2023.1.3 令和5年魅知国仙台寄席 正月初席
花座の初席は顔ぶれが豪華で、公演時間2時間半弱とたっぷりやってくれるので見応えがある。沢山笑えるし、なんか行くと縁起が良いような気分になるのでおすすめだ。今回私が行った初席もたいへん良かったので、感想を書いていきたい。
立川幸路さん
演じたのは「牛ほめ」与太郎が似合うっていうのは誉め言葉じゃないのかもしれないけど、与太郎がなんか似合う。幸路さんのほんわかした柔らかい雰囲気が、与太郎のようなのんびりした人と合って良かった。可愛い与太郎を開口一番で見ることができて幸せ。
大友憧山さん
お正月と言えばこの曲でおなじみの「春の海」から始まり、年明けから明るい気分になる「栄光の架橋」、締めは「Jupiter」で壮大に。
渋めのイケオジでたいへん素敵な方なんだけど、感覚が若々しい。コロナ禍で演奏できる場が減ってからは、ライブ配信に積極的に取り組んでいる方。最近Tiktokでのライブ配信をやっていて、なんとフォロワーが2万人を超えたとのこと。多分これからどんどんバズっていくので、見たことない方はぜひ見に行って古参ぶってほしい。
まつトミ
花座で大人気の女性漫才師「まつトミ」のお二人。出囃子がオ・シャンゼリゼでとってもお洒落。これを聴きに行くだけでも幸せになれる。
浅草演芸ホールの12月下席に出演したまつトミ。以前花座に来てまつトミにドハマりしていた枝太郎師匠が主任。出演していると聞いてめちゃくちゃ嬉しかった。大荷物抱えて移動する大変さを面白く話してくれたり、都会のねずみを田舎のねずみがもてなす漫才やってくれてひたすらに笑った。
桂南馬さん
落語を聴ける体力をまつトミに全部削られてしまった…。絶望していたけど、南馬さんがゆっくりたっぷりまくらを振ってくれて、穏やかな笑いに包まれる客席。体力が回復していく。本当に助かる。
やってくれたのは「悋気の独楽」南馬さんの定吉がとても良かった。特に好きな場面が2つある。1つは、定吉がお饅頭を食べるところ。膝にこぼれ落ちたお饅頭の欠片を拾いながら食べるところが、子どもらしくて可愛らしい。もう1つは、定吉がおかみさんの肩叩きをするところ。嘘みたいに力強い。そんな叩き方ではおかみさんの肩がイカれてしまう。子どもらしい可愛い演技と、隠しきれない成人男性の力強さのアンバランス感がなんとも癖になる。
私は南馬さんの「初天神」も大好きだ。金坊の口から飴玉が落ちてしまう場面では、口からこぼれ出る力が強すぎて地面に刺さるような音がする。南馬さんの初天神聴いたことない方いらっしゃったら、ぜひ聴いていただきたい。
ニードル
宮城のじいちゃんばあちゃんの解像度が異様に高いニードル。高齢社会が進んだ結果、もしもハンバーガーショップで高齢者が働くことになったら…という漫才。耳が一つも聞こえていないばあちゃんがキュート。
高齢者におつかいしてきてもらう「あらためておつかい」とか、お盆のネタとか大好きなネタが沢山あるが、YouTubeで沢山視聴したハンバーガーショップを生で見ることができて本当に嬉しかった。
昔昔亭A太郎師匠
A太郎師匠の配信での落語は視聴したことあるし、Instagramでいつも拝見しているかっこいい師匠。生で見ると顔がちっちゃくて、足がめちゃくちゃ長い。股下2mはある。異常なくらいファンサしてくれる。4ポーズくらい写真撮らせてくれるし、なんなら終演後に多くのお客さんに話しかけて、一緒に写真撮ってくれる。普段Instagramでばかり見ていたので、想像の5倍くらいよくしゃべる。高座の上だから当たり前だろうとは思うが、かっこいい写真ばかり見ていたので、生の迫力にびっくりしてしまった。
ネタも大サービスで、2本やってくれた。
「ほれうそ」では、子どもの頃の師匠とそのおじいちゃんのほのぼの日常系の新作落語。ほっこりするようなかわいい噺でこれだけでも大満足。
「不動坊」聴いていて、いや改めて師匠は色男だなってびっくりする。色男だからこそ妄想シーンが色っぽいし、面白さが引き立つ。A様にお熱なマダムが沢山いらっしゃる理由が良く分かった。私もA様熱がいまだに冷めない。
正月から沢山笑って、たいへん気持ちの良い時間だった。今年もたくさん花座に通いたい。