義祖母の家と三宅健論①男性育休記2-4
こうしてまた長い休みを取ることを決めた3月上旬、妻がすかさず「二人揃ってこんなに長い休みを取れることは、もうしばらくないから」と張り切って旅行の予定を立て始めた。いわく、妻は秋には職場復帰予定でもあるので、そうなったらもうお互いに長く休めない、というロジックらしい。
そんなことはない、お互いにまた有休を長く取ればこの先もいけるじゃん。というマジレスは心の中に留めて、妻の提案を受諾した。社会生活において、マジレスはTPOを選ぶ。
妻の主訴はこうだ。
「おばあちゃんに、赤ちゃんを見せたい」
妻の母方の祖母は三重県に住んでいる。以前、名古屋に住んでいた頃は比較的よく行っていたが、ここ2年くらいは例のアレもあって行っていない。そういうわけでこれを絡めた旅行に一家四人で出発する。荷物が半端ない。ベビーカーも2台体制で行く。
行きの道中、新幹線の駅まで在来線に乗る。3歳児はこらから新幹線だといろめきだっている。
ふと、女子高生の一段が車両間の移動をしているのに出くわしたので、通路の妨げにならないようにベビーカーをずらした。そんななか、女子高生の一人がこんなことを呟いた。
「ミヤケミヤケミヤケ、マジミヤケじゃん。ミヤケ電車」
いったいどういうことだろうと周囲を見渡すと、確かに、湘南美容外科クリニックの広告で、V6の三宅健さんが、見渡す限り全てのポスターを埋めていた。
さすが三宅健さんである。
いや、さすが、と言いながら、私は妻と違ってジャニオタではないので、三宅健さんにそんなに詳しくはない。
堂本光一さん主演の「銀狼怪奇ファイル」で「たすけて不破ぐーん!」と、不破銀狼こと堂本光一さんに助けを求めていた。そのイメージしかない。
ジャニオタの妻、人間ジャニーズwikiの妻に三宅健さんのことをもう少し聞こうと思ったが、新幹線駅に着いてしまったので、いったん三宅健さんのことは後回しにする。
それにしても、たぶん三宅健さんと私は同世代くらいなので銀狼怪奇ファイルを始めとして三宅健さんのことは分かるとして。しかし、令和を生きる女子高生でさえ、一見して「マジミヤケ」と宣うほど、圧倒的な認知度は恐れ入る。さすがジャニーズ、さすがV6、さすが三宅健さんである。
そんなことをボンヤリ考えながら、シュウマイ弁当をパクつきながらビールを飲み、寝た3歳児をベビーカーで運搬したりして、なんのかので義祖母の家に着いた。
なにせ、妻の祖母である。久しぶりに会った挨拶が済むと、私たちには共通の話題はほぼ全くない。ジェネレーションギャップも甚だしい。
あ、そういえばV6さんのシングルで「ジェネレーションギャップ」というタイトルの曲があったはずだ。というか、サビくらいなら歌える。今思えば、「ジェネレーションギャップ」という言葉の意味、概念を習得したのはこの歌のおかげである。さすがV6、さすが三宅健さんである。
という切り口で義祖母に三宅健さんの話題を振ろうかと思ったが、無理筋だろうと思って自重した。
「パパ!よーいどんしよ!」
結局、私はひたすら走り回る3歳児の相手をしていた。妻は0歳児と一緒に祖母と談笑していた。0歳児は、顔が可愛いと言ってもらえたが、それより走り回る3歳児が何かを破壊しないか、義祖母の注意力は終始そっちに向いていたような気がする。
2時間くらい滞在して、また電車に乗って移動する。三重県桑名市、ナガシマスパーランドのところの、良いホテルに宿泊することになっていた。
良い飯を食って、貸切家族風呂で0歳児の温泉デビューを果たしてから、3歳児と2人で夜のゲーセンに繰り出した。
なぜか、京浜東北線を模したゲームがあり、それに3歳児が乗りたがったので一緒に乗った。なぜ、三重県まで来て京浜東北線なんだろうと思ったが、3歳児が楽しそうなので良かった。
明日は午前がアンパンマンミュージアム、午後がレゴランドというハードスケジュールである。早く寝かせた。
24時ごろ、家族が全員寝静まったので、一人で大浴場に行く。
露天風呂に繰り出すものの、マジで誰もいないのでアカペラで熱唱することにした。
曲目は近藤真彦「ミッドナイト・シャッフル」。言わずと知れた、銀狼怪奇ファイルの主題歌である。
私はまだ銀狼怪奇ファイルにおける三宅健さんを語り尽くしていない。
4/19(火)の3歳児の食事情報
朝 自販機の17アイスのバニラ
昼 崎陽軒のシウマイ
夜 良い夕飯をほぼ食べず、味噌汁と白米のみ