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宿題を勝手に辞退した話

息子さんが小学校に入って以来
宿題と言う強敵が我が家の平穏を乱していた

今思い起こすと、1年生の時は
悩まされた日常的な宿題というと
〝音読〟が一番かなぁと思う

うっすらとした記憶では
『家庭不和になるからウチの子に
 宿題を出さないで下さい』と
先生に言ってもいいか?と息子さんと
揉めたことがあった気がする
その時の息子さんの答えは『ノー』だった

振り返ると、私も口では
『お母さんは、あなたが宿題しようが
 しまいが関係ない』とは言っていたものの
どこかで〝宿題はやらなければいけないもの〟
という観念に囚われていたように思う

宿題が本格的に問題化したのは
2年生になってからだ
1年生の時に〝自由意志〟という名の下
モンスター化していた音読くん

2年生の先生は1回と
回数を指定してくれたから
ミニミニモンスターになっていると思うのに
母のミスでトラウマになってしまったのか
息子さんはやる気がでないよう
(母のミスを簡単に言うと
 回数わからないし、息子さんの声が
 めっちゃ可愛いので何回も読ませた)

2年生になって一番の問題は
漢字ドリルとなった

これも母がミスしたんだと
今なら思える
母の手出しが、息子さんの完璧主義?
良く見せたい願望をくすぐってしまった

漢字を書くのにスゴく時間をかけていた
息子さんを見て
どうしてそんなに時間がかかるのか
不思議だった母がつい
楽しそうだなぁと思い
息子さんの漢字ノートを書いてみた
もちろん、それで提出するわけにいかない
消しゴムで消すとなんとなく跡が残った

この日から、字をきれいに書きたい息子さん
必ず母に書かせて消し跡をたよりに
字のバランスをとって書くと言うスタイルに
こだわりだした

が、(ほぼ)なぞるだけなのに
かかる時間はかなりのものだった
1ページ6行をかくのに
2時間近くかかるのだ
書くこと自体もそれなりにかかるけど
飽きるのが1番の理由
1行書いては疲れてウダウダ言い
一生懸命書いていると油断すると
ボーッとして手が止まってたり
遊んでたりする…

時間がめちゃかかるとはいえ
汚いはずの息子さんの字は
漢字ノートだけ『きれい!』
と書かれるようにまでなった


しかし、これが
息子さん自身の首を絞めることになる

息子さんの宿題に限界が訪れたのは
夏休みの宿題戦争の後

夏休みの宿題やなんやかんやあり(←雑)
漢字ドリルの宿題ができなかったために
翌日2日分をこなさなければならない
という事態に陥った

しかも、運悪いことにそんな日に限って
通常1ページ6行の宿題が
見開き2ページ14行であった
しかも2日も連続で見開き!
なんと28行もやらなくてはいけないことに
6行で1時間としても5時間近い量
ただでさえ集中力ないのに…

もうキャパオーバーである

家庭生活が漢字ドリルで埋め尽くされる
さすがにそれは間違いだろうと
母は学校に相談にいった

話し合いの結果
息子さんの宿題を減らす方向にしよう
と言うことになった
要は宿題の一部をマストでなく
努力目標としようと言うもの…

それでも息子さんは
完璧に宿題をこなすことに固執した

しかたなく、学校の遅刻連絡に

『漢字ドリルの宿題は
 連絡帳に〝必ず持ってくること〟と
 書かれたから、できるまで学校に行かない』
と言うので、気の済むまでやらせてから
送り届けます

と嫌味もこめて書いた事もあった

まぁ、仕事が午後からだったので
やらせてみようと言う軽い気持ちというのが
本当のところなのだが

結局、時間とのすり合わせで
本人も納得したところで学校へ送った
たぶん、10時半頃だったような気がする

その後も、しばらくは〝やらなきゃ〟と言う
気持ちがあるけれど〝できない〟
〝終わらない〟という日が続いて

宿題が終わらせられなかった日は
わざと漢字ドリルノートを置いて行き
『やったけど、忘れた』と言うようになった

そんなある日、息子さんが
漢字ドリルノートの余白に
「しぬしぬしぬしぬ」と書いていた
本気で「しぬ」わけではないが
宿題がストレスなのは十分に伝わり
これは、ヤバいと思った母は
もう一度、学校に相談にいった

その後に担任の先生からもなんの連絡もないし
さすがに、消していると思ったら
そのまま提出していて、、、
そこに先生が丸を書いていたのを
後日、見つけた時はビックリした


それ呑気に丸つけてる場合じゃないと
思うのだが、、、

まぁ、うちは〝死ぬ〟とか〝死ね〟とかに
耐性があるけど、、、(←パパがよく言う)

今の学校の先生も『死ぬ』とか書いていても
軽い冗談だと問題視しないのだろうか?
問題視すべき案件とも思うが…

とはいえ
2度目の相談の効果か、担任の先生が急に
息子さんに優しくなったらしく
「宿題終わらないと学校に行かない」
と言っていた息子さんが
今度は宿題をしなくなった…(極端)

どうやら、息子さんは先生に怒られるのと
休み時間に宿題をさせられて遊べないのが
嫌で宿題をやっていただけのようだった

元々、勉強は強制してやらせても
最終的に身につかないと思っていたし

この間に、宿題に関して
世界的には小学校の低学年に宿題を
出さないのが主流
というのを目にして
息子さんの宿題に関与することを辞退
しようと決めた

そんな時に、息子さんも息子さんなりに
宿題との付き合い方をみつけたのか

失くしていないのに
新しい漢字ドリルノートが欲しい
と言ってきた

今までのノートにはやりたくない
と言うのだ

連絡帳に
『失くしていた漢字ドリルが
 探しても見つからないので
 新しいものを購入することは 
 できますでしょうか?』
と嘘を書いてあげた

新しいノートになって
息子さんは、息子さんの字で
宿題をするようになった

前みたいに、〝きれい!〟と書かれる
こともないような字だし
本当に、『最低限これだけはやろう』と
言われたであろう分量しかやってないので
空白の方が目立つ

あれ以来、家で宿題している姿を
見ていないのだから当然だけど

学童や学校の隙間時間にはやっているようで
生意気に
『今は、算数より漢字を頑張ているんだ』
なんて宣ったりするw

家で宿題をしなくなった分
近所の子どもと遊んだり
友達が遊びに来たりして
楽しそうな息子さんの姿を多く見るように
なった気がするし
のびのびと生き生きとしているように感じる

私も『宿題しないでいいの?』と
何回も聞く必要もないし
無駄に早朝から息子さんを
起こさなくても良くなったし
心の枷が取れて日々が穏やかになった

ただ…