学生トレンド研究室『LOUPE』ロゴ完成までの10週間
はじめまして、テテマーチ株式会社でデザイナーをしているひよこおじさん(@hiyoko_ojisan_)です。
先日"学生トレンド研究室『LOUPE』"のロゴを作りました↓
『LOUPE』に関しては以下の記事へどうぞ
ロゴコンセプトは"LET'S RESERCH!"。
団体ミッションは「若年層マーケを必要としている企業の方へ、質の高い情報を与える」です。
このロゴではLOUPEに所属する学生さん達が市場のトレンドをルーペ越しによーーく調べている様子を表現してみました。
制作期間はおよそ10週間(約2ヶ月)。
当記事ではこの"10週間"という期間中に、どのようなプロセスをたどってロゴ完成まで至ったのかを語りたいと思います。
--1週目:発端--
■発端
19年3月下旬、学生インターン達のボスである、ジュンコカワマタ(@tetemarche48)より
「ロゴ制作ってどれくらいの期間が必要ですか?LOUPEのロゴを作って欲しくて…」
と相談を受けたのが本プロジェクトの始まりでした。
お恥ずかしながら私は今までの業務上でサービスロゴ制作を経験した事がなかったので正確に工数を見積もれず、「う〜んまぁ(要件定義と実制作の時間合わせても)2、3週間くらいじゃないかな!!」と二つ返事したのが記憶に新しいです。
--2週目:整理--
■LOUPEの市場ポジション整理
ロゴ制作に着手するにあたり、まず壁となったのは
「LOUPE」のアイデンティティってなぁに…?
という疑問。
先週「LOUPE」という存在を知った私は、LOUPEに関して「学生が何か調べて記事書く」くらいの認識しか無く、何を目指す団体なのかすら把握していなかったため、ロゴをビジュアル化する際の取っ掛かりとして、可愛いものを作れば良いのか?カッコイイものを作れば良いのか?ポップなもの?シュッとしたもの?という方向性を整理できていませんでした。
そこでまず、世に溢れる既存の学生団体と「LOUPE」は何が違うのか?どういう価値を提供したいのか?周囲からどんなイメージを持たれたいのか?を整理して可視化することにしました。
すぐさま本件のステークホルダーである
インターンのボス:ジュンコカワマタとCD(コミュニケーションデザイン)室室長:ふくままさひろ(@fukuma1023)を招集し、既存学生団体のイメージマップから「LOUPE」が目指すイメージはここだ!という位置を明確にするワークショップを行いました。
↑キラキラした(ポップな)イメージか、マジメでかっちりしたイメージかを振り分けていく。
そしてこの作業の結果から、以下のような立ち位置が見えてきました。
この時期、まだLOUPEの具体的な活動内容が決まっていなかったということもあり、「どちらかというとマジメな印象を与えたいが、記事で扱うテーマも広く取るつもりなのでどちらかのイメージに極振りは好ましく無い。フラットなイメージを抱かせるロゴを目指す。」ということになりました。(どちらの印象にも寄せてはいけないというのは何気に難しいお題ですよね)
■ブランドアイデンティティの整理
次はLOUPEが持たんとするブランドイメージを可視化し、LOUPEに関わる全員が共通の認識を持って活動に臨めるように整理します。
ここは私がLOUPEに関わるより前にステークホルダーのお二人がテキストでまとめてくれていたのでさらに細かく整理するために「ブランド・アイデンティティ・プリズム」というフレームワークを拝借し(少し改変した)、可視化しました↓
ここまで整理した情報を元に、次はいよいよロゴの具体的なイメージを固めていきます。
--3〜4週目:ラフ--
■ラフ出し
プロジェクトが始動してすでに3週間経ってしまいましたが、ようやくロゴの具体的なビジュアルを固めていく段階に入りました。
整理した情報からおもいつくままに様々な造形を描き出していきます。
ちなみに使用したツールはiPadProとApplePencil、アプリはProcreateです。
「LOUPE」の主役は「学生」になるため、えんぴつ、大学帽、羽ペン等のモチーフがちらほら見えますね。
当初は無造作に描いていったラフたちでしたが、モチーフの持つイメージごとにわける作業も並行して行いました。
■絞りにかける
次はラフ状態のロゴたちをモチーフの性格グループごとにリスト化し、具体的なビジュアルに落とし込む候補ロゴたちを選定します。
「私はこれが好きです」「これLOUPE感ある」「これ"るーぺ"って読めへん」「これイカ?」…
壮絶な会議の末、選ばれたのがこちらのモチーフたち↓
・ルーペモチーフで一つ
・電球モチーフで一つ
・おめめモチーフで一つ
・羽ペンモチーフで一つ
次はこのモチーフをビジュアル化し、いよいよ正式採用のロゴを決める段階に入るわけですが、次のロゴ選定では、社員、インターン生全体を巻き込んでロゴ総選挙をしよう!という話になりました。
この団体に直接関係のない社員さん達にも関心を持ってもらい、本プロジェクトを自分ごと化してもらおうという意図で発案しましたが、単純に私がイベント好きなだけでもあります。
--5〜6週目:ビジュアル化--
■ビジュアル化
上記で決まったモチーフたちを元に、ビジュアルを作り込んだ結果、以下のロゴ候補たちが出来上がりました。
初めてこのロゴを見る人にもロゴコンセプトが伝わりやすいよう、グッズ展開のイメージやディスプレイ使用のイメージも添えたコンセプトボードを作成しています↓
--7〜8週目:総選挙--
■社内発表〜ロゴ総選挙
5月某日、全社共有の場にて、今回のロゴ制作プロジェクトの軌跡と各ロゴたちのコンセプト説明を行うとともに、総選挙の開幕も宣言しました。
ロゴ総選挙のルールは以下の通りです。
・期間は1週間。
・一人2票をもち、イチオシとニオシに投票する。
・イチオシには5ポイント、ニオシには2ポイント加算される。
・ポイント数1位のロゴを正式採用!
この社内発表の翌日には各ロゴのコンセプトボードたちをプリントアウトし、オフィス内の目につく位置に張り出しを行いました。
張り出しの前ではプチデザイン会議が行われることも…
ちなみに投票にはグーグルフォームを使用しています。
シールでのリアルタイム投票も検討しましたが、投票数が可視化されることで「みんなが入れてるなら私もこっちに…」というバイアスがかかってしまうことを防ぐため、今回は不採用としました。
そして1週間の投票期間を経て見事正式採用となったのがおめめモチーフの「LET'S RESERCH!」です。
--9〜10週目:完成--
■完成!!
見事総選挙を勝ち抜いたロゴ案の細部を詰め、最終的に出来上がったものがこちら。
おめめとルーペのモチーフを併用することで、かわいさの中にまじめさを担保しつつ、学生たちが調査に励む様子も演出できたかなと思います。
「LOUPE」というテキスト部分は、当初角ばったフォントを採用していましたが、ルーペの持ち手に合わせて丸みをつけ、親しみやすいデザインへ調整しました。
■VI資料の展開
ロゴの完成と同時にVI資料も作成し、社内展開しました。
一部チラ見せ♡↓
おわりに
今後は、ルーペくん(私が勝手にそう呼んでいる)の誕生によりLOUPEの活動がますます促進されることを期待しています!
ルーペくんがネット上、ひいては日本中、ひいては世界中の至るところでお目にかかれる日が来るといいなぁ。
そしてルーペくんがさらに皆様に愛されるロゴとなるよう、グッズ展開なんかも企んでいたりするので乞うご期待です。(とりあえずステッカーは早めに作りたい)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
本プロジェクトに関わっていただいたすべての人へ感謝申し上げると共に、本記事を締めさせていただきます。