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「ボン・ヴォヤージュ(bon voyage)」「よき航海をゆけ」

2012年6月30日に東京大学の伊藤謝恩ホールにて、瀧本さんが300人の10代・20代を集めて行った「伝説の東大講義」第六檄「よき航海をゆけ」の中で、瀧本哲史さんが紹介してくださった
「ボン・ヴォヤージュ(bon voyage)」

僕はこの挨拶がけっこう好きなんですね。
 これはフランス語で「よき航海をゆけ」という意味で、見送りの際なんかに交わされるんですけど、もともとは船長同士の挨拶になります。
 自分の船を持っている船長っていうのは、リスクを自ら取っている人で、意思決定者なんです。航海において意思決定をする立場にない船員は、「ボン・ヴォヤージュ」って挨拶は、しないんですね。
 (中略)
「俺たちはお互いに自分の判断でリスクを取っている」ということに対する敬意があるから、余計なことは言わずに、ただ「よき航海を」なんです。
 そういう、自立した人間たちの挨拶だってことを覚えておいてほしくてですね、今日この場が何かのきっかけとなって変わる人もいるし、変わらない人もいるでしょう。それはわからないですけど、このなかから少しでも自分がやれることをやって、世の中を変えてくれる人がいたらいいかなと。
 結局、2時間以上も話してきましたけど、「君はどうするの?」って話です。主人公は誰か他の人なんかじゃなくてあなた自身なんだよ、って話です。

第六檄で瀧本さんの講義は終了です。私はこの方のことをしっかり認識していませんでした。2019年に京大の先生が若くでお亡くなりになったというニュースは見ていましたが、それがこんなに熱い想いにあふれた方だったとはまったく知らなかったのです。日本の若者の中で何パーセントの人が「船長」になろうと思っているのでしょう。「君はどうするの?」って問われて、瀧本さんが求めているものを答えられる人は何パーセントくらいいるのでしょう?自らのことを意思決定できる大人は何パーセントいるのでしょう?教育改革が進んで、世の中に対話が浸透して・・・若いリーダー達が次々に立ち上がり続ける社会になっていってほしいです。

私は、やっといま「なにかやらなきゃ!何ができるだろうか?」と広い視点から物事を捉え直そうとしています。

僕は日本の未来に期待したい
  ただ、みなさん自身が今いる場所で、ちょっとだけでも変えられることがあるんじゃないかと。自分が興味あることをトライアンドエラーでやってみたり、自分が正しいと思うことを選択してみたり。
 それをネットワークで広げていけば、少し長い時間はかかるかもしれませんけど、たぶん社会は変えていけるんじゃないかと思うんですね。

瀧本さんが、10代20代の若者向けに話した講義でした。でも50代の私にもパワーを運んできてくださいました。

きっと何か自分のテーマを見つけて、世の中をちょっと変えることはできるんじゃないかと僕は思っております。
 なので、2020年の6月30日までに、やはり何かやりましょう。僕もそれまでに何かやりますので、みんなで答え合わせをしましょう。

「Do Your Homework」2020年6月30日に、またここで会いましょう。

そう言って講義を終了した瀧本さんは昨年(2019年)お亡くなりになってしまいました。その答え合わせの日に、編集者の柿内芳文さんが企画して実行してくださった #瀧本宿題プロジェクトこの出逢いは衝撃でした。おかげで、瀧本さんが残したものに想いを馳せることができました。

私は瀧本さんから武器を受け取りました。私のなかで「武器」はまだ形になっていないけれど、受け取ったことだけは事実です。50代の私、これまで生きてきた私の経験は自分だけの財産です。私だからできること、私にしかできないことを形にしていきたいと思っています。死後の世界がどうなっているのかわからないけれど、瀧本さんにお逢いして、2020年6月30日にあなたに出逢って心が揺さぶられました!!と言いたいです。そして、胸張って宿題の発表をします!!


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