愛って200路線あんねん〜地下ミュ感想〜
いやー終わったな…地下ミュが。
前回5を現地で1回見てから私の中で青鉄ブームが(唐突に)来て、
過去作の円盤を買ったり引っ越して関東路線に馴染み深くなったりと色々とこちらの変化もありましたが、
ど年末!!ど年末にスピンオフ公演!オタクの年の瀬をなんだと思ってるんだ!
でもまあせっかく関東に引っ越したと言うことでね…。
加藤良輔さんを一目見てから2023年を終えたいと思い、本当はクリスマス前に帰郷するつもりだったのを
周囲に無理を言って28日まで6公演くらい現地鑑賞しました。
大まかな感想としては、「地下鉄の、スピンオフだなあ…」と言う感じ。
まんまやないかい!!!
キャパシティが少なすぎる!!(昨今の2.5にしては珍しく幕が開く前にほぼ完売)ということもありましたが、それも相まってナンバリングされている本公演に対する裏公演という印象を受けました。
都営の4名と営団(あえてこう言うが)9名の、「大人と子ども」という関係性を中心としたストーリー展開はクローズドな雰囲気があり、まあそもそも【地下】って密閉された空間だよねってところと繋がってるのもあって良かったんじゃないかなあと思います。
最初の有楽町先輩がステージに出てきてセットを黙々とセッティングし自分の部屋を作り上げるシーンがものすごく小劇場の演劇っぽくて…なんかノスタルジーでしたね。
クラブexに似合う演出だなあと思った。
いや、「スピンオフだなあ」と感じたのは、
鉄道ネタではなく「青春鉄道独自の設定をベースにしたキャラクター同士の関係性の話」がメインだったなあ!と感じたからかも。
キューティメトロが最も鉄分高いシーンって言われてるの、何なんだよ!??
なんなら永山510のM&Aコーレスが一番鉄してたまであるな。
言ったら全てが唐突でしたよ!!なんか!キャラ説明とか!笑
日比谷ちゃんの説明「ご覧のとおり丸眼鏡です」で何がわかんだよ!!!!かわいいってことしかわかんねーよ!
まあそんなん西武スピンオフも似たようなもんか…。
そもそも本公演とか原作がよくわかんないままスピンオフを観る層まで想定しろ!とは言えないもんな。
ハリーポッター見たことないまま呪いの子行くなよみたいな。
スピンオフだからこそ日替わりゲストっていう「本公演はご存じですね!」みたいなことができるんだしな。
ていうかよく「原作知らないけど見に行ってわかりますか?」って聞かれるんだけどさ、
そんなの当たって砕けろとしか言いようがないよ……。
初見の皆さんどうでしたか?私は初見の時わかりませんでした!😁
意味がわかるかどうかと面白いかどうかは…別の話だしね…。
それにしても都営のおじさん達はバランスがよくてぇ…
見ていて一番安心したかもしれない。LOVEになってしまってアクスタ一番持ち歩いてる。ベテランのおじさんとこなれて元気な若者、どこかが崩れても速攻芝居がコメディとして処理されるので…。
誰かがぶっ倒れたとしても俺らは止まらねぇーぞってコト!?
今まで森山さんのこと「まあ普通に好き」くらいだったんですけど(わざわざ幹ミュの浅草回まで行ったのに!?)、
森山さんってきちんと敷かれた脚本をきちんとやって笑いを取れる人なんだな…と感じた。
その分自由なアドリブだと若干ハラハラするところもあるのだろうが…。
コメディ系というか笑いってどうしても
見慣れると「はいはい」的に客が構えてしまう(から毎日日替わりで変化をつけて笑いを取ろうとするのもある)ものだが、
なんか知らんが浅草おじの「ゲームオーバーさ〜👎」とか「ものともしない、あさくさおじさんです!」とか毎回キッチリ笑ってしまったものな。
毎日違うものを見せてくれるのもサービス精神だと思うけど、同じものを見せて毎回笑わせてくれるのも当然いい作品でいい芝居だよな、嬉しいよなあと思いました。
ねえみーたんの歌はいい歌なんですが、浅草おじがなんでそんなに(人間の勝手で振り回されたのであって、
みーたんがお仲間と繋がれなくなったのは浅草おじのせいではない)気に病んでるのかわからねえ…!
4でもやった下りではあるんですけどね。
人のせいにするの得意なんだー!あんたが許してないだけじゃない!ってよく考えたらフツーに人のせいだし!
みーたんをいじめないでください…!あんなに華奢で繊細な(大嘘)グラサンおじさんを…!
まあ自分のせいでもないことでもさ、自分の後に誕生した同僚のことを心配してるよー、よその子と仲良くして楽しそうなのは嬉しいよって思うのは愛ですよね。
それをお前のせいじゃねえしもう覚えちゃいねえ心配すんなって跳ね除けるのも愛です。
それにしても西武新宿もですが人間が好き勝手した結果路線が割り食うのを他の路線が
「何もしてやれなくて…」って気に病むの、気の毒ですね。
都営の4人って、愛情がわかりやすいというか、楽しくやっていこう!という振る舞いを見せてくれるのが2人、根が優しいぶっきらぼうなのが1人、好き勝手振る舞う末っ子が1人と観客的にも役割がわかりやすいんですね。
バランスの取れた魅力的なチームだなあと思います。都営新宿は原作的にもメインどころのエピソードが…そんなに…
ていうのもあってクローズアップされたわけではないんですが…。でも観た人みんなとえしんのこと好きでしょ!?
いるだけでなんかいいおじさんなんだよな、とえしんって…。美しくて笑顔が可愛くて……イカサマをしてる顔が邪悪で…俺が守護りたくって…これが心のおじさん…!?
もぐたんはなんかほんとうにのびのびと育ってて、おじさん達から優しく子育てされた結果がこうなんだ…と言う感じだった。
田中もぐたんもかわいかったが、なんかかわいげの方向性が違う。
新登場のキャストさんはどなたも良かったですね!
日比谷ちゃんが元々好きなデザインだったので気になっていましたが、目立たないながらも佇まいがよく…。
ダンスがキレキレで…。「第三軌条でガンガンに行こう」の足の上がり方がツボだった。
しかしメガネの歌、原作確認したら千代田がもう持ってる話も日比谷ちゃんが丸眼鏡にこだわってる話もカットされてて、
歌詞の全てが「無」から生まれてたので、あらためてなにこれー!(東西)になった。
原作のセリフを丸っと歌詞に+補完しがちな鉄ミュにしては珍しいですね。
東西と南北は随所に「ベテランたちに負けないように俺らも頑張ろう」的なガッツを感じました。
コメディ舞台で後輩が先輩陣に遠慮してたら笑いは生まれないからね…。
キャラクター的にもグイグイ貪欲に食らいついていけるがやや事故りがちな南北、
行きすぎたところを回収してくれる兄貴肌の東西でバランスが良く、コンビ的にも見栄えしていた。
川﨑さんは以前見た舞台での酒カス演技が良く印象的だったのですが、「かわいい」にここまでフィットするとは思いませんでした。
まあ鉄ミュは渡辺コウジさんが愛されヒロインになる摩訶不思議な舞台なので、自然なことだったかもしれません。
北乃さんは岳斗のイメージが強かったですが、こういう苦労性のツッコミお兄ちゃんみたいな役も映えますね。
マッチョになったりCMに引っ張りだこになったり、岳斗役には無限の可能性があるのかもしれない。
「ホワイトデー」の最後の滑るようなダンスが美しくて毎回キャッキャ喜んじゃった。
結構日替わりコーナーはこの2人のガッツにより成り立っているなあ…と感じた。2人まとめて地下ミュ功労賞ですね。ぜひ兼ね役を手に入れてもっと活躍してもらいたいものです。
さて、副都心と有楽町の話なんですが…正直に言って4の副都心がなんか怖かった(セクハラが嫌だった)のが幹ミュの日替わりゲストではやや独自の方向性が発達していて面白いな、と感じられるようになっていたところに今回だったので、なかなか噛み砕けるようになるまで時間がかかったのですが…。
岩城さんの副都心、スゲー良かった!なんというか、秘めている感情を観客に見せる(舞台だから…)の塩梅が絶妙でした。
さよなら有楽町があまりにも美しかったのでオフィスラブ先輩のことを記憶から消したいくらいです。
そして石田隼は…すごいね…。
元々青鉄の成長システム(大人の姿になる)って結構曖昧なところがあるので、
最初長野が大きくなるのをなんで上越とかいじわるするわけ!?
みんな北陸になっても優しくしたれよ…!!と怒っていた幹ミュ初見時…。
従来走っていた路線が影響を受けるからだよ!と説明されてそうだったのか…⭐︎と思っていたが、
越生や函館本線パターン(距離が短くなって子供の姿になった/なれる)もあるし、別に短くても大人の路線もいっぱいいるし…
西武有楽町なんか普通に豊島の方が短いのに子供のまんまだし…。
だから今回の「有楽町新線が大人になった」も特に明確には語られないわけですが、
周囲のメトロはあらー、おっきくなったねー、てあっさり受け入れてる。
おそらく他の路線も新線ほど急な成長でなかったにせよ大人になるのを見守ってきたということなんだろうけど、
有楽町だけ本当に普通の人間みたいに、新線が大きくなったことを受け入れられていない。副都心に肩入れすると「有楽町、新線はそこにいるよ〜!」と思うけど、
有楽町の立場になると「頭ではわかってても気持ちは上滑りしてしまうよなあ」とも思うし。
別にどっちが悪いわけでもないんですよね。
副都心が遠慮のない子だったらもっとヤーヤー言うて有楽町との関係を「新線」の延長線上で作っていけたはず。それこそ南北や大江戸みたいに。
でも副都心はある意味聡い子だったばかりに、「大人」になって、「先輩と後輩」の関係性を始めることを選んだ。
それこそ途中までは路線を共有しているがいずれ別々になるのと同じ……
え!ここ鉄分!?ここが今回の鉄分ですか!?
なんか…悲しいよね。大人はなんでも知っていて、大人だから無条件に愛してくれてると思ってたけど、先輩の本質は「だめな大人」で、自分のために無理をしてくれていたんだな、もう戻れないんだなって理解してしまった…。
でも先輩も「無理して背中を見せ続けたのに!」って言ってるし、
本当に無理して模範たる大人のフリをして、愛情を注いでくれたんだよな…。
子供のために無理して(かりそめだとしても)自分を変質させるって、これもものすごい愛情なんだよ新線。
無理の糸が切れちゃったんだよな!先輩!かわいそうに…!
親の人間としてダメな部分が見えたり小さく見えたりするのって、成長ではよくあることなんだよ新線。
オトナ帝国一緒に見な?!
私はそもそも関東生まれでも育ちでもないので「有楽町、有楽町新線」っていう概念自体に馴染みがない(てか乗り入れとかもいまだに意味わかんない)んですが、
同じ名前を冠していた存在が別々の名前になるってなんか…すごいな。
今回の公演は「大人と子供」の話ではありますが、有楽町と副都心についてはもうちょっといろいろと複雑ですよね。
自己の喪失と変質というか…。
新線がいた時、無理して「立派な大人」してたとはいえもちろん楽しかったんじゃないかと思うんですよ、有楽町も。
新線、もういないんだな、俺は寂しいよ…って、有楽町は新線と一緒に「新線と一緒にいた時の自分」も失ってる…。
もちろん副都心だって有楽町も、「有楽町新線の自分」も失ってる。痛み分け…だね☆(泣)(笑)
それにしても有楽町先輩って初演のころから比べるとキャラクター的にもかなり変化してますよね。
もちろん原作やら同人誌で描かれるうちに情報が積み重なっていったのもあるけど、
たぶん阿部さんの有楽町だったらこんなことになってないんじゃないか!?という気もする。
しょうへいさんの副都心もなんか生意気とはいえ大人だったもんな!?
有楽町先輩、なんでこんな性格(苦労性、抱え込む、人に頼れない)なのに彼女作るんだろう。普通に破綻してて怖い。
怖い…有楽町先輩って……「人間」すぎて…路線向いてないんじゃない!?!?
セミナーで大きく変質してしまうアル中、普通に危ない!!ナンバラー!!(ウリナリ)
構成として普通に銀座の背景早川様で締めて「今は仲間がいっぱい!やったね!みんな家族!」で終わらなかったのが結構好き。
みーんな家族!あったかいね!だとでも思ったかー!!ガシャーン!!パリーン!!!!(ちゃぶ台ひっくり返し)
言うほどメトロって家族っぽくないしね…。都営さんも家族っていうか、同僚感が強い。
それにしても鉄ミュって変わってますよね。
前やったエピソードをまたやるって、わりと「前見た」になると思うんですが…結構やるよね。
20080614とか西武グループの歌は「おお、前と違って人いっぱいいると違うなあ」と思ったんですが、早川さんのエピソードって基本座様とのーちだけなので構成人員も変わらないので…。「もう見た」になってしまった…だってあんたら…ライブでも懐かしいよね〜てイチャイチャして…3回目やで‼️
もちろん大切なエピソードではありますし、歌も聞けて良かったなあ、いいシーンだなあとは思うんですが…。まあ「いつか東京の地下を蜘蛛の巣のように…」の結果として実際にメトロのみんながワイワイしてる様子を見せてもらえるという差別化はあるか。
言うてメトロっていうか青春ってメインのエピソードがないキャラクターも割といるので、難しいですね。舞台にする以上単発ネタだけだとまとまりがなさすぎるしね。
まとめ→個人的には副都心と有楽町はボーイズラブしない方がいいと思いました。
その時また彼らの心の何かが歪に変質して傷つくことになると思ったからです。おわり
今回も楽曲がどれも良くて最高だった。私はミュージカルにはいい曲を聴きに行っているので、
いい曲が聞ければとにかく最高になれる。今回もどの曲もツボでした。ていうか客入れbgmからどれもツボで…。
骨将軍を聞きに行ったのにBACK TO THE HOMEも聞かせてくれえ〜!!になっちゃった。
高音担当になりがちなのか石田隼のたっかいトーンがよく伸びていて&コーラスで目立っていて良かったが、
最後の「I love you…」三連発のいっちばん最後で朗々と愛を叫ぶのが有楽町先輩なの、なんかいいわね…と思いました。
公演中にさまざまな気持ちが描かれていますが、私は人が誰かに優しくする時、何かをしてあげたいと思うとき、その感情がどんな名前であってもその本質はすべて「愛」と呼んでも良いのではないかと思うのです。
私が一番好きなセリフはね…「あなたが濡れなくて良かった」かな…。
クラブexは魂の故郷なのでどんな席につこうとも文句は言わない、大好きチュ…という感じなんですがごんぶとマカロンクッションにはさすがにビビりました。
足がつかなすぎて自分のリュックにつま先めり込ませたもんな。あとなぜか一階席に入った時全部Bブロックだったので、OPもEDも全体的に丸の内しか見えなかった。
───誰もが目を奪われてく 君は完璧で究極のコウジ
金輪際現れない 国鉄地下私鉄 新幹線────
いや〜、年末にやるって聞いた時はどうなることかと思いましたが、
12月のクリスマス〜大晦日のどんどんタガが外れながら駆け抜けていく感って祭りなので、
2023年最後のオタク大(おお)狂いって感じで…めっちゃ楽しかったね!
アクスタコンプとか初めてやっちゃったよ。ミュ期間中って絵めっちゃ描いちゃうから楽しい。
6は小旅行がてら神戸にも行ってみたいです。
別件というか日替わりゲストの演出についての苦言なんですが、
28日のうえつ回ね…。冒頭で申し上げましたとおり、
これのために帰省を遅らせたので正直…けっこう…残念でしたね…。
わかんねえよ!!!!!!
ガチで覚えられてなくても心配だったし観客としていたたまれなくて気まずいし、
台本を隠したというのも真偽はともかく最悪だし、ネタだったとしても船場吉兆ネタの完成度が低いし!(裏からの声はマイク乗ってない肉声だから聞き取れないところが多々あった)SNSやイベントで補完されるのも嫌だし!!!
そもそも「船場吉兆で正規台本ではなく嘘の台詞を教える」っていうずらしの笑い、こっちに基本台本が知れ渡ってること前提だし!!!!
実は舞台というのはチケットが結構高くて…基本1回だけ見ても楽しめるものであってほしいんです!ご存じでしたか!?
鉄ミュは「原作者が各駅停車(全通のこと)」というフレーズもあり、またそもそも舞台界隈では何度も見るという行為が結構カジュアルになりがちです。
SNSのレポで前日までの日替わりが共有されたりもするし、なんなら配信もあるから「前提の共有」もかつてよりはされやすくなっているのかもしれない。
キャスト側から鉄ミュはお客さんの対応力がすごい、あったかく受け入れてくれる…との発言も度々ある通り、
特殊な訓練を受けた客たちであることは私も今回現地実感しました。(異様に歓声の反射力と拍手の止めがうまい。拍手は太く・短くの王道を行っている)
ですが観客を信頼し過ぎると「あまりにも内輪すぎる!!」まで言ってしまうので、塩梅が…難しいですね…。
内輪の笑いって、内輪の人間になれたらいいけどそうじゃなきゃめちゃくちゃ面白くないからな。
少年ハリウッド1話を見てみたらわかると思うけど(……)。
まあ今回はスピンオフ公演ということでね、前述した通りある程度「内輪」の観客であることが前提なのはそれはそう!だった。
スタッフさんたちも力を入れすぎのロビーの装飾をはじめ「行ってらっしゃい」と声をかけてくださったり、観客と一緒に鉄ミュというお祭りを盛り上げよう!という気持ちが伝わってきて、あらためて特殊で面白いコンテンツなんだなあと実感しました。
ただ、だからこそその協力関係を築くためのバランス感は本当に気をつけてほしいなと思います。
「ハッピーコンテンツ」であるためにも…な…!(島二郎エンド)