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第一子出産の思い出

コロナ禍での出産のため夫がほぼ生まれる瞬間にしか立ち会えませんでした。
夫にどんな状況だったか知ってもらうために書きましたが、勿体ないので公開してみます。


前提


・31歳初マタ、37w3dで出産。 
・自然分娩(無痛やってなかった…)
・破水から6時間、分娩開始から3時間未満で出産しました。
・32wで切迫早産になり自宅安静。
・前日に3.5km、破水当日に2.5km歩いた。
・お産はひとそれぞれなのでこんな人もいるんだな、程度に読んでください。


前期破水からのスタート

23:50頃
日付が変わる直前にお腹の下の方で「ばこん!」とテニスの打球音のような軽い破裂音と空気が弾けるような感触がする。遅れて少量の水がさらさら流れる感覚がある。
二日前くらいから急激におりものが増えたのもあり(これが後におしるしだったことがわかる)、3ccの尿漏れパッドをつけていたがすぐに取り替えなければいけないレベルになったため破水と確信、病院に電話。

上記に加えて
・痛みはまだない
・水の匂いはアンモニア臭なし、色なし
であることを伝える
→初産のため尿漏れと勘違いしている可能性もあるため30分程度様子を見るように。と助産師さん①からの指導により待機

夫、この時友人夫婦の旦那さんとスマブラ対戦中で声かけるか迷ったけど明らかに破水だったので申し訳ないが中断してもらう。

0:15
生理用ナプキン(昼用)二枚を30分で消費、明らかにさらさらと水が流れ続けているので絶対におかしいと思い、再度連絡して病院へ。
夫、夕飯時に産気づかない私の様子を見て少量とはいえ久々に飲酒してしまったので車出せず、タクシー配車。
こんなに早く産気づく予定ではなかったので陣痛バッグの支度が全然出来ておらず。配車待ちの間に色々出来たのは良かったと思う。
この時に生理痛のようなほんのりとした痛みを感じる。


病院着

0:55頃
病院着、前期破水の診断で即入院。
助産師さん②に生理用ナプキンを持って行かれて恥ずかしい〜とか思っていた頃。
このあと比べ物にならない醜態を晒すのに。

「この液体かけて青くなったら破水なんだけどバッチリ青いね!このまま入院です!」
知ってた!と思いつつ、ナプキンのCMみたいだな〜とか呑気に考えられる余裕がありましたこの時は。
内診(所謂卵膜グリグリ)めちゃくちゃ痛くて半泣きでした。痛みに対する耐性がこの時はまだ低かったので、今ならもうちょっと我慢できると思う。

モニターつけて40分、緊急性はなさそうということで朝9:00まで様子を見ることに。
モニターつけてる間夫と会話出来たので落ち着けてよかった、夫は一度ここで帰宅。

1:50
支度をして陣痛室で待機。
羊水の感染症予防の薬をもらう。
この時はまだ余裕で身支度を整える元気も余裕もあった。


陣痛の始まり

2:00
じわじわ痛くなる、5m先のウォーターサーバーに向かって歩くだけで蹲るレベルに到達。
でも陣痛が最高潮の時にに比べたら痛みレベル10段階中の4くらいだと思う。

※夫とのLINE

この辺りから陣痛アプリで記録を始めるがまだ陣痛の波がよくわかってないのであんまり参考にならない感じ。

2:20
お腹の痛みが増してくるがまだ会話もLINEもできる余裕あり。
まだベビーベッド買っていなかったのでLINEでやりとりをする。おやすみ〜なんて呑気に言ってた。この後お産が爆速で進み結局全てが終わるまで眠りにつくことはなかった。

2:45頃
母子手帳見たらどうやらこの辺りから分娩開始してたっぽい

うそでしょ…


これ以降は痛すぎてもうわけわからん状態。
痛くて必死に陣痛きたかも!ボタン押しまくるマシンになってた。

でもまだツイートできる余裕はあった模様


ツイートはここで途切れている


すごく順調!と様子を見に来た助産師さん①に励まされるものの、無知すぎるのと痛すぎるのとでぜんぜん話が入ってこない。
破水したためずっと大量の羊水が出ているけれど陣痛の痛みでそんなことを気にかけていられなかった。
陣痛室には自分以外の妊婦さんがいなかったので、ベッドのリクライニングをほぼ垂直にして枕に顔面押し付けながら咆哮していた(洋式トイレで嘔吐する時の姿勢と言ったら伝わるだろうか)。
本当にうるさかったと思う ごめんなさい
横になっているよりも体を起こしている方が楽だったのでそうしていたけど、結果的にこれがいきみ逃し?となり正解だったみたいです。


息を吐くのが楽だと分かったものの、痛すぎて先に声が出るレベルに到達。
出産のダメージは交通事故に遭ったレベルとかよく聞くけど、なるほど、ここまでの痛みは本当に人生で初めてである。すごい。


陣痛中に叫んだ言葉

あーーーー(陣痛の気配を察知する)
きたきたきたきたあーーーーーー(痛みがクレッシェンドしていくと同時に声もじわじわと大きくなる)
ウォォォォォアアアアア(もう声が勝手に出る、息を吐きたいのに吐けない)
フシュウウウウウウ(ようやく息を吐き出す)
フシュウウウウウウウ!!!!!(吐き出す息にも力がこもる)

これを陣痛のたびに繰り返す地獄

叫ぶより息を吐くのが本当に大事だと分かっているのに声が出る、痛すぎて尿失禁してた。
(破水用の産褥パッドに吸われていったのでシーツなどへの被害はありません)


出産後の家族LINEでの母との会話より抜粋↓

だめだった



錯乱しながらも進むお産

4:45
何かを悟り夫に一言「たすけて」のメッセージを送った形跡あり

4:59
「多分そろそろ出る」のメッセージを最後に途切れている

このあたりで急激な排泄感に襲われ、助産師さんにうんちでそうです…という申告をする



いよいよ出産へ

5:05
いよいよ出産という段階になったので夫に電話をかけて呼び出す。
しかし電話がつながった瞬間に明らかに頭突きのような、明らかに今までと違う何かが「「「出る」」」という感覚に陥る。
これいきんじゃいけないって無茶なのでは…娘頭突きしてて出てきたがってるよ…
と頭では思うものの痛みのあまりに言葉が出ない。
電話をかけたものの、どうかんばっても話せなくなり助産師さん①に電話を代わってもらった。
(後日夫から「めちゃくちゃ叫んでたね〜」と言われるが叫ばないとやっていけなかった)

連絡が終わり、助産師①さんが分娩室まで歩くよ〜と優しく言ってくれたのに「むりですぅぅぅ……いや頑張ります…(突然正気に戻る)」と手のかかる幼児みたいな受け答えばかりして本当に申し訳なかった…

予想の3倍くらい高い分娩台に乗るミッションをなんとかこなし、ここから助産師①さんがずっと同じ部屋にいてくれたので安心。…したものの、出産に向けての準備で忙しそうでなんとなく声をかけづらい。
ある程度準備が終わったかな?というところで「心細すぎて手を握っていいですか」とお願いしたの、本当に恥ずかしかったけど一人でこれに耐えているのが無理だった。
これでだいぶ気持ちが落ち着きました。忙しいのにすみません…

一息つくと助産師①さんから淡々と「剃毛します〜」と宣告される。もうどうにでもしてくれ……状態なのでされるがまま。痛みの波が来ないことだけを祈る緊張感…
祈りが届いたのか、何事もなく処理が終わってほっとしました。右手首に点滴する時に陣痛が重なって血を撒き散らしていたので本当にこの時じゃなくてよかった。(陣痛で前後不覚になっていたため出血はカンガルーケアの時に気づいた)

そしていよいよもう出そう!!!!!という状態に。
でますうううう!!!でるううう!!!!
という具体的な叫びに変わる。
旦那さん来るまで我慢するよ!とお尻を押さえてくれる助産師①さん
このあとずっとお尻の穴を抑えていて貰えたので💩出産にはならず、とても助かりました……。
しかし抑えられたことによりこのあと痔主デビュー、新たなピンチを迎えることになる。

このタイミングで助産師さん②も来てくれて、えっ、さっき入院した●●さん?!と驚かれる。


夫、到着


汗を拭いてあげよう!と意気込んできたのか私のお気に入りのムーミンのハンカチを握りしめてやって来た(ほっこり)

夫到着でいよいよいきみ開始🐚🐚🐚
今までも散々痛かったのに痛みの最高値をどんどん更新されてパニック!
頭突きされて出そうな感覚に耐えられない!
ホラー映画で悪魔に身体を乗っ取られた人みたいに仰け反ってしまいうまくいきめず。助産師さんに「お尻あげないよ!」って言われるけど痛すぎて勝手にお尻が浮いてしまう…
足もガタガタと痙攣していよいよ訳がわからない状態に。

が、いよいよ娘が降りてきて股に挟まる異物感が凄まじく、
「はさまってる!!!!もうだしたい!!!!!だしたい!!!!」
とド派手に叫んでしまう。
そしてこのタイミングで両足が攣りそうになりこの世の全ての終わりのような気持ちになる。どなたかの出産レポでも同じような事態が起きていてあるあるなんだなと思った。

この時に夫ががんばれ!とか色々応援してくれたり声かけしてくれてたんだけど、なかでも「目は瞑らないよ!」と言ってくれたのは正気に戻れたので助かりました。
目を瞑っていきむと目の周りの毛細血管がブチブチ切れて見た目がすごいことになってしまうらしい。こわい。

「声は出さない!息を吐く!」と言われるけどどうがんばっても声が出てしまう
耐えきれずにウグゥーーーーー!!!と言うたびに助産師さんから「息吐いて!!」と言われるが無理だった。

ここまできたのに取り上げてくれる先生がギリギリまできてくれなくて気が狂いそうだった。

先生到着

明け方なせいかめちゃくちゃ気だるそうな先生が到着する。
会陰切開、麻酔なしだったので普通に痛かったです。

先生「会陰切開しまーす」

わたし「はいぃ………(はやくしてくれ)」

ジョキン!!

わたし「痛い!!!!!!!」

左下に向かってジョキン!(本当にこんな音がした)とやってもらったんだけど、想像したくないがなんとなく、なんとなく尻の穴に到達している気がする……という感覚
退院した日に母から、「お姉ちゃんが会陰切開の時は息を吐くと痛くないよっていうの忘れてたって言ってたよ〜」と言われたんですけど言うタイミングどう考えても遅くないですか?

母からは他にも、会陰切開が痛かったってことはお産が軽かったんだねとも言われました。そうなのかなぁ…


産まれた

5:43
ズルン!!!!!!!という感覚とともに娘爆誕
元気な産声にほっとした。噂の胎脂もしっかりついてる。
挟まっていたものもなくなり、このこがお腹の中で動いていたのか〜!このこが私のあかちゃん!!という感慨に浸りたい…がまだお腹の中に違和感。(胎盤が残っているため)

処置のために娘はすぐ連れて行かれ、立ち合いの夫も一度退室に。
突然一人になったので会陰切開した痛みと胎盤の違和感に気持ちを持っていかれそうになるが、産声が聞こえるので早くじっくり顔を見たいな〜とぼんやり思う。あともう足の痙攣が止まらなかった。

先生がお腹を押しながらずるりと胎盤を引き摺り出した感覚と痛みあり。胎盤が剥がれた痛みだったんだろうなぁ。お腹の違和感がなくなってすっきりはした。

無事に胎盤が出てから麻酔を打たれて縫合開始。なんだか妙に長いのガッツリ裂けたのでは?と不安になる。(後日確認したら会陰は切開したので大丈夫だったが中がちょっと裂けてたらしい。中が裂けるって……何………!!?!?)なんとなくチクチクした感覚があるし早く終わってくれ…とおもいながら処置される娘を目で追っていた。

縫合が終わってひと段落したところで、カンガルーケア開始、先生から出産の状況と結果を伝えられて先生と助産師②さんが退室。ありがとうございました。
入れ替わりに夫再入室。

産後の処置をする助産師①さんに胎盤を見せて欲しいとお願いしたところ快諾!
夫も興味津々でみようと立ち上がろうとするも助産師さんに気絶するかもしれないからと座るように促されていて笑った
胎盤、想像より大きくて平べったかったです。これが剥がれたらそりゃあしばらく血も出るよね…と納得するサイズであった。
健康な臓器は灰色っていうけど本当なんだな〜。そういえばへその緒も灰色でしたね。なんだか勝手にピンク色のイメージがあったけどそうじゃないんだな〜という学び。
娘を一緒に育ててくれてありがとうの気持ちを込めて見送った。ありがとう胎盤。


緊急事態宣言下で立ち合い、カンガルーケアでゆっくり三人で過ごせたのは本当にありがたかったです。
夫も美味しいところどりでちょっとずるいな〜と思うものの、あの錯乱状態を見せずに済んでよかったのかもしれない。

それにしても出産が壮絶すぎてあんなに苦しめられていた妊娠時のマイナートラブルが吹っ飛ぶからあんまり語られないのかな…という学びがあった。

あと母と姉(それぞれ三人産んでいる)がいつも言っていた、「痛いのなんて忘れるが次に子供産む時の陣痛で思い出して後悔する」と言う言葉については
陣痛の時点で君は一人っ子です!!ごめんね!!!と痛みに苦しみ、
産後の入院中はもうしんどすぎて二度と産めないとずっと考えて、
数ヶ月たったこれを書いているいまはもうすっかり忘れているので本当なんだな〜と実感しています。

後日、取り上げてくれた助産師①さんに再会できて先日のお詫びとお礼を伝えたのですが

わたし「錯乱状態だしうるさいしで大変ご迷惑をおかけしました…」

助産師さん「大丈夫、みんな産んだあとそう言います笑 元気そうでよかった〜」
とケロッと返されたので本当にすごい。
菩薩がそこにいた。一生忘れません。

助産師②さんにも無事に会えて同じくお詫びとお礼を伝えたら「時間が短かった分痛みがギュッッと凝縮されたからね〜大丈夫だよ〜!」と言われてこちらも女神かな?と思った。



今回の教訓

・産後の便秘は地獄を見るので可能なら酸化マグネシウムなどを予め処方してもらうなどする

・産後はとにかく水をひたすら飲む(便秘対策と母乳のため)

・自家用車で病院に行く予定のご夫婦は産気づいてなくても臨月の飲酒は控える

・陣痛バッグははやめに用意する

・会陰切開の時は息を吐くと痛くないらしい


コロナ禍における一人での分娩で困ったことなど


・助産師さんたちが常に近くにいる訳ではないないので痛いのに心細い。ぬいぐるみとかタオルとか何か握りしめるものがあるといいです。でも夫に錯乱状態を見せずに済んだのはよかった。

・ペットボトルのお水!!!お産がすすむととにかく余裕がないので必ず陣痛バッグに入れて、真っ先に手が届くところに用意しておいたほうがいい。最初に飲んだ羊水の感染症対策の薬以降水を全然飲めなかったので干からびた。
ナースコールすればよかったのかもしれないけれどお産がマッハだったのでそんなお願いをすることすらできませんでしたね…

・陣痛バッグに換えのマスク入れておく。気付いたらお尻の下でぐしゃぐしゃになっていたりする。

・でもマスク本当に息苦しい。苦しい時はちゃんと申告する。酸素マスクをつけてもらえた。

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