『進撃の巨人』34巻のアルミンの〝あのセリフ〟を考える
『進撃の巨人』って人が巨人に喰われる
イメージしかなかったのだけど。。。
ちゃんと『進撃の巨人』に向かい合うと
人間同士の戦争をテーマにした話だとわかる
わたしが最初に読んだ頃は
たぶん巨人が人間というとこまで
読まなかったんじゃないかな。。。。
諫山さんの特徴は思考に偏りがない事かも
どちらも良いとも悪いとも言ってないし
どちらが正しいとか間違っているともいってない
さまざまな人間が様々な立場で何かを言い
それぞれの考えや信条に基づき行動をとる
現に、マーレ編が存在する
戦争をそれぞれの立ち位置でみせている
基本的には戦争に肯定はしてない
とは思うけど
最終的にエレンがとった
人類の8割を無差別に虐殺するという
最低最悪の手段や
〝道〟でのアルミンの
『エレン ありがとう』
『僕達のために殺戮者になってくれて』
というセリフは
私的にはいただけなかった
虐殺の肯定に感じたからだ
このセリフに対しては作者の諫山さんも
あの描き方だとアルミンが虐殺を肯定していると
捉えられてもおかしくないと思います
僕の描き方が未熟でした。
エレンが行なった最低最悪の手段を
アルミンは肯定した訳ではありませんが
本人の意思とは関係なく
大虐殺の恩恵を受けてしまうアルミンは
到底理解し得なかったエレンとの
最後の別れを迎え
「殺戮者になってくれてありがとう」
という強い言葉で自分も共犯者であると伝え
少しでもエレンに寄り添いたかったのです。
自分が描くには至らない
難しいテーマであった事を痛感しましたし、
それらが漫画で表現しきれなくて
本当に後悔しています
とインタビューで言っている
諫山さんはネームの段階では
『エレン ありがとう』
『僕達のために人類を虐殺してくれて』
『ありがとう』
『この過ちは絶対無駄にはしない』
となっている
実際の単行本では
『エレン ありがとう』
『僕達のために…殺戮者になってくれて…』
『君の最悪の過ちは無駄にしないと誓う』
となっている
『ありがとう』が消えて『最悪』が増えたけど
あまり肯定感は払拭できてないし
アルミンの共犯感も感じない
『ありがとう僕達のために』を
『ごめん…僕達のために』としたら
悪い事をした感が少しでるかも
そして『殺戮者になってくれて』
が耳慣れなくカッコつけた言葉なので
ネームに戻して
『人類を虐殺』か『こんな大虐殺』とし
『こんな大虐殺をさせてしまって』とする
『してくれて』って
良い事をしてくれた印象だけど
『させてしまって』は
悪い事をさせた印象、、、
良い事をさせてしまったとは言わないので
ということで
『…エレン……ごめん…』
『僕達のために…』
『こんな大虐殺をさせてしまって』
『この最低な過ちは無駄にしないと誓う』
いかがでしょう?
最後の〝君の〟もネームの〝この〟に
直しました。。。
君に限定すると折角の共犯感がうすれるので
なんて、、、なんか日本語教室みたいw
まぁ、、、エレン坊やが直前に
『お前達に止められる結末がわかってなくても
オレはこの世のすべてを平らにしてたと思う』
なんて言っているので
エレンの最低最悪な手段を肯定せずに
でも共犯者として寄り添いたい
なんて難しいことなんだけどw