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【質問】退職勧奨を断ると配置転換させられる?

こんにちは、ひこよです。

今回は実際に退職勧奨をされている最中の方から、ご質問がきましたので、回答させて頂きます。

(質問内容)

現在退職勧奨を受けています。複数回面談をされましたが、明確に断りました。すると上司から、「会社は厳しい状況なので、人事も厳しくなる」「辞めなかった場合は配置転換や降格もありえる」と示唆されました。本当にそのような事がおこるのでしょうか。

(解答)

そもそも配置転換や降格が合理的な判断に基づいて行われるのであれば、これまでと何も変わらないはずです。
逆に「それがなされていなかった、これからはやるぞ」ということであれば、「今まで会社としての人事管理能力が低かったです」と言ってるようなものです。
狙いとしては、残ったら不利益になる事を示唆して、退職の決断をさせたいという事だと思います。
実際に降格や配置転換が退職勧奨を断ったからという理由で行われ、客観的かつ合理的な判断ではなかった場合、「人事権の濫用」となり、無効になる可能性が高くなります。

(判例)

リコーは2014年7月19日、退職勧奨を拒んだために子会社に出向させた社員への出向命令を取り消す方針を明らかにした。出向した一部の社員が命令の無効確認などを求めて提訴し、このうち技術職だった男性社員2人について18日、実績や能力を生かせる職場に8月1日付で異動させるとの内容の和解が東京高裁で成立した。リコーはこれを受け、同時期に出向命令を出した社員の配置も見直すことにした。リコーは2011年5月、グループ従業員約1万人の削減を発表。希望退職を募り、退職勧奨に応じなかった社員に子会社への出向を命じた。男性社員2人が起こした訴訟では、東京地裁が13年11月、「人事権の乱用」と認定し、出向命令は無効とする判決を出した。リコーは控訴したが、18日に和解に応じた。           出典:日本経済新聞

この判例は、

①子会社に出向させられた社員の人選に合理性がなく、退職勧奨を断ったから選ばれたと考えるのが相当である

②これまで一貫してデスクワークをしてきた社員を机のない立ち仕事や単純作業に従事させることは、キャリアや年齢への配慮がなく、身体的にも精神的にも負担が大きい

という理由で人事権の濫用として出向が無効になったケースです。

(結論)

まともな会社であれば、退職勧奨を断った社員に対して、合理的な理由もなしに、降格させたり、配置転換をさせられることはないと思います。

(現在はリコーが希望退職を実施した時よりも、このあたりのコンプライアンス意識は高くなっています)

しかし、企業側も必死ですので訴訟覚悟で実施してくる可能性も0ではありません。

最後は、自己判断になりますが、企業サイドの考え方や実際の判例などを知った上で判断する事が重要だと思います。

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