これは布の修行らしい
八王子に来て1ヶ月が経った
山が近い。畑はある。川もある。田んぼはない。駅がでかい。一宮駅よりもでかい。金山駅ぐらいの大きさと規模感です
「あ、ここはあそこに似てるな」と地元と関連づけながらちょっぴりのホームシックを癒すような日々です。八王子は多治見っぽいです。
八王子の著名な機屋さんにも伺えてとても嬉しかった。こっちの機屋さんも整経(経糸をつくること)をされるそうで、そういうところは尾州と似ている。ただ基本的な部分はシルクがベースなので間丁(織機の後ろの部分、テンションを調整するところ)が長い。今では基本的になんでもOK!と仰っていたけど、ここはシルクの産地なんだなあとじわじわと思います。シルクは全く扱ったことがないので新鮮。
私がこっちに来た理由は「1人になりたい」というところにあったのかもしれません。
地元から離れて、お世話になっている人から離れて、家族とも離れて、自分のテキスタイルを見つめ直したかった。いったん尾州から離れて織物という概念も捨てて、自分の中の「布」をもう一度見つける修行みたいな感じなのです。
今は「お客さんがどう思うか」を考えず、柄を考えているのがとても楽しい。こんな時間がここ数年ずっと欲しかった。布について調べたり、ヨーロッパの色彩やアジアの色彩、そういうことを調べている時間もとっても楽しい。
今、あえて「今度どうなるか」を考えていません。
だって考えた通りに進んだことなんて数えるくらいしかないから。何事も人との出会いで思いがけないことがあって、それに導かれるようにしてここまで来たから。
ただ私の芯は変わることはないです。きっとそこの部分に今後も導かれていくんじゃないかな。「ひよりどうなっちゃうの!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ちょっと長い目で見守ってくれたらとっても嬉しいです。
全然関係ないけど、今は田んぼのカエルの鳴き声が恋しい!!