カウンセリングの中断

ずっと苦しさはあった。
けれど、頑張って通い続けた。
今、あまりにもしんどすぎてどうしたらいいのかわからない。


「1個1個やっていこう」とどこか遠い世界から聞こえる先生の声。
絶望がピークに達していた。
それ以上、先生の言葉は耳に入ってこない。
心に響かない。
心はどこかの箱の中に入ってしまった。


対話の中で、どんな気持ちになったかと先生に問われる。
本当に『わからない』
わからないことは、答えようがなかった。


でもこれでも一応おとなの自覚があるので、それっぽい言葉を適当に並べてしまう。
口から出たものは実体を伴わず、ただ上滑りしていくだけだった。


セッションが終わり家に帰ると、先生からメールが入っていた。
届いた時間を見れば3時間前。
なにかの事務連絡だと、そこに何の感情もなく開封する。
そのメールには、今日の様子が気になったこと、そして方法のひとつとしてカウンセリングを一旦休止し、休養を優先する選択もあるとの提案の旨が書かれていた。


少し考えさせてほしいと伝える。
一週間考えた。
色々な考えや気持ちが出てきた。
次の予約まではあと一週間。
あと一週間耐えれば、先生との対話で思いを吐けるのかもしれない。
でももうその日まで抱え続けるのは無理だった。
とっくに限界だった。
もしも一週間後先生に会えたとしても、50分という短い時間で話し切れるだろうか。
まだ話したいことがあるのに、もやもやしたまま終わるかもしれない。
おまけにわたしの中からでてきたものは、何ひとつ建設的な内容ではなかった。


メールを開き、返信ボタンを押す。
カウンセリングを休みたいと伝えた。
9月に入れていた予約日よりも早く病院を受診し、薬の処方を増やしてもらった。

頑張って取り組めばすぐにどうにかなる問題ではないことは知っていた。
でも、想像していたよりもずっとずっと大きな、おどろおどろしく果てしない混沌。


この山を越えればどこかにたどり着くのだと必死に登っていたけれど、
気付けばあたりは砂漠の中で、どちらに進めばいいのか、方角もわからずに一人でポツンと立っていた。
深い砂に足元を取られ歩くこともままならない。


体も心も、空っぽだ。
なのに、こんなにも苦しい。
空っぽのはずなのに、こんなにも体が重い。


8月2日 0:38

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