推しとの距離と、セット扱い問題
MEIKOファンであり、KAITOファンであり、クリプトンズ箱推しな私(hiyori)ですが、これを書こうと思った発端は、こちらです。
これを皮切りにして、マジカルミライでKAITOとMEIKOがセットにされるの?単品での御祝いではないの?というざわめきがありました。
ざわめきというよりも、不安の連鎖。
気持ちはとてもわかるので、どうしたものかと言葉を探しました。
私は現状、マジミラでMEIKOとKAITO個別の御祝いがなくても良いと思っています。
もちろんできたら個別でやって欲しい。御祝いコーナー欲しい。なんなら今年から金曜の昼にでも、単独ライブをやって欲しい。
でもこれは色々と考えてみての結論です。何故ここに至ったのか共有することで楽になれる人もいるのではと、これを書いています。
推しを推すのが辛くて不安よりも、少しでも楽しめますように。
推しにスポットライトを当てて欲しい感情
まず何故ざわめいたのかわからない方々に説明しておくと
15周年じゃん!!ねぇ15周年だよ!セットじゃなくて御祝いしてよ!ルカさんは1人推しやってくれたじゃない。この時だけでも、推しを、中心に、置いて…今年だけなんだ…という気持ちがファンにはあるのです。
痛い程判ります。一度きりのチャンスです。
この反応を見ていて、期待しては裏切られに疲れてる人が多いのだなという印象を持ちました。
まだ公式から個別はないよという情報が確定していないのに、えっ無いの?という方向に不安が連鎖していく。
DIVAの発売日が近いのも関係していると思います。
今年のマジカルミライでKAITOくんのソロがなかったことも大きい。
DIVAはクリプトンとは全く別なのですが、どこにアンケートを出しても出しても意見は届かず、単品推しイベントはなくなどの繰り返しで、特にKAITOくんファンには根本的な不信感があるのかもしれないと感じました。
気持ちはわかりますし、愛がある分疲れてしまうのだろうなとも思います。
考える切っ掛けになった、MIKUEXPO
これを見てください。信じられますか。
海外の光景です。あったかいとに、真っ青なペンライト、大歓声とわきあがるような派手なコール。
(ちなみに物販売り切れなどでペンラない人も多かった)
私はベルリンでこの光景を見た時に、泣きました。
ありがとうと呟いていたのを覚えています。
前置きを話すなら、私が海外遠征をし始めた数年前、KAITOとMEIKOは海外であまり興味をもたれていませんでした。休憩タイムのような扱いを受け、KAITOは「男に興味はないw」的な雰囲気もありました。(個人の感想ですが、マレーシアだったかでKAITOくん照明で透けててほぼ見えなかったの忘れてないぞ)
海外のメインはミクさんのファンなので仕方無い。
それがたった数年でこうなったんです。
感動しました。そして考えました。こうなったのは何故か。何故この光景が出来たのか。ずっと考えていました。
海外特有のノリもあるし、振りやすく、コールが入れやすい「あったかいと」だというのもある。でも一番大きいのは『マジカルミライ』と『公式による布教』だと。
海外で体感出来るのがミクさんの大人気、次点でリンレンです。
今回アンコールでリンレンが出た瞬間の沸き上がり方は凄かったです。
これらも全て『公式が丁寧に発信して露出させてきた』ことが大きいと思います。(リンレンは人気に応える形で曲数が多く、好循環になっている)
真っ青な光景は、私の考えを変える大きな切っ掛けになりました。
いわゆる成功体験です。軽んじられていたキャラでも、数年あれば大切な、熱狂されるキャラになれるという実感。
ならばこれは国内でも出来る筈。
そして、マジカルミライで「KAITOのソロが欲しい」という声を即座に反映したクリプトンさんに、心から感謝しました。
EXPOは大江戸ジュリアナイトだけで押し切って、来年のマジミラでソロを入れる形でも良かった。
でもクリプトンさんはキャラとファンに対しての誠意だと判断して、EXPO時点で入れてくれたのでしょう(その分ミクさんの曲を削ったのでしょう。そこしか削れないので)
大江戸ジュリアナイトでもKAITOくんの声はちゃんと大きくなっていました。ラップしかないのに声が聞こえないという意見にも対応してくれていたのです。
採算だけを考えるなら別にそんなことはしなくても良かった。
数でいえば海外でのKAITOファンは僅かです。海外のMEIKOファンも割合としては本当に少ない。それでも、ちゃんと向き合ってくれたことがとても嬉しかった。
単品イベントやキャラ露出の差
KAITOもMEIKOも長年、国内でも公式によるイベントは少なかったです。
クリプトンさんに愛がなかったとは思いませんし、なるべく節目でやってくれました。でも、比較すると少ない。
何故か。ファンの母数が違うからです。その為採算が見込めないから。
ミクやリンレンやルカの方が求めている母数が多いから割ける時間も違う。
これはもう、仕方無い。紛れも無い事実です。
企業である以上、経済活動ですから採算と切り離すのは無理です。(赤字で自分の望むようにずっと奉仕しろというのは奴隷になれということで、それは要求してはダメです)出来る案件には限りがあり、優先度もある。
WATさんは一人しかいなくて、一日は24時間しかありません。
それでもクリプトンさんは、KAITOもMEIKOも切り捨てずにいてくれます。
ファンが愛する対象をそこに置いてくれる。
人気の差が激しい海外でもそれは同じです。
前回のMIKU WITH YOUでは、絶対に売れ残るのがわかっていたのに、ノボリでKAITOとMEIKO含む全キャラ出してくれました(MEIKO売れ残りました。最終開催地の物販終わりを見届けています)
ランダムものだってミクさんだけのが売れるでしょうに、必ず全キャラを入れています。
ファンは6人を目にする機会を強制的に得ているので、長くファンをするほど推し以外にも親しみを覚えていき、興味を持つチャンスがあるのです。
我々のいるジャンルは、ファンとクリプトンさんが双方向に影響しあっています。
それでも、公式がキャライメージを創る影響はとても大きいのです。(近年は特にだと思います)
公式が軽んじたら、軽んじても良い雰囲気が生まれ、丁寧に扱えば何かの切っ掛けでキャラの好感度が上がります。
だから私は、公式の行うことをなるべく応援していきたい。
たとえそのイベントが自分向けではなくても、それが巡り巡って、ファンの母数を増やすことに繋がるからです。
(2021追記として、MEIKO15周年とKAITO15周年マジミラは大きいと実感しています)
扱いを大きくするには経済規模を増やすしかない。その為にはファンと公式が力を合わせて、地道に新規を獲得していくしかないのです。
マジカルミライという特別
そして大きいのが『マジカルミライ』。
このイベントはやはり、日数、総席数的に、触れる人数が格段に違います。そしてなによりも、円盤化があります。
EXPOや雪ミク、MWYはどうしても拡散しにくい。
でも本場日本で行われるマジカルミライは円盤化によって、海外含めてファンが一番触れやすくなります。
曲もマジカルミライでやっている曲は知名度が一気に上がります。
ルカさんの10周年で「ルカさん良い可愛い!」と思ったファンも多いように、マジカルミライで特定のキャラを推されることは、新規層獲得に大きな意味を持ちます。
だから私はマジカルミライで円盤収録されること、なるべく多くピックアップされることを望みます。
(できれば特典ディスクにならず本編であることが望ましい)
海外公演に話を戻すと、MEIKOさんのラムネイドブルーは、なんと練度の高いベルリンではペンライトが赤と青になっていました。(ファン層の濃さは国によって違い、ベルリンが見てる中ではもっとも濃かった)
これもマジカルミライの影響が大きいのだと思います。
クリプトンというベンチャー企業
そもそも、本来なら個人ユーザーのアンケートによって企業が動くことはありません。
それをしたら企業経営が成り立たないのは、スーパーに寄せられるお客様の声を見てもわかります。無理。全員の要望には応えられません。
しかしクリプトンは違います。初音ミク文化がファン主導だった過去から始まり、創作者を応援したい、クリエイターに寄り添うという意味でも、なるべくファンの意見を拾ってくれる企業です。(全部ではない)
これは非常に特別なことで、人数の少ないトップダウン形式のベンチャー企業だからこそ出来る形です。(従業員111名。うち全員がボカロ事業ではないので更に少ない)
しかしベンチャーであるがゆえに担当者は非常に多忙です。
かなりエゴサもしているでしょうが、全ての声を拾いきれるわけではありません。
つまり意見があるなら、自分から公式に投げる必要があるのです。アンケートもそうですし、アンケートがない時でも。
それは公式へのリプでも、返信不要としてご意見窓口でも構いません。
タグをつけて呟いてもいいですが、オープンであるなら言葉の使い方には気をつけてください。ファンイメージを落とすことは、推しの出番やグッズを遠回しに減らしていきます(新規獲得に寄与するかどうかなので)
もしファンの為という企画が理想と乖離しているなら、そもそもクリプトンさんが、ファンの理想を企画開始時点で把握していないことが多いのだと思います。
企画発表後に意見が出ても、変更出来ることは限られてしまいます。
アンケートを書いても書いても届かない。空しい。もういいや…。
その気持ちはわかります。めっちゃわかるんですが、そもそもアンケートは企業に届かないものなのです。
現場に与えられる権限は多くありません。上の許可を得たり、内部で予算を確保してファンが望む形にするには、実績や見込みが必要になります。
ユーザーの声というのは積み上がって初めて意味を持ちます。
ミクさんであれば数が一気に集まるでしょうが、そうでないならこつこつ、こつこつ、粘り強く「こうして欲しいな♡求めてるユーザがいるよ」と伝えるしかありません。
それでも叶う保証はありませんが、そもそもユーザーの理想を伝えなければ、ユーザーの理想通りの出力はあり得ません。
伝えることを諦めてしまえばファンとの双方向性はなくなり、一方的な企業発信のみとなってしまい、より乖離していく悪循環です。
目標を整理する
MEIKOもKAITOもソロでお祝いして欲しい!が目標だとします。
不満なのは推しだけにスポットライトを当ててくれないから。軽んじられているような不安があるから。
これを前提に考えると
セットにされたり期待が裏切られるのは何故か。予算と時間がないから。
何故予算がないのか。採算が見込めないから。
何故採算が取れないのか。ファンの母数が少ないから。
ファン層を拡げるにはどうしたらいいか。新規の獲得。
その為にどうしたらいい。ファンが近づきたくなる環境と、公式の旗振り。その為にはどうしたらいい。双方向性を使い公式を育てること。
ともかく『ソロで祝うのが当然だ』という環境にする為には、長期の目標としては採算がとれるまでファンの母数を増やすことです。
それをするにはファン側からのアプローチ、新規が安心できる環境、公式からの供給の3点が必要となります。
どんな担当者も人間です
変な話ですが、クリプトンさんはメタクリエイターの視点に立ちながらも、根本はクリエイターの集団です。
ライブでも拘りをもち技術を発展させる。企業戦略はありながら、がむしゃらに進みますし、安定した利益を確保し、長期目標を掲げながらも、権利的にも寛容さがある。ファンの意見にもなるべく寄り添ってくれます(全部ではない)
同じ企画をするなら、クリプトンさんもファンに喜んで欲しいのです。
少なくとも担当者はそう思っています。
ファンとしてクリプトンさんに「寄り添って欲しい、気持ちを汲んで欲しい、楽しませて欲しい」と願うなら
担当者に対しても「寄り添ってみよう、事情を汲んでみよう、楽しんで仕事をして欲しい」という気持ちをもった方が、お互い楽です。
担当者だって人間ですもの。ファンの為にと企画して頑張ったことが、ダメだと文句を言われ、ヘイトを向けられ、出来ていても褒められない。それはとてもしんどいことです。
誰しも最初から全部は出来ません。
だから出来た点は褒めて、感謝して、今度からはこうして欲しいなの方が、多分良い循環になります。
望み通りにならなくても辛抱強く伝え続けることです。(疲れるので苛々するまでは伝えないで、インターバルをとりましょう)
何よりも現場に熱意があるほど上を動かしやすくなります。
それには現場のモチベーションが必要で、企画として大きな利益が無理なら、せめてファンからのフィードバックがあっても良いのではと思うのです。
(ちなみにこれは個人的な意見で、趣味にそこまでしたくない。もっと気軽に楽しみたい文句言いたいぜという層もあって当たり前です。無理して良い子でいる必要はありません)
ただ少なくとも、公式への意見で強い言葉で非難したり感情をぶつけることは、誰の為にもなりません。
また何かする度に文句だけが出る環境にしてしまえば、リスクを避けるために各企業がそのキャラになるべく関わらないことになってしまう悪循環です。グッズを出せば文句を言われる、特典をつければ文句をいわれる、マジミラで凸られるなどは、企業にとって時間と労力を奪われるリスクなのです。
面倒くさいファン層には関わらない方がいいと思われることは、先ほどの目標とは逆行してしまいます。
感謝と期待を伝える意味
適切に感謝を伝えることは、イイコちゃんなどではなく、意味のあるフィードバックなのです。
たとえば先ほど例にしたEXPOでは、KAITOくんのソロが入りました。
これはユーザーの声を拾ってみた結果です。
これに対して「ソロ嬉しい!マジカルミライでも待ってます!」と伝えることで、企業の行動にユーザーからのフィードバックが入り、担当者もやった意味があり、マジカルミライでも継続して求められているんだなと伝わります。また組織としても、ユーザー意見を汲んで満足度が上がったという実績になります。
感謝を伝えない場合、ユーザーの声を拾ってみたけど意味はなかったかな。
EXPOでKAITOソロは無くてもいいのかな。まぁマジミラでソロくれって話だったし。みたいに解釈されるかもしれません。
言いたいだけで求めてるわけではなかったかと判断されるかもしれません。(○○が欲しい!といわれて作ったら売れないのはよくありますしね)
もちろん、1人の声と、複数から声が届くのは違います。
感謝や褒め言葉から入って、なるべく具体的に要望を出す。要望が通れば感謝を伝える。その際に継続希望なりがあれば更に伝えるのは、余力があればやっておくと良いです。
(これも全く義務ではないから無理はしないでくださいね。出来る人がやればいいのです)
ユーザーの声が通った時に反応がないと「声を拾っても意味はない」と判断されがちになってしまいます。
反応がなくても売上げに現れるなどなら違いますが、その場合でも因果関係を明確化するのに、ポジティブな意見は送った方がお勧めです。
知っておくと心がちょっと楽?
実はクリプトンさんは、結構広報が下手です。
なんで?ってタイミングで情報を出したり、もうちょっと考えたらいいのに!と思うことがしばしばあります。
もっとちゃんとアピールすればいいのに情報がギリギリすぎ!なども。
原因は色々なんでしょうが、要はとても忙しいんだと思います。
悪意はない悪意は。むしろ善意がある。
でもちょっと考えて欲しいみたいなことはあります。
冒頭で出した発端ツイートも事前に「KAITOくんの15周年もちゃんとやるよ!それとは別に、KAITOとMEIKOの両方の露出を増やすのに色々計画してるよ!」みたいな前情報があれば、ここまで不安は拡がらなかったでしょう。
なんというかこう、言葉足らずだよね!みたいなことは沢山あります。
だからどうした企業なんだからちゃんとして。というのは判るんですが、多忙時に気が回らないのわかる…って方もいるのでは。私です。
クリプトンさんが今こなしてるイベントの多さ、驚異的です。
めまぐるしく広報情報があり続け、それを何人の担当者で回しているのかと思うと、お疲れ様DEATHとしか言えません。
というわけで
私はそれぞれMEIKOもKAITOもソロで御祝いをされたいと願っています。
だからこそ、今回のマジカルミライでは一緒にされても良い。
(2021追記、個別にお祝いしてくれました!ありがとうございます!)
大阪、東京で分けられてどちらかが露出しないよりも。
一緒でもいいから、今年のマジミラ、来年のマジミラで二回分、MEIKOとKAITOをピックアップして、円盤に収録して欲しい。
どちらのキャラも大好きですし、露出の機会を増やすこと、新規獲得のチャンスを逃がさないことを優先したいのです。
だから企画として #MK15th_project も賛成、応援しています。
それはそれとして、単品も欲しいよと伝えていけば次回の企画では考慮してくれるかもしれませんし!(※追記あり)
もちろんこれは私の考え方であり、誰しも割り切れるものではないです。
感情的であることに罪悪感を覚える必要もありません。推しが一緒くたにされるのは寂しいものです。
それでもいつか、当たり前のように御祝いされて、皆が今回みたいにやきもきしないで済むミライが来ると良いなぁと思います。ヽ(´▽`)/
おわり
追記
発端となった公式のツイートは特に「個別ではやらないよ」とは言っていません。そしてタグとして「MK_15th」なので、これはもしかして個別の15周年とは別の長期プロジェクトなのでは…!!
KAITOくんの15周年イヤーまで、2人の露出が増える企画の可能性もあるのでは!と気がついて、ニコニコしております。
https://note.com/hiyori1105/n/nbbd9d1130343
紅茶代、最近ハマりだしたコーヒー代、あとはカカオティ代になります。 大体お茶です。誘惑に負けるとお茶菓子になります。