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鑑賞備忘録③


★ミュージカル「忍たま乱太郎」第14弾『五年生!対 六年生! ~お宝を探し出せ‼~』

チケットを取るの忘れてた~~!!と思ったら都合よくフォロワーが声をかけてくれたので鑑賞。金曜ドリライ行く、土曜忍ミュ行く、日曜ドリライ行くのバカスケジュールになってしまった…。

私は13弾がすごく好き(感想にも書いた通り、コメディ色が強くて忍ミュというか忍たまのミュージカルだなという印象がある)だったので、今回からはまた長年支持されてきた「忍ミュ」の作りになっていたなと言う感想。
今回は何と忍ミュを卒業したOBキャストが帰ってくるという試みで、コンテンツとしての積み重ねを感じた。また、忍術学園を出て行ったとしてもまた仲間の絆を保ったままで巡り合うことはできるという本編のメッセージとキャストが帰ってくることの構図がリンクしており良かったのではないか?と思う。
まえたいと言えばこの私でも「あ、あのまえたいが…!?」と思い出せる食満、伊作コンビのOBキャストである。当時からの熱烈なオタクには心からデカおめでとうと言いたい。

それにしても開演前に「13弾って本当に変だった、フツーはさ、ポルトガル語で1曲やんねえんだよ。」という話でフォロワーと盛り上がっていたので、ポルトガル語の曲が始まった瞬間笑いそうになって辛かった。信頼できるポルトガル語のバックアップが出来たのだろうか。信頼できるポルトガル語のバックアップがついた結果2連続でポルトガル語ソングが出る室町ミュージカル、変!
キャプテンタツマキがちゃんとドクタケのグローバル化に貢献してるのがマジでかっこいい。キャプテン、好き…。
ドクタケ曲ってプロジェクションマッピングが超カッコイイから割と遠くの席でも楽しめて良いよね。

冒頭から「2年にイビられる乱きりしん」で大笑顔になってしまった。
2年の性格が悪いところが好きだ。そこから俺たちも6年には迷惑してる!と団結する5年の流れもスムーズで良かった。まあ、迷惑ですよね。6年って…。
さらっと木下先生が出ているのも嬉しいところ。
前回の13弾で松千代先生が出た時もブチ上がったが、単純に教職員が出ると世界の説得力に厚みが出ると感じているのかも。群像劇が好きだしね。

5年が揃っているところは昨年末の学園祭で初めて見たのだが、さすがに全員いるとなんか、いいですね。マジで双忍の見分けがつかなくて「心」で感じることしかできなかった。
ちょっと竹谷のカゲが薄い気もするが…笑 まあ竹谷とか久々知とか、忍ミュ初期から出てるキャラはな。けっこう曲とかももうやっちゃったもんね。久々知は豆腐がキャッチーすぎて全然色褪せないのがズルいところではあるが…。

キービジュアルが出た時に「小松田、色が似てるからなんか5年みてーなツラして馴染んでてオモロイ」と言っていたら本当に5年に加えられてしまってめちゃくちゃワロタ。
嫌だ~いらね~!!!って思われるぼんくらの16歳って、はあ、大好き。
だって王子と光雲とタメだぜこいつ。
ほんま……ほんまに…小松田秀作を演じてくださって本当にありがとうございます。深い感謝しかありません。
マジで輝山さんの小松田って「ウザい」「怖い」「異常」「自信満々」「迷惑」で…うれしい…。

で、流石王子と西園寺光雲は…なんか…マジ、すごいよね。
オタクだってさあ、卒業後ifとか言うて、好きな忍たまたちは卒業後どういう進路に進むんかな~ということを散々妄想してきたわけじゃないですか。
まあ、そういうことを妄想しているオタク、忍ミュという忍術学園の外のシビアな世界観を見せてくれるところも魅力であるシリーズを応援しているオタクというのは、「卒業後も仲良しこよし!ではいられない…よねえ?」というところまで妄想していると思います。

そういったオタクのまあ、そうだよね?という感情の落としどころに対して「敵対することを拒み、海の向こうへと渡った親友同士がいる」という設定をぶつけてきたのにはマジでビビりました。すごすぎるだろ。あ、愛がでっけえなあ!
とはいえ、王子と光雲が後輩連中からガチで慕われまくってて「なんでそんな大ショックを受けるくらい好きなん…?」とちょっと置いていかれた感はある。
これはまあ、メタ的な構図によって「まあ、俺たち観客はよくわかんなくても多分いい先輩だろうな。」と納得してもらえることへの信頼もあるんじゃないかと思うんだけど。

王子と光雲が6年、現6年が5年、現5年が4年の制服着て訓練しているシーンは、
「アリかよ!!そんなの!!!今まで散々pixivで見たぜ!」と動揺してしまった。
4年の制服って現4年にしか似合わんかも!笑
ただでさえ髪がそのまんまの王子と光雲が6年の制服着たらまんま食満と伊作になってるの、マジでアリなんか?それって……と思った。
だって「はい、これは6年の制服を着ていますし髪型も食満と伊作に見えますけど、あっちに5年の制服を着た食満と伊作がいるので、王子と光雲なんですよ。わかりますよね?」って…観客を信じすぎだろ!!!笑 普通にわかんねえ。
OBキャストが帰ってくるのとか、11年目のプリンス→王子、不幸→光雲(幸運)みたいなお遊びはいいなあと思うんですよ。
でもここまでやるともう、シリーズファンへのサービスの域を超えていないか!?と思っちゃった。
髪型を王子はロング、光雲はショートとかで入れ替えるとか、髪色を変えるとかあっても良かったのでは。

和尚と学園長のように、良き友としてあり続けられる場所までたどり着くことができた人々もいる。
王子と光雲のように、敵対することを徹底的に拒み、海を渡ったものもいる。(それでも何の因果か後輩と敵対することになってしまう残酷さ…)
現在の忍たまたちだって、それがプロの忍者なんだ!と言いながらも、自分たちは、親友のアイツとはどうあるべきなんだろう…と考える1件になったのではないかと思います。
三郎なんかね。特に絶対雷蔵と敵対したくないだろーなーと思った。
あと戦いの終息が「大切な後輩はどうしても傷つけられなかった…」とかじゃなくて「状況が変わったから」なのがよかった。シビア。また敵対はするのかもしれないし。

忍ミュの最後で乱太郎が残って観客から万雷の拍手を受ける瞬間って大好き。
ミュージカル、忍たま乱太郎なんだもんね。今回もらんきりしんキャストの皆さんは愛くるしく、けなげで、芸達者でありました…。

忍ミュに末野山田利吉が帰ってきて輝山つだ秀作にブチ切れてくれるまで肘ちゃんは…オタクやめへんで~~っ!!!


★オペラ座の怪人(劇団四季)

友人がどうしても一生に一度はオペラ座の怪人を見たい!ということで、福岡の友人・兵庫の友人と横浜に集合して観劇。
オペラ座の怪人大好き友人、マジでミリも知らん友人、映画版等でストーリーは知ってる私というバラバラなメンツです。

KAATは新テニミュでは来なかったのですが、けっこうな街中にありますね。エスカレーターでたっかいたっかいところまで登らされるのが面白かったが、2階席3階席となるとさらに劇場内に入ってからも上る。どんだけ高いところにあるんだ。
実際3階席はかなりの高さがあって若干恐怖を感じた。
上演時間が2時間40分。テニミュで3時間半超えをボンボンぶつけられてたので逆にいいんですか!3時間を切って…!とさえ思った。舞台は3時間を超えないでほしい…!

いや~やっぱりセットがすごいよね…。クレイジーフォーユーの時も思いましたが。
その空間を作りこむことができるって、純粋に劇団として、カンパニーとしての大きさ、力が如実に出るところだなあと。
誰もが「あ~これね!知ってるかも!」となるオーバーチュアと共にシャンデリアが輝きを取り戻し、覆い布が取れ、時代が栄華を誇っていた頃のオペラ座の過去へと切り替わる。
絢爛豪華な劇場が姿を現した瞬間、この瞬間からKAATがオペラ座になった!という感覚でものすごく胸が高鳴りました。

しかし、当たり前だけど四季のミュージカルというのはミュージカルとして作られているから、普段見ているような「現代的」な曲、譜割ではないので歌詞がわかりづらいというか、「まあわかんねーけど大体こういうことを言っている場面だろうな…」と思いながら見ることが多い。でもそれも含めていい演劇体験だったな…となるし、自分で文献にあたって改めて調べてより理解したい、となるので不思議である。

オペラ座の怪人は同じメロディが歌詞を変えアレンジをされ何度も出てくるので、とにかく一つのメロディは確かに持ち帰ることができるので良い。というか、さすがに大人気作品なだけあっていい曲ばっかりだった。
観劇後にジョナサンに入って(横浜まで行ってジョナサン。)あの曲良かったよなー、マスカレイド好きやなーと語り合えてよかった。

随所に「スゲー!今のどうやったの!?」があったが、特にファントムが火の玉でラウルを攻撃するところがよかった。
生身の人間がメラを放つ(まさにメラという感じの火力、スピード感)ところがみられるなんて、信じられない。めっちゃメラやん!と興奮してしまった。
あ、いや、シャンデリア落ちとか船が地下を進んでいく演出もよかったけどさ…。
メグがソファにかかったマントを引きはがすとファントムが消えている…というところも哀れさ、まさに幻影だったのかと思わされるような余韻があってよかった。

物語の主軸はファントムとクリスティーヌの愛情の渇望、憐憫、憤怒といったところであろうが、私としては栄華を誇っていたオペラ座で起こった出来事を記憶しているのはもはや限られた人、シャンデリア、オルゴールのみなのであろうか…という時の流れに押し流されていく切なさや空虚さが胸に残った。
なんか、感想としてはズレてる気もするが…。

カーテンコール8回くらいやって、永遠にやるんか!!?と思ってウケた。
最後はスタオベでね、みんなお疲れ!!バイバーイ!!ブラボー!!て感じで景気よく追われて楽しかったです。

友達と一緒に観光気分で行けたというのも含めて良い思い出になりました。



★『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage-Renegades of Female-

仄仄が好きな友人が、絶対に観てェッ!と言っていたので、東京初日に行ってきました。
最初発表された時はクラブexで…!?と驚きましたが、キャパシティ以上にあのクローズドかつ華やかな雰囲気はぴったりだったかも。
興行側もこのヒプステという男性キャストが牽引してきたコンテンツで、オールフィメールでどんだけ動員できるんだ…?という点についてはかなりシビアに気にしていたのではないかと思います。
だからこそ撮影可、SNS可な日を設けたりしてたんだろうし。(効果的でしたね!)

キャストさんの経歴とか一切調べずに行ったのですが、まあ「中王区ステ」としてはスタート地点なのでいけるかなという気楽さもあり。

初日ということもあって、観客の「見に来たぞ、中王区を…!」という雰囲気と言うか、熱気みたいなものがあって良かった。ショッキングピンク、ブラックを身に着けた人もかなり多く、まだ見ぬ中王区ステへの意気込みが伝わってきたというか。

二階席バルコニーだったのでセットもステージも一望できてよかったかも。リリックが上のモニターに表示されてる時にキャストとは位置が離れてしまうので、歌詞を確認しつつ人間も見たい!というのが難しくはあった。
乙統女様が現れた瞬間、「そ、総理だ……!」となって皆自然と拍手していた…………。
ここもそうだし、我々ヒプステの観客がシーンによっては中王区の賛同者になり、レジスタンス組織の一員になり、一般市民になり…と立場がコロコロと変わっているようで良かった。思いっきり煽動されているというか…。

ストーリーとしてはNE以前のヒプステの展開に近い(オリディビ的な対立する存在が出てきて、わかりあえず、戦うという流れ)のかな、と感じた。
オリキャラがいると世界観の拡張に繋がるというか、メインキャラクターたちの陰ではこういう人たちも暮らしてますよ…というところに気づかせてもらえるのでいいよね。
シンプルでわかりやすいが、今までのヒプマイコンテンツであまり描かれてこなかった「言の葉党統治下で暮らす女たち」の掘り下げがされていたのが何よりも良かったように思う。そりゃーH暦で暮らす女の誰もが「男って愚かだし、言の葉党が追い出してくれてよかったー!!女尊男卑政治最高!」ってなってるワケないよな?ていうまず作品の世界観を見た時に抱いてもおかしくないシンプルな疑問についてちゃんと向き合って描いていたのが良いというか…。

まあ結構ゆとりのある設定(……)だからさ、税金10倍でも医者とか警察とかの要所に男はいるし、そんなに「女~!悪政治!」になりきってなくない…?みたいな感じだったけど、「政治の主要ポストに携わっていた男性の身内」の女が出てきて言の葉党の(本人たちも歪であることを自覚はしているであろう)正義が問われるというのがね、誠実だったと思います。

乙統女、無花果、合歓、それぞれに抱えている弱さと傷がある、悪にも事情在り…という描き方はキャラクターに肩入れできるけども「いやいやそんな事情無くとも女が暴れ散らかしてほしいぜ!?」と思うところもあり。
そういう願望を叶えてくれるのが仄仄さんなのかもしれませんね……。
大事なものを壊したい!完!それ以上の過去とかもう付け足さないでほしいな~。
仄仄さんは純粋悪なのが美しくて良いと思うし、同情されるようなことってマジで嫌いだろうし。
どうでもいいけどだいすの話出た、らむだの話出た、夢野(小生は…?)と思ってウケた。
あとすごいですよねこのステ、もちろんキャストさんの実年齢と離れているとはいえセンターに立っているキャラクターが経産婦の49歳女性なんですよ。おもしれー舞台…!最高!!いいな~~!!

合歓と一愛のシーン、なんかもう普通に無神経陽後輩とうまく心を開けない真面目な先輩の組み合わせが萌え萌え萌え萌えすぎてブヒらせていただきます。(丁寧)になった。
どのキャストさんも芸達者だな~とは思ったけど、初日の緊張も相まってかまだ結構合歓役のキャストさんは伸びしろあるな……と感じたので、ぐいぐいひっぱれる一愛とセットなのがよかったかも。

一愛のような存在に対して「どうしたらいいかわからない!でもあなたを助けたい」という【人間:人間】の同ラインに立ってもがき苦しみ向き合おうとする合歓さんってマジで主人公しててかっこよかったな~。
わかんないことにわかんないっす!って言うのってある種白旗っつーか、自分の腹を曝け出すみたいなところあるし。
乙統女様達が「どうか争いをやめて…」(歩み寄り)→マイク停止、制圧で【政治:大衆】という、けして同じラインに立って向き合っているわけではない事態の収め方をしたからこそ際立ったというか。
このステ時点で既に中王区ってマジでアンバランスというか、もう絶対近いうちに崩壊するじゃんね…みたいな危うさがありますけど、合歓さんのマインドハックが解けたとしても合歓さんの中には己が信じた正義を貫いて戦っていけるから大丈夫か…みたいな希望もあり。

良かったところ
・映像演出の使い方が多種多様で飽きない。後ろのモニターに映す、透けたスクリーンに映す、布に映すなど。狭いステージ・狭い劇場だからこそ単調にならない工夫がされているように思った。プラプラ歩いてるサマトキシルエットはちょっと「面白…」と思ってしまったが…

・愚かで醜い男はは~いじょ~♪←ヤバすぎる歌詞

・月の音の皆さんのある種わかりやすすぎるまでのレジスタンスファッション。
カーキ色!鉄パイプ!ツクヨミ様はとりわけファッショナブルで、激しくアクションした時のひらひら感がかっこよかった。さすがナカサチ神だ…。

・女性がバキバキにかっこいいダンスを踊ると、嬉しい…

うーん?となったところ
・マイクを出す/しまうがちょっとスタイリッシュじゃなかった。特に乙統女様はスタンドマイクなので、取りに行ってヨイショ!と置く時間が気になる。ライトが仕込まれているのはマジで嬉しいしいいと思うが。

・一愛が説得を受けている間ツクヨミと月の音の皆さんはもっと暴れてもいいんじゃないか。結局情に篭絡されてんのかい!というところにもっとブチ切れてもいいかも…。普通にみんなボコられて抵抗無理だったのか?ていうか最後に(無花果様管轄にされるという)温情をかけられてるのもある種屈辱的。まあそれはいいか。

あと思ったことは、なんか会場の空気感が女子高の文化祭感あるというか、劇場の雰囲気も相まってクローズドな空間でかっこいい女に女がギャー!!かっけ~~!て湧いてることのシンプルな良さがあった。もちろん客席には男性もいたが…。
うちらとうちらでちゅうおうくステ盛り上げてかんと!!な!みたいな。
ヒプノシスマイクって女の悪政というか女が作った歪んだ枠組みの中で男たちが争う、それに現実の(大半の消費者層である)女性ファンがギャー!かっけー!っていう構図がほとんどなように思うので、ギャー!かっけー!って言う対象が女になったってそりゃかっけ~よな~と思ったというか。
元アイドル、元宝塚、コーラスグループ出身の舞台女優、フィメールダンサー、様々な「ステージ」に立ってきたキャストさんが集まってこの舞台ができたというのもなんかよかったですね。

中王区がまたステに出ることがあったらまた行きたいな~と思いました。はあ~ 仄たそ~~~ 萌え~~ ブヒ~~~~…。(カス感想)


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