退職勧奨してくる上司の本音
こんにちは。ひよこです。
今回は退職勧奨をしてくる上司の本音を書きたいと思います。
希望退職が発表されると、大抵は上司との面談が設定されます。面談の内容は下記の3パターンになります。
①希望退職に応募せず、今後も当社で活躍して欲しい
②希望退職に応募するかどうかはあなた自身でよく考えて欲しい
③希望退職に応募して退職して欲しい
この③の面談が退職勧奨です。
これまで優しかった上司が突然、人が変わったように信じられない言葉を投げかけてきます。
「あなたは今後活躍する見込みがない」
「希望退職に応募して新しい道を探してくれ」
「今後会社に貢献できると思っているのか」
などです。
会社や上司の為に一生懸命働いてきたのに、こんな事を言われると頭にきますよね。今まで尊敬していたはずの上司の事が一瞬で嫌いになるかもしれません。
自分が突然会社から戦力外通告されるわけですから、頭に血が上って当然ですが、一度冷静に上司側の立場に立って考えてみたいと思います。
本音は退職勧奨などしたくない
結論から申し上げると、上司は退職勧奨などしたくありません。むしろこれからもいい関係で部下と一緒に働いていきたいと思っています。
ではなぜ退職勧奨をしてくるか?それは強制的に会社からやらされているからです。
希望退職の実施が決まると、人事部と各事業部門の本部長クラスで希望退職制度の設計を行います。
制度設計の内容は多岐に渡るので、詳しくは別の機会にお伝えしますが、退職勧奨に関わる内容は以下の通りです。
・退職勧奨は誰が実施するか(部長?課長?人事?)
・誰を退職勧奨するか(ABCの三段階評価に分類)
・どのような内容で退職勧奨をするか(コンサル会社から研修をうける)
・退職勧奨を断った場合どうするか(配置転換など)
退職勧奨をする上司が決めている事は一つもないのです。人事と本部長クラスが決めた事をやらされているだけです。
誰に退職勧奨をするかという人選にすら関わっていないケースが大半です。
当然、突然退職勧奨をしろと言われても、納得がいかない上司もたくさんいます。
ただし、そうした反発をしたところで、更にその上の上司や、場合によっては役員や社長クラスが出てきて説得します。
「希望退職は会社が潰れるか、生き残るかの重大な施策である。その成功は君たちにかかっている」
「君たちは経営の立場である。したがってこの施策のやり切ってもらいたい」
「もし、やりたくないのであれば、すぐに今の役割から降りた方が良い」
「個人的な感情は持ち込むな。会社の代行としてビジネスライクに淡々と取り組むように」
「退職勧奨は100%やりきれ!できなければ会社が潰れると思え」
こうした話を延々と聞かされるので、会社全体としてこの厳しい施策をやり切らなければならないという意識がいつの間にか醸成されます。
希望退職が終われば元どおり
ある意味希望退職期間はドーピングを打たれたように、上司は使命を全うするようにしむけられるので、期間が終われば元どおりに戻ります。
退職勧奨をしなければいけない人数が割り振られていて、そのうち何割と退職合意できたが重要なのです。
70%以上:よくできました
50%〜60%:合格
40%以下:部長失格
といった感じです。
したがって、退職勧奨をしてくる上司にとっての評価は合意率ですので、たとえあなた個人と合意できなくても、全体として70%いっていれば満足な訳です。
そして、当然希望退職の期間が終了すれば、部下とのいい関係を継続したいと思うので、何事もなかったかのように元どおりなわけです。
まとめ
信頼していた上司に退職勧奨をされると、上司から嫌われたと思い退職せざるを得ないと感じる方も多いかもしれませんが、上司の状況を理解できるとまた違った判断になるかもしれません。
こうした裏側を知った上で、ご自身のキャリアにとって有益な選択をしていただく事が重要だと思います。