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“いい子”が増えてしまっています

先日、金間大介さんのご著書である『先生、どうか皆の前でほめないで下さい: いい子症候群の若者たち』(東洋経済)という本と出会いました。

ご存知ない方もいらっしゃると思いますので、ひとまずAmazonに書かれている紹介文を転載します。

ほめられたくない、目立ちたくない、埋もれていたい……。今、こんな若者が激増している。・「成功した人もしない人も平等にしてください」・選択の決め手はインフルエンサー・「浮いたらどうしようといつも考えてます」・LINEグループで育まれた世界観・もう「意識高い系」とすら言わない・上司からの質問を同期に相談する・自分に自信はないけど社会貢献はしたい令和の時代の重大異変を、イノベーションとモチベーションの研究家が徹底分析!

先生、どうか皆の前でほめないで下さい: いい子症候群の若者たち より

そう、私が教員として子どもたちと関わっていく中で、ずーっと考え悩まされてきた“積極性の無さ”の原因の言語化をしてくれた本なのです。

とかく表現活動をする中で、“自分の思いを伝える”ことを苦手とし、答えがある(と思われる)ことしか発言しない(またはできない)子どもたちが本当に多くなりました。また、教員が求めている“積極的な行動”がとれない原因に、良い悪いに関係なく、人と違う行動をすると、“目を付けられる(浮く)”という感覚があるため、とにかく無難な行動、みんなと同じ行動をとる若者が増えたということも、この本に書かれていました。

なぜそんな若者が増えたのかはここでは一度置いておいて、この問題の何に苦しんでいるのかを伝えていきたいと思います。

◯大人の指示(言われたこと)には従うため、言うことを聞く“いい子”として大人から認定されてしまう

◯“(言う事を聞く)いい子”と認識してしまっている大人と、“言うことしか聞かない、主体性のないただのいい子(※いい子症候群)”と認識している人とで、指導に対するアプローチや捉え方が変わってしまう

◯子どもたちの自分の考えや思いを伝える機会が激減し、いざ伝えようと思っても“伝え方の手段”をわからず、伝え方を誤りトラブルになってしまう

などの課題が挙げられます。

一番のネックは、問題行動は起こさない“単なるいい子”ということです。

何も生み出そうとしない、主体性がない、トラブル(衝突)をとにかく避ける、チャレンジしない、言うことをとにかく聞くだけ、考えない

何事もなく卒業させることだけを考えている教員にとっては、非常に“先生想い”な子どもたちが多くなっている時代になってきていると思います。

良い点をとりたいとか、みんなよりもできるようになりたいとかよりも

浮きたくない、みんなと同じでいたい

そんな生活を送ることに、今の子どもたちは必死になっているように見えます。

大人の言うことだけを聞いて、何も考えず、何も生み出そうともしない子どもたちがどんどん量産されているのかな?と思うと、非常にもどかしい気持ちです。ですが、学校教育やこの世の中の一般的な考え方に抗っているようで、それもそれで辛いと思っているのも、正直なところです。

子どもたちへ正しい指導をすることはもちろん、保護者・教員・地域の人たちなど、学校や教育に関わる人達のリテラシーが上がらないと一筋縄ではいかないと思います。

【自分たちと同じような人】ではなく

【自分たちを余裕で超えていく人】になってもらえるような

教育を目指したいと思います。


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