽にはほとんど適応しない
この魚を水景とともに個人で飼育されているのはADAの故天野尚氏だけだったと思う、それだけ難しい魚であるということだと今更ながら感じ入る