上野動物園からオランウータンが消えた日
うちの息子さんはオランウータンが好きだ
たぶん4歳くらいから
オランウータンが好きになったと思う
その影響で、オランウータンについて
いろいろ調べるようになった
動物園と言えば、上野動物園というイメージが
東京で生まれ育った私にはある
実際に、国内初の動物園で
140年の歴史があり
来場者数は現在も1位だ
しかし、その上野動物園にも
そんなに行った記憶がないし
なにか特定の動物を目当てに
動物園に訪れる事もなかった
故に、ただただ漠然と
象やライオン、キリンなんかがいるのが
動物園というイメージで
動物園によっている動物が違うとか
考えたこともなかった
オランウータンが好きになった息子さんに
オランウータンを見せに動物園に
行こうと思い立って初めて
動物園に行っても見れない動物がいる事や
オランウータンのいる動物園が
158ヶ所もの動物園がある日本で
たった18カ所しかない事を知った
そして、あの上野動物園にも
現在オランウータンがいない事も、、、
しかし、上野動物園は
過去32頭ものオランウータンを飼育してきた
これは歴代2位の記録
オランウータンを初めて飼育した動物園も
上野で1898年07月05日のことだった
そんな上野動物園から
オランウータンが消えた日は
2005年11月09日
最後のオランウータンが上野動物園から
多摩動物公園に移動したのだ
そのオランウータンの名前はモリー
下の記事で紹介したオランウータン
上野動物園からオランウータンが消えた裏には
1989年に策定された
〝ズーストック計画〟というのがある
〝ズーストック計画〟とは
東京都が打ち出した飼育展示する
希少動物の保護・繁殖する計画のことで
国内外の法律で保護されている種や
野生個体が減少して保護が必要な種ごとに
1つの都立動物園等に集中して飼育することで
繁殖を推進しようというもの
この〝ズーストック計画〟で
上野動物園は、ゴリラの飼育・繁殖を担当
オランウータンは、多摩動物公園が
担当する事になったのだ
現在
多摩動物公園は10頭のオランウータン
上野動物園は7頭のゴリラを飼育しており
どちらも国内最多の頭数を飼育している
因に、ゴリラはオランウータンよりも
飼育している動物園は少なく6カ所しかない
この〝ズーストック計画〟の策定には
1980年に日本がワシントン条約に
批准したことが大きく影響しいる
ワシントン条約とは
Convention on International Trade in
Endangered Species of Wild Fauna
and Flora
訳すると
絶滅のおそれのある野生動植物の種の
国際取引に関する条約
条約自体は1975年に発効している
これによって野生動物を入手する事が
困難となり対象となる動物は
動物園内での繁殖に頼らざるを得なくなった
このズーストック計画の策定された頃
上野動物園には7頭のオランウータンがいた
しかし、このズーストック計画を受け
1989年2月にモリーの子供の
〝初子〟と〝ツクモ〟が沖縄へ
(同年9月〝ヨウコ〟が死亡)
1991年4月には〝敬太〟が神戸へ
1993年7月には〝タンタン〟が豊橋へ
同年12月にはリュウが宇都宮へと
全国の動物園へと移動して行った
そして、最後に残ったのがモリーである
その理由としては、モリーが高齢のため
輸送に関するリスクを懸念してのものだった
そして、12年近くの間上野で
一人暮らしを満喫する事となった