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一条工務店のウワサ 施主が解説します
こんにちは。ぽてとです。
我が家は一条工務店施工ですが、数多くのハウスメーカー巡りをしたり、ネットで情報収集をする中で、色んな情報を目にしてきました。
今回は、一条に関するウワサについて、私なりの意見を正直にお伝えしようと思います。
一条の良いところについては、下記記事を参考にしてください。
一条工務店は制限が多い
一条で家を建てる場合、必ずと行っていいほど、会社のルールによる制限を受けます。
一条ルールとも呼ばれるこれらの制限について、一部を抜粋して紹介します。
間取りの制限
一条の家は工業化、規格化されているので、間取りの制限が多くあります。
まず、斜めの壁は作れません。
オシャレなヌック、アーチ状の開口部、半地下や1.5階といったものは採用できません。
また一条の家は全棟許容応力度計算を実施しており、耐震性が高い住宅となっていますが、
耐震のために設置される耐力壁が、間取りの制約になることが多いです。
設計士に大空間のリビングを依頼すれば、そもそもできないと断られたり、耐震のための耐力壁や垂れ壁がもれなくついてきたりします。
また平屋より二階建てのほうが間取りの制限が出やすくなっています。
枠組工法のスマートシリーズは、総二階建てになり、一部のみ二階建てにすることはできません。
法律上の制限
これはどの家にも言えることですが、建てる地域によって様々な規制があります。
建ぺい率の規制
隣地境界の規制
第一種低層住居専用地域(建物高さ10mまで)等の区域の規制
北側斜線規制
防火地域の規制
居室における有効採光面積の規制
一条の場合、45.5cm間隔でしか間取りを組めないので、規制ギリギリまで家を広くすることができません。
首都圏の狭小地は注意が必要です。
この点、地元工務店や、建築事務所のほうが、効率的な間取りを提案しやすい傾向にあります。
また防火地域の場合、選べる窓やオプションに差があるので、これも注意が必要です。
例えば断熱等級7に対応する断熱王オプションは、防火地域では採用が難しいとされています。
我が家は準防火地域ですが、ちょっとした裏技で断熱王を採用できました。
この他にも多くの制約を受けますが、個人的にはどれも品質維持のために必要なルールであると思っています。
例えば、一条は不燃クロス(壁紙)を採用できません。不燃クロスは薄くて出来栄えに差が出やすく、クレームの元になるということで、採用は自己責任となります。
エアコンの向きにも制限があり、原則外壁に面している必要があります。これは取り付け不良を防止するためとのことです。
そして当然ながら、耐震性に問題がある建物は作ることができません。
このような徹底的な施工不良対策がルール化されることで、欠陥住宅を未然に防いでいるのだと推測できます。
問題なのはこのルールが本社の人しか知らない点です。
施主は間取りの打ち合わせで初めて知ることになります。
打ち合わせ前にルールブックを配布してくれれば、事前に考慮できるのに、とは思いました。
一条工務店は大手ハウスメーカーではない
これについては半分ホントで、半分間違いと思っています。
一条工務店は、名前こそ工務店とついていますが、れっきとしたハウスメーカーです。
家の大量生産のしくみを自社で持っているからです。
フィリピンの自社工場で部材を加工し、日本に輸送して家を組み立てています。
ただ大手ハウスメーカーの括りには入らないことがあります。
まずテレビCMを一切流さないので、注文住宅を知らない人からの認知度が低いです。
また、株式を上場してないため、決算や築棟数を公表していません。
年間契約棟数世界一はギネス記録にもなっているので嘘ではないと思いますが、自社発表の数値であることは留意したほうが良いでしょう。
非上場の良い面としては、採算度外視で研究開発ができるところです。
例えば、耐水害住宅では家を丸ごと水に沈めたり、家を浮かせて安全を確保する実験を行っています。
また、300億円を創業の地である浜松市に寄付し、津波対策の防潮堤を建設しています。
ハウスメーカーとして日本の災害対策に本気で取り組んでいる企業と言えるでしょう。
性能がピカイチ
一条のスローガンは、「家は、性能。」ですが、住宅性能が飛び抜けて良いかというと、今はそうでもないです。
気密性に関して言えば、地元工務店などに依頼すれば、一条以上の機密性は容易に確保できます。
またハウスメーカーの中でも、スウェーデンハウスやタマホームなど、各社から断熱等級7を目指す商品が展開されています。
一条の性能に、まわりが追いついて来た、という印象です。
一条の場合、ハウスメーカーの中では珍しく、全棟気密測定を実施し、基準値(C=0.6c㎡/㎡)以下を保証しています。
また断熱については、性能の高い部材が標準で採用できるというのが強みになりそうです。
床暖房パネル、トリプル樹脂サッシ、ウレタン材等の大量生産体制が整っているため、安価に提供ができるようになっています。
保証期間が短い
保証期間は最長30年と、標準的な保証期間ではありますが、大手ハウスメーカーではもっと長く保証してくれるところもあります。
一条の家はメンテナンスフリーを目指しているため、手間のかかる保証制度を長期で持ちたくないという会社の思惑があるのかもしれません。
個人的には30年保証があれば十分と考えていますが、
この部材は100年持ちます!という営業トークを受けると、なら100年保証してよ、とツッコミたくなります。。。
住宅設備がオリジナル製品だらけ
ここは好みが分かれると思います。
一条の家では、洗面台、キッチン、風呂、収納などが標準でついてきますが、
社外品を入れることは基本的にできません。
本社の稟議を通せばできないこともないですが、
面倒本体価格に加え工賃がかかり、割高になりやすく、見積もりが出るのも遅いため、注意が必要です。
キッチンや洗面台に強いこだわりがあるなら、打ち合わせ初期や契約前に相談したほうが良いでしょう。
(2024年7月時点の話なので、最近では社外品も採用できるかもしれません)
ちなみにオリジナルと言っても、大手メーカーのOEMだったりするので、すべてが完全自社生産というわけでもありません。
我が家的には、一条のオリジナル住設はデザインも気に入っており、それなりの品質の設備が格安で導入できるならよいと考えました。
また設備が故障した場合、一条の関連会社である一条メンテナンスに依頼することになると思います。
こちらは実家でお世話になっているため、そこまで悪い印象はありませんでした。
デザインが画一的
展示場を見ればわかりますが、一条の家はどれも似たような見た目になります。
外装タイルやドア、床のカラーリングが4-5種類程度のため、被ることも多いです。
私たちはデザインにあまりこだわらず、それなりの見た目と機能性があれば十分と考えていたため、そこまで気になりませんでした。
それに選択肢が少ないというのは、必ずしも悪ではありません。
限られた予算、時間の中で、多くのことを決めていかなければいけないため、最初から選択肢が少なければ迷うことが減るとも言えます。
noteと一緒です。シンプルで書きやすいとする人もいれば、凝った装飾ができないことに不満を持つ人もいるでしょう。
また住設のデザインが共通なので、他の施主のカラーリングや収納術を参考にすることもできます。
このあたりは何を優先するかによって、評価が変わるところと思います。
提案力が低い
この言葉、経験してないのでピンと来ていないのですが、どうもホスピタリティーに近いのかな?と思っています。
そういう意味だと、一条は低いと言わざるを得ません。
他社では専任のインテリアコーディネーターが施主についてデザインの提案をしたり、自分たちが理想とする住まいをカタチにしてくれるそうです。
某ハウスメーカーなんかは、VRで3Dパースを見せてくれるそうです。素直に羨ましい、、、
このように、施主が "安心して" 家づくりをする体制を整えてくれています。
ところが一条の場合、そんなことはしません。
人件費圧縮のため、家を設計するのは建築士のみです。
間取り、収納、コンセントの位置、照明の種類、壁紙
限られた期間の中で、施主が責任もって決める必要があります。
もちろん、建築士からオススメされるものをそのまま採用していけば、それなりの家を作ることは可能です。
理想の家を建てようとすると、途端に難易度が上がる、ということです。
対策として、ネットやSNS等でいろんな施主の情報を見ることをおすすめします。
一条の家は、設備が共通なので、施主の体験談が参考になります。
例えば、Xやインスタ、Youtube、ブログなどで、一条施主が発信している施主向けのチェックシート、注意点やお役立ち情報が役に立ちます。
間取り相談に乗ってくれる(神)施主もいたりします。
営業さんに、一条施主の入居宅訪問を依頼するのも手です。
また私たちの場合は、自分たちで家のモデルを作成し、VRで確認したり、照明の明るさを計算したりしました。
今の時代、簡単なものであれば既製品のソフトで簡単に作れます。
こういった工夫で、理想の家づくりをすることはできます。
打ち合わせ対応が雑
これについては、少なくとも私はそうは思いません。
私達の担当の営業さんと建築士さんは本当に色々と頑張っていただきました。
ただ他の施主さんの記事などを見てると思うところはあります。
どうも一条の社員は忙しすぎるようです。
土日の展示場は家族連れで満員、上棟予定枠は1年以上先まで埋まっており、営業や建築士が担当する範囲が多いうえ掛け持ちも当たり前、、、
安価で性能の良い家を普及させることを目指しているので仕方ない面もありますが、
現場のリソース不足感が否めません。
本来であれば会社がなんとかすべき問題と思いますが、
一条で家を建てるなら、施主が自分たちで何とかするという気概が必要かもしれません。
施工が雑
これは一条に限った話ではないと思いますが、
着工棟数が多い分、クレームも多くなってしまうのかなと推測します。
建築時の施工ミスについては、ほとんどの部材を工場生産とすることで回避しています。
ですが、釘打ちや電気工事などはどうしても現場作業になり、施工ミスを完全に防ぐことは難しいです。
我が家では第三者機関として建設性能評価を依頼し、建設時に施工ミスがないかチェックしてもらっています。
また、仮に施工ミスがあった場合、専門機関に紛争処理手続きを依頼できます。
これは十数万円のオプションで採用できます。
その他の手段として、ホームインスペクションを依頼するのも手です。
このような調査は、どのハウスメーカーでもやっておいたほうが良いことだと思っています。
まとめ
いかがでしたか。
一条工務店は、ハウスメーカーの中では性能特化型の異端な存在だと思います。
人によって合う合わないはあると思いますので、この記事が様々なハウスメーカーを比較する際の参考になればうれしいです。
皆さんの家づくりがより良いものとなりますように..!