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リケジョという言葉がなくなる日を願って “Calling rikejo” 【ポッドキャスト台本紹介】
ひよっこ研究者のさばいばる日記というポッドキャスト番組を運営しています、はちです。本業は研究者(大学勤務)です。
普段から、「女性研究者」を押し出すような、あえてのテーマはしなくてもいいかもと思っていましたが、思うところはたくさんあります。
ポッドキャストをはじめて、8ヶ月くらい、2月になりました。
2月はある国際デーがあります!これはいい機会だと思い、リケジョに関するエピソードを作りました。
2/11 科学における女性と女児の国際デー
International Day of Women and Girls in Science
本編はこちら
いつも通り、収録の際にみていた台本を紹介します。
ちー:Sante! 大きい動物の研究しているちーと、
はち:小さい動物の研究しているはちです。
この番組では、研究者として、ひよっこ教員として、はたまた普通の?アラサー女として、日々奮闘中の2人のリアルな会話をお届けします。
ちー:
みなさん、2月11日はなんの日かご存知でしょうか?
この日は、International Day of Women and Girls in Science
科学における女性と女児の国際デーです!
ということで、女性研究者として、思っていることをお話ししたいと思います!
はち:
私たちアラサー世代だと、いつもリケジョって呼ばれて生きてきた気がします。
私は、中学生の頃、リケジョって言葉を聞いて、理系に行ってもいいんだって思った!背中を推してくれた言葉なので、とても感謝している。
でも、今現在は、この言葉をなるべく使わないようにしている。
それは、わざわざ女性であることを言わなくていいと思っているので。
リケジョって言葉には、今呪いがかかっている気がしてしまう。
女性「だけど」理系でもいいって言われているような。
女性の研究者が増えたら、こんな言葉必要なくなるはず。
ちー:
今回は、研究者になりたい、理系を目指したい女性に対して、
一緒に頑張ろうっていう気持ちを共有したいのと、
女性研究者として生きてきてはいるので、アドバイスというか、
サバイバル術を、伝授できたらと思うんだよね。
はち: 私たち結構うまくやっている方だと思うから(笑)
今回のtake-home messageは 賢く振る舞って行きましょう〜!
まずね、個人的な話をしたいけど、私は今までの研究人生で女性だからで、不利益を感じたことはほとんどない。
思い出せたことが3つだけあって、
同世代に女性がほとんどいなかったから、出張行く時に友達と一緒にホテルとって、同室で泊まるっていう節約ができなかった。
学会に行くたびに、変な"おじさん"がいて、ちょっとだけだるい。
ポスター発表で後輩なのに、めっちゃ高圧的に話聞かれる。
むしろ、名前覚えてもらえてラッキーだなって感じ。女性枠で貰えた研究費もあるかもしれないし、お金もらえたから気にする必要もないし。
ちーちゃんは?
お酌しないと
ひどいこと言われたことも…
たくさんの先輩たちによって、女性が研究者を目指しやすい環境ができてきている。そのおかげて私たちの世代では、確実に女性研究者は増えている?
今の世代になって、教員になって最近思うこと
私たちくらいの世代こそ、悪い大人を抹消するために戦わなきゃいけないんだろうなって思い始めている。今までは見過ごしてきた悪態も、それはしてはいけないって、ちゃんと伝える役割になっていこうって思っている。
学生さんとか若い人に身につけて欲しいのは、スルースキル。
早めに悟り開いて。
論文を元にもう少し語りましょう!
NATURE INDEXに掲載されている東北大学の大隈先生の記事のタイトルを、エピソードのタイトルにも載せさせていただきました。
A push for more Japanese women of science.
1 アンコンシャスバイアスがあるということを認識する
Many parents and teachers believe that girls who follow the rikejo path will have reduced job and relationship opportunities. Japanese women published an average 1.8 papers over the period, which was 38% more than men at 1.3 papers.
女性が男性より劣っているということは、絶対にない。
でも、優っているってこともない。
もう女性だから、男性だからって考えは、そもそもなくなっているのかな?どちらかといえば、今の親世代、これから親になる世代がどう振る舞っていくか次第かな〜。
2 Work-life balance
女性研究者にとっての問題って、
年齢やキャリアステージ、ライフステージごとに変わると思います。
子なし2人なので、そのへんの経験がない状態なので...
就職をしてからの子育てであれば、
めちゃくちゃ自由な働き方できるから、産休とか育児も普通の会社員よりそんなに困らない気がしてしまう。授業とかなければ、誰に許可とるでもなく、お迎えいっても大丈夫だし。
ライフステージの変化って、女性だからってだけじゃなくて、パートナーの状態と関係性によって、まじで変わると思うのですよね...
同世代や私たちより上の世代って、
ライフステージの変化と、ジョブハンティング関連が大きなところで
女性の問題となると、その時期が被ってくきたりだと思うのですが...
3 女性限定公募
female-only faculty positions
女性比率を30%にする目標を達成するためには絶対必要。無理矢理でも増やさないと、多分この国じゃ一生無理だと思う。他に増やせる方法が思いつかない。早く増やさないと、女性の教授がいないままに...
あと何かあるとさ、イベント呼ばれたり、ジェンダーについての考えをとか言われると疲れない?たくさんの女性研究者の人が、研究の時間を削って、リケジョの問題にたくさん取り組んでくれてて、リーダー的に動いてくれる方がたくさんいて、感謝しかない
悲しいけどセクハラの話もちょっとさせて。
男性の先輩や先生に聞くと、「セクハラなんて、この時代おきてないよ〜」て言われると思うけど、女性に聞いたらかなり違った意見が聞けると思う。全員が全員じゃないし、悲しい話はしたくないからって、あえて黙っている人もたくさんいると思うけど。
セクハラとかで困ったことがあったら、すぐに証拠をとって、報告。証拠をとって出せれば、もみ消されたりは、されなくなってきた方だと思う。無視されないように、うまく振る舞うことが必要。学生はまだ、結構守られてきていると思う。
ポスドクとか、常勤職員じゃない立場の時は、もう自分で自分を守るしかない。一番、弱い立場にいる。悲しいことが起きないように、予防策をできる限りすることが大事。まずは、事前の情報収集。どんなにすごい研究者でも、人としてダメな人のとこに行くのは、やめたほうがいい。自分の身は、自分で守って。覚悟持っていくならいいけど。
こんなこと本当に言いたくないけどね。それが現実なので。
男性視点だとどうなんだろう…
ポジティブなことが言えなくてすごく悔しいけど、世の中は確実にいい方向に変化していっている。そのために頑張っていこう。
いつか、アカデミア業界でもジェンダーバランスの偏りが解消されて、リケジョって言葉がなくなる未来に、願いを込めて。
ちー:リケジョに関する今回の話を聞いて、いろんな方がいろんなことを考えてくれたのではないかと思います。ぜひ、感想やお便りもお待ちしています。
TwitterやインスタのDMや#ひよけんで、なんでもお送りください!
匿名でのお便りは、概要欄にましゅまろやフォームを記載してあります。
はち:最後までお聞きいただきありがとうございます。
ちー:またお会いしましょう。
(せーの)
Au revoir! (オウ ブア!)
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