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2024年5月X日、鹽竈にて。

鹽竈神社に行きたくて、塩釜へ向かった。
塩釜へ向かうJR仙石線は混雑していたので、てっきりみんな塩釜に行くのだとばかり思っていたが、途中の駅で多くの人が降りた。
その多くの人は「楽天」と書いてあるユニフォームを着ていたのだから、きっと野球の試合でもあったのだろう。

仙台駅から本塩釜駅には30分弱で着く。
駅の観光案内所で地図をもらった。窓口の人は頗る親切で「何かありましたら、お声がけください」と満面の笑みを見せてくれた。

まずは、港の方へ行くのにイオン沿いの道を10分程歩いた。
日差しは夏のようにジリジリとして、数日前に冬のように寒かった事が嘘みたいで、この世界が本当にどうにかしてしまったのだという思いがした。

地図で見て目印にしていた船の形をした商業施設が見えてきた。
ここにはレストランなどがあると言うから、お腹も空いたし、ここで休憩しようと思っていた。

寂れた観光地のように、その施設内は客もまばらで、それなのに食事処は列が出来ていた。海鮮系は並ぶのに時間がかかりそうだったので、イタリアンに並んだが、観光客相手にはお店の対応がまずまずだった。
後で調べたら、反対側の鹽竈神社側の出口には老舗の飲食店が結構あったそうで、そちらの方が良かったなと後悔した。

腹拵えをしたら、鹽竈神社へ。

矢印を見ながら進むと鳥居が見える。本塩釜駅から歩いて1つ目に見えた鳥居は東参道で「裏参道」と呼ばれていて、もう少し進むと急な202段の石段が真っ直ぐに伸びる表参道がある。
ゆっくり上がるなら東参道がいい。こちらから登る事にした。

段々、視界が高くなり、街が見渡せる位まで登った。
この場所は「志波彦神社・鹽竈神社」という正式名称があって、二つの大きな社が元の地形を残した為か、綺麗に横並びではなく、角度を作りながら並んでいた。

志波彦神社の御祭神は志波彦大神で、鹽竈神社の主祭神は塩土老翁神、左宮に武甕槌神、右宮に経津主神をお祀りしているそうだ。

特に志波彦大神は謎の神様で、「物のシワ」から「シワの地(朝廷勢力圏の端)」の事で国津神(土着神)だったのではないかとの説明があるが、私はそういう時に古い辞典を開く事にしている。

それによると、「シワ」と言うのは「地上」「地表」「この世」の事らしい。ここは”呼ばれた人が来る場所”なのではないかと感じた。ただ境内を歩くだけで、写真を撮る気にならなかった。
「ここにある」という事が大事な場所。

帰りは202段の石段を降りた。
足はガクガクで、数日筋肉痛になった。



鹽竈神社の202段の石段はトレーニング