#1 うつ病患者が心理療法のひとつであるスキーマ療法をはじめた
心理療法のひとつである、スキーマ療法をはじめた。
私は20代のうつ病患者だ。
これはとても個人的な記録である。
心理療法の中でも「認知行動療法」は、比較的広く知られているかと思う。だが「スキーマ療法」は一般人にはあまり知られていないだろう。
私が「スキーマ療法」を知ったのは、精神療法や心理療法について調べていたときだった。薬物療法だけやっていても根本的な解決にはならないとずっと思っていた私は、認知行動療法に興味があった。
そう、きっかけは、そこだった。
伊藤絵美さんというカウンセラーさんの本に出会った。
どうやら伊藤絵美さんは日本において、私がこれからはじめることとなる「スキーマ療法」のトップにいらっしゃる女性のようだ。
「スキーマ療法」は簡単に言うと、認知行動療法をベースに、さらにステップアップしたものだ。
認知行動療法では、日々のストレス体験など表層を扱うのに対し、スキーマ療法では、その人の生きづらさのもとになっている価値観など、「核」の部分を扱う。
カウンセラーは「良い養育者」として、患者に対してより温かな関係づくりが求められる。
認知行動療法でさえ、ちゃんと勉強しているカウンセラーは少ないので、日本ではまだまだ最先端の分野だと思う。
そんな伊藤絵美さんの本との出会いが「スキーマ療法」という治療法の存在を知るきっかけになった。
(彼女の「セルフケアの道具箱」という本がとても良い。やさしい内容なので一般人でもすぐに理解できる。まだ読んだことのない人は読んでみてほしい。)
それから月日は流れ、もがき苦しみながらも、スキーマ療法ができるカウンセリングオフィスを偶然、人から紹介していただいた。
私がオフィスのドアを叩き、カウンセラーの先生と最初に出会ったのは今から2ヶ月前。
2022年の2月1日。
当時の私はうつ症状が重く、顔から表情は抜け落ち、声は小さく俯きながら先生の話をただ聞いているのがやっとという状態の"ゾンビ"だった。
心理療法を受ける人は基本的に、発信するような元気のない人ばかりだ。だから、患者の考えや気持ち、カウンセリングを受けてどのような変化が起こるのかを発信することでどこかの誰かの役に立ったら嬉しい。
私は無気力でめんどくさがりなので、こうしてネットに公開して、だれか読んでくれている人がいるかもと思わないと言語化できないのだ。
だから、今ひとりでもこのnoteを読んでくれている人がいるのなら、それだけでもう、すごくすごく嬉しい。
あなたに心からありがとうと言いたい。
たとえこのnoteを読む人がいなくても、日記感覚で記録したいのだ。なぜならせっかくお金と時間を使うのだから、カウンセリングで沢山のことを吸収したい。そのためにこうして治療経過やカウンセリングで感じた気持ちを、残そうと思う。
私による私のための記録。
だが、先に言っておきたい。
もしもあなたが精神的に余裕のない状況ならば、このnoteをそっと閉じてほしい。私と一緒に苦しくなってしまうかもしれないから。色々な辛い気持ちが、喚起されてしまうかもしれないから。
このnoteはどちらかと言うと精神科医やカウンセラーなど、治療をする人、研究する人、大学で心理学などを勉強する人に読んでほしいかもしれない。
でも特定の人に限定しているわけではない。
読むか読まないかは、
あなたの自由だということ。
どうか、心に留めて自分を大切にしてあげてほしい。
まずnoteを投稿するにあたって「マイルール」を決めよう。
①何においてもまずはカウンセリングが最優先
少しでも支障が出るようならば直ちにnoteを辞めること。
②無理に書こうとしないこと
気持ちが向いたときだけ書く。だから期限も回数も決めない。1回で終わってしまってもいいのだ。
③嘘は書かないこと
自分の気持ちと違うことを書いたら、それはフィクションになってしまう。私のための記録だからそこを間違えないようにする。
さあ、何から書こうか。
まずはカウンセリングという治療法に対して思っていることを書こう。
私は心理学に興味はあるけれど、治療者にはなれないと思う。なぜなら心の消耗が激しいからだ。相手に感情移入しすぎてしまうだろうし、患者と一緒にしんどくなってしまうだろう。
本当に、カウンセラーという職業に就いている方には尊敬しかない。
カウンセラーだって一人の人間だ。
きっと嫌なこともあるし、疲れて人の話なんか聞きたくないときだってあるだろう。
それでも、だれかのために耳を傾け、伴走し、患者の心が軽くなるように教え導いていく。
魚が取れないと泣く子どもに、魚を釣って与えながら、同時に魚の釣り方を教えてあげるのだ。(そう解釈しているが私は一般人なのでこの理解は正しくないかもしれない)
このカウンセラーという仕事こそ、AIには代替できない仕事だろう。
どれほどの技術が必要だろうか。たくさん勉強して、知識と経験を積み重ねていくのだろう。
本当にすごい。
とは言え、このnoteを読んでくれるような人ならわかると思うが、精神科医もカウンセラーも本当に相性なのだ。
今から少し医者の悪口を言うが、読み飛ばしてもらってかまわない。
偏見だらけの発言をしてしまうが、医者に対してトラウマがある人の戯言だと思ってどうか許してほしい。
私は、これまで何人もの精神科医と話をしてきた。
総じて、人の心もわからない最低な人たちばかりだった。心が弱っているにも関わらず、そんな患者が真っ先に頼る医者という存在は、いとも容易く人の心を踏みにじるのだ。
医者には、論理と情緒のバランスが取れていない人が多いと感じる。
勉強ができて論理的だけれど、まるでロボットのように冷たく冷酷なのだ。色んな科のある専門医の中でも、精神科医は言葉を選ばずに言うとウンチだ。
もちろん、中には素晴らしい精神科医もいるだろう。けれどその割合はびっくりするほど少ない。特にクリニックの母数が少ない田舎はそうだ。医療格差を実感するが、本質的には都会も田舎も変わらないのかもしれないと最近は思う。今まで出会ってきた数々の精神科医の愚痴を話し出したら、きっと永遠に語れてしまうだろう。
今、心が疲れてしまって精神科や心療内科にかかろうとしている人がいたら「お願いだから行かないで」と言いたくなってしまう。
でも、うつ病も立派な精神疾患なのだ。
薬物療法というのはとても効果的だと、患者である私は思っている。(ちなみに飲んでいる薬の名前はレクサプロという抗うつ薬だ。副作用が少なく効果も比較的高いので私には合っている)
薬を飲んでいるのといないのでは全然違うから。
だから、嫌な医者を頼らざるを得ない。
もう仕方がないから医者は薬を処方するだけのロボットだと思って、医者の言うことなんか右から左へ流して上から目線で利用してやったらいいと思う。変に「先生の言うことだから」と真面目に捉えてしまっては苦しくなる。
自分を傷つけてくる医者からはすぐに逃げた方がいい。本当に命に関わる。
そして、少しでもマシな医者を見つけよう。
「ドクターショッピング」なんて揶揄されようがかまわない。今かかっている先生に内緒で、同時並行で別の病院をセカンドオピニオンとして探すのもOKだ。許可なんて取らなくていい。主治医にもセカンドオピニオンにも内緒でいいのだ。
とにかく色んな病院を回ってみよう。数ヶ月待ちなんてこともざらにあるので、初診の予約は早めに入れよう。
(ここで、このnoteを読んでくれている方に向けてこっそりと裏技を紹介したい)
実は、病院という機関は「来た患者を拒めない」という決まりがある。精神科や心療内科などのクリニックは基本的に予約制だが、飛び込みで行ったら患者を受け入れざるを得ないのだ。
待合室で少し待つことになるかもしれないが、必ず診てくれるだろう。だから、本当に切羽詰まったギリギリの状態ならば、予約も電話もせずに近くの病院に飛び込んでほしい。
他人に迷惑をかけることを心配してはダメだ。
大丈夫だから。
自分を優先してすぐに受診して、薬を処方してもらってほしい。
これで薬物療法はクリアだ。
そして、自分の気持ちに寄り添ってくれる人は別のところで見つけよう。
カウンセラーやネット上の人、本や動物などだ。誰でもいい。精神科医だけは期待しない方がいいだろう。
最近はオンラインカウンセリングというサービスがある。「cotree」などがそうだ。たくさんのカウンセラーが在籍しているサービスから、自分に合う人を探すのもいいかもしれない。追記:こうしたサービスは信用できないカウンセラーも混じっているようで、良くない評判もある。
どうしてもオンラインでという場合、質が保証されたカウンセラーを探すには「臨床心理士」と検索してヒットした人と話すのがおすすめだ。
あなたが学生ならば、ぜひ学生相談室に行ってスクールカウンセラーに会ってみよう。
さて、医者の悪口はこの辺にしてカウンセラーに話をもどそう。
実は、現在のカウンセラーに会う前に4人ほどのカウンセラーに会ったことがある。だがこちらも自分とは相性が合わず、数回でやめてしまい続かなかった。
だから「この人と一緒に治療に取り組みたい」と思えたのは、今のカウンセラーさんが初めてなのだ。
カウンセラーも、本当にご縁と相性なのだ。私は運がよかったと思う。
今のカウンセラーさんと出会えたことに、心から感謝している。
難しい職業だからこそ、カウンセリングで効果を発揮できるか、患者に良い作用をもたらすか否か、全てはカウンセラーの技量にかかっていると言っても過言ではない。
心理士の資格を持っているからと言って、カウンセラーとしての資質があるかは関係ない。
日々自己研鑽に励み、
様々な本を読んで勉強し、
患者に真摯に向き合う心があり、
だれかの役に立ちたいと思っていて、
患者の気持ちをキャッチできるセンスと、バランス感覚を持っていて、
対話そのものを楽しむことができる大らかさを備えており、
患者だけではなく自分自身とも向き合える精神性の高さがあり、
自分を大切にできる人。
誠実な人だけが、本当のカウンセラーなのだと思う。
ここで、私のカウンセラーの先生の呼び名を決めようと思う。先生は、ぱっと見、女優さんのようにお顔立ちの整ったとても綺麗な女性だ。
それと同時に透明感があり、ヨーロッパの絵本に出てくる妖精のような少年少女のような、健康的で可愛らしい雰囲気もどこかに感じられる。「ジビュレ・フォン・オルファース」や「エルサ・ベスコフ」の絵本を読んだときと近しいものを感じる。
安心してリラックスできる、太陽がふりそそぐ深くて濃い森の、緑の木々のように穏やかな空気をまとっているのだ。
おまけにセンスも良い。
髪型も服装も、洗練されていておしゃれだ。無印良品の店員さんだったとしても納得してしまうだろうし、雑誌「&premium」に出てきそうでもある。
そしてお肌が白くてピカピカだ。
なので
「しろ先生」と呼ぶことにする。普段はシンプルに「先生」とだけ言おうと思う。
まだ会った回数もあまり多くはなくこの印象はあくまでも現時点のものなので、今後変わっていくかもしれない。
精神科や心をケアするという領域は、欧米諸国に比べ日本は遅れをとっている。
私の視点から精神医療を見ていても、まだまだ、日本は黎明期なのだと思う。
もっと医療や制度や福祉や教育が充実して、「心をケアする」ということが誰もにとって身近になるように、気軽になってくれたらいいなと思う。
そして多くの人が、心安らかに過ごせる社会になってほしい。
毎日つらくて死にたくなってしまう。
けれど私は、先生と出会えた。
ゆっくりと治療に取り組んでいきたいと思う。
その中で感じたことをつらつらと書き連ねていきたい。
今日の一曲。
YOASOBIのボーカル幾田りらちゃんの「Answer」
彼女のクリスタルボイスは
高い山の頂上で歌うように朗々としていて、素直に、まっすぐに、わたしの胸に届く。