多崎礼『レーエンデ国物語 月と太陽』
前巻でレーエンデ国物語に魅せられていたので、一気読みしてしまいました。
レーエンデの自由を奪われてから、100年後。
1巻のさいごにあった
『レーエンデの誇りのために、戦う女がいた』
が今巻の話でした。
はじめに、ルチアーノ・ヴァレンティが〝残虐王〟になると明示されていたので、家族を殺された復讐劇になるのかと思いましたが、現実はそれよりはるかに残酷でした。
新しい家族、愛する人を奪われたからです。
初めから革命軍に参加していたメンバーと、途中から入ったメンバーの想いの強さは違い、その差を埋めるのは容易ではなく、人々が革命の成果として満足する条件は、払った犠牲に見合うかどうかできまるのではないでしょうか?
絶望を知っているエドアルドには、勝てなかった。
エドアルドは人としての尊厳を全て失っているから。
テッサは死ななくても良かった。
そして、テッサは死ぬ必要があった。
それは、レーエンデの英雄になると決めたから。
その矜持がレーエンデの自由を得るための糧となることを信じてる。
ルチアーノは、真の絶望がレーエンデが自由を得るための餌になると信じている。
きっと、ルチアーノはただ残虐王になったわけじゃない。