報われないよね、この感情。
なんでなんで、
この前までそんな話してなかったじゃん。
一緒にジブリの映画を見て、こういうことしたいね、ああいう世界に住みたいねって。ついこの前までそんな話題すら出てこなかったじゃん。
留学行くから送別会するからって、
いつも可愛いってほめてくれるから髪の毛も服も一軍を選び抜いて
知らない人いっぱい来るにも拘らず頑張って外出たよ
そしたら二時間後に親しそうな異性が来て、
紹介されたの、彼氏って。
叫んじゃった、心の中で。ちょっと声にも出てたと思う。
めっちゃいい人そうなの、実際すごいお似合い。
だけど付き合って17時間って。デートはいっぱいしてきたって。
私が知っているその子の物語に、急にもう一人登場人物が出てきた。
知らなかった、何も知らなかった。
それも長年友だちしているわたしよりずっと近くで過ごしてる。
こっちは収集されたいっぱいのうちの一人だから、
その子は今晩の主人公としていろんな人に気をかけないといけないから
ちゃんと立場わきまえてちょっと離れたところで初めましての人とお話してるのに
なのに、なのに
あのぽっと出のあの人はあの子の隣にいる権限を与えられている
あの子を膝にのせて、お世話する役割をもっている
心きゅってなっちゃった、ちょっと涙出ちゃった
尊いね、かわいいねって口から出しながら
わたしのほうがその子をもう何年も知っているのに
わたしのほうがその子のことが好きなはずなのに
出会って一年もたってないあの人が
その子をより深く知っているかのような言い回しをしている
あのバカは~も~、って
見せつけられている、あなたとのより高貴な仲なんですよって
それもその子の世界ではわたしはいっぱいいる友だちのうち一人にすぎない
会う回数も多くないし
友だちをしている年月が長いだけ
聞けば送別会に来てた別の人と会ってる回数のほうが多いし
彼氏になったあの人を前から知っていたみたいだし
その子の世界はどんどん広がっているんだな
こっちはけっこう深い仲だと思ってたんだけどな
なんかもうこの友情は片思いだったんだって
会うたび何かしら用意して、お菓子持っていったりして
ぜーーーーーんぶ自己満足だったんだよ
べつに見返り求めてたわけじゃないけどさ
友情一つで振り回されるなって
けっきょくどれだけお友達ごっこを頑張っても恋愛事には勝てないんだって
急に「前からもずっと隣にいましたよ?」って顔で横に居座るんだもん
それこそ同等に見られるの親友だけ
かなしいなさびしいな
わたしも恋人見つけるべきなんですかね
どうせみんなそっちに歩んでいくんだから