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大切な人を失ったことから・・

先日、めぐみ在宅クリニックの小澤竹俊さんが主催する対話会に参加しました。タイトルは「なぜ人は大切な人を失うと悲しい気持ちになるのでしょう」でした。

私は看護師をしていますので、仕事柄そういう場面には何度も直面しています。患者さんの旅立ちの時に寄り添ってケアをしてきたつもりでしたが、この対話会に参加してこれまでの自分のあり方を根本から考え直さなければならないことに気づきました。

これまでの私はご家族の感情に寄り添ってなかった・・・

患者さんのご家族を励ますことにばかり気を取られていて、「大切な人をなくした直後のご家族の感情を、なにひとつ受け止めていなかった」んだと気がつきました。

小澤さんから
①苦しむ人への援助と5つの課題
②どのような私達であれば「わかってくれる人」になれるか
③相手のメッセージを反復すること
④大切な人を失うとなぜ苦しくなるのか
⑤死別後の反応(身体面・感情面・認知面・行動面・スピリチュアルな面)
などのお話がありました。

その後ブレイクルーム、3~4人ずつの小部屋に分かれて対話がありました。

【問い1】大切な誰かを失った経験、そのことについて今気になっていることは?(20分)

はじめてお逢いする方々と、このような重いテーマについて語ることについて「大丈夫だろうか?」という不安がありました。4人部屋だったのですがはじまって数秒は無言で顔を見合わせる時間が流れました。他の3人の方がどのような方々なのかわからなかったけれど、初参加にも関わらず私から口火を切らせていただきました。オンライン対話の場に慣れているので、「出番」のような気がしたからです。

自己紹介をし合ってから、【問い】に沿ってお互いに気になっていることを出し合いました。みなさんもきっと、恐る恐るだったと思います。言葉を選びながら大切な話をしてくださいました。そこではじめて、「大切な人をなくしてから数年経過しても、まだ癒されない感情」がそこにあることを知りました。

これまでの人生ではじめて聴いたと思います。

いや・・・どなたかのこのような話を聴いていたのかもしれません。

でも、聴いていなかったことに気がついてかなりの衝撃を受けました。

これまで私は何をしていたのか?
それは、その悲しんでいる方を慰めようと必死で言葉を紡いでいたのです。
「これまで◎◎年間あなたはよくやってきたじゃないですか」
「○○さんもきっと喜んでいますよ」
「大丈夫ですよ。きっと天国でおくさまに会ってらっしゃると思いますよ」
・・・などなど言葉を尽くしていたのです。

それって

その人の感情を受け止めてなかった・・・

「わかってますよ」「あなたのしてきたことはよく知ってます」

そんな言葉が欲しいのではないのですね。


【問い2】その大切な誰か(何か)は、今のあなたにどのようなメッセージを送ると感じますか?

この問いも先ほどの方々と同じお部屋で対話しました。一回目の対話で少し緊張がほぐれていたので、今回はもっと深く対話することができました。

ひとりひとりが、心の中でロールプレイしたことを教えてくださいました。そのことによって、その方も「その体験」を通して前に進むことができたような晴れやかな顔をされていました。

『大切な人とのつながりを、自分の人生の一部として共に生きていくこと』
                 

と小澤さんが教えてくださいました。
『時間が解決するとは限らない。「人薬(ひとぐすり)」が必要である。継続性を持って誰かと関わり、つながりを感じられることがレジリエンス(折れない心)を強める上で大切である。』とも・・・

私は、今回の対話会にはじめて参加しました。
そして小澤さんと共に、ブレイクルームで出逢った3人の方々にとても感謝しています。大切なお話を場に提供してくださってありがとうございました。おかげでとても深く深く心に沁みました。

小澤竹俊さんはたくさんの本を出版されているんですね。

こういう活動もされているのです。全貌はまだよくわかっていませんが、とても大切な活動を継続されているようです。

私が参加した「新型コロナ・ショックに備えて最強のチームを作ろう~Vol.5」の続きのイベントはこちらです。次回も参加します。


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