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【RIZIN.49】鈴木千裕vsクレベル・コイケの再戦が決定。見所と感想

2024年11月5日(火)、RIZIN.49に関する記者会見が行われた。

CEOの榊原氏は、対戦カードとして「フェザー級タイトルマッチ」、鈴木千裕vsクレベル・コイケを発表した。

今日はこのカードについて、個人的な見所と感想を書いていく。

1年半ぶりの再戦

まず、このカードは再戦である。

両者は、2023年6月23日に北海道札幌市の真駒内セキスイハイムアイスアリーナで開催された「RIZIN.43」で、一度対戦している。

しかし、この試合はクレベル・コイケの体重超過によりノーコンテストとなっている。

ただし、鈴木千裕側が試合の実施を承諾したため、試合自体は行われた。

この対戦では、クレベル・コイケが1ラウンド2分59秒に腕ひじき逆十字固めで一本勝ちをおさめている。

今回の対戦は、それ以来のおよそ1年半ぶりの再戦となる。

両選手の直近の戦績

鈴木千裕はクレベルに極められたRIZIN.43以降、パトリシオ・ピットブル、ヴガール・ケラモフ、金原正徳といった強豪を相手に連勝を重ね、フェザー級王座を2回にわたって防衛している。

対するクレベルも、RIZIN.43の復帰戦で金原正徳に敗北を喫するも、その後は斎藤裕、フアン・アーチュレッタといった元チャンピオンクラスを相手に勝利を重ね、現在二連勝中だ。

クレベルの勝利予想が多そう

今回の再戦に関しては、おそらく多くの人がクレベルの勝利を予想しているのではないかと思う。

理由は、鈴木千裕がクレベルの寝技を凌ぎ切れないと思われているからだ。

RIZIN.43はノーコンテストとなったものの、内容的には鈴木千裕の完敗に近かった。

400gの体重超過がパフォーマンスに影響している可能性も高いため、この試合を判断材料にするのは難しいが、視聴者に大きなインパクトを与えたことは事実だった。

あの試合を観た人々の多くは、

あの鈴木千裕があっさり極められてしまった。やっぱりクレベルは強すぎる

という感想を抱いたはずである。

また、鈴木千裕はクレベル戦のRIZIN.43以降に行われた三試合とも1ラウンドKOで勝利しているため、グラウンドの状況が読めないということも大きい。

鈴木千裕がどれだけグラウンドで戦えるのか?

皆んなそれがわからない。私も当然わからない。

また寝技でやられてしまうのではないかという疑念を拭い去る判断材料が、我々にはない。

だから、クレベルがまた勝つのではないかというイメージが強くなる。

鈴木千裕の「稲妻」を期待する声も

一方で、鈴木千裕の勝利を予想する声も少なくない。

その根拠はさまざまだが、大まかにまとめると、「これまでもこういう下馬評を覆して勝ってきたから」という意見が大勢を占めているようだ。

確かに、鈴木千裕はここ最近の試合において、常にアンダードッグ扱いされていた。

「クレベルに勝てなかったのに、パトリシオに勝てるわけがない」
「パトリシオにはラッキーパンチが当たっただけ」
「パワー系レスラーのケラモフは相性が悪い、きっと負ける」
「パトリシオ戦とケラモフ戦は運がよかった。総合力のある金原には勝てない」

このような意見が多かった。

しかし、鈴木千裕はこれらの下馬評をすべて覆して勝利を手にしてきた。

今回のクレベル戦もきっと同じように下馬評を覆して勝利するのではないかという意見が、SNSや格闘家の勝敗予想動画でよく見聞きされる。

鈴木千裕がまたもやさいたまスーパーアリーナに稲妻を落とすことを期待する声も少なくない。

パトリシオよりクレベルのほうが観たかった?

この対戦カードが組まれたことについて、私の感想を書く。

鈴木千裕の次戦は、パトリシオとの再戦が有力視されていた。

RIZINとBellatolのベルトを賭けた国際戦である。

加えて、前回のパトリシオ戦はショートノーティスで互いに準備不足だった。

超RIZINに華を添えるために仕方なく組まれた、エキシビジョン的な風味もあったわけである。

それならば、互いにしっかり準備をして白黒つけてやろうではないかというのが、パトリシオとの再戦プランには込められている。

個人的にはパトリシオとの再戦も観たいと思っていたが、意外と世間はそうではなかった。

クレベルとの再戦を望む声のほうが大きかったように思える。

実際、今回のカードが組まれた背景には、そういったファンの声が多かったからなのではないかと推測する。

なぜクレベルとの再戦が望まれるのか。

それはやはり、鈴木千裕がここ最近で唯一完敗している相手がクレベルだからだろう。

勝っている相手ではなく、負けている相手にリベンジしてほしい。

そういう思いがファンの間にあったからこそ、このカードが実現したのだと思う。

クレベルは意外と冷遇されていない?

クレベルが冷遇されているのではないか?という声もいろいろなメディアで見聞きした。

具体的には、

興行破綻の影響もあって選手価値が著しく低下しているパトリシオより、国内で無双しているクレベルのほうが挑戦者として相応しいはずだ。
にもかかわらず、RIZINや鈴木千裕はパトリシオ戦を優先しようとしている。
クレベルは冷遇されている!

という意見である。

これに関しては、私は割とそんなことないのではないかと思っている。

クレベルが直近ニ戦で下した相手は、元チャンピオンクラスとはいえ、斎藤裕はピークアウトしていたり、アーチュレッタは階級変更直後だったりして、実は意外と評価が難しい。

また、鈴木千裕がKOで下した金原正徳に敗けている点も、挑戦者としての地位を左右する一因である。

これらを踏まえると、パトリシオと二団体のベルトを賭けて戦うことは、割と筋が通っている気がしてくるのだ。

だから、クレベルが冷遇されているというようには感じなかった。

いつか再戦したほうがいいとは思うが、パトリシオ戦の方が優先度は高いのかもしれないと。

でも鈴木千裕に勝つならパトリシオよりクレベル

クレベルよりもパトリシオのほうが、挑戦者として相応しいのではないか。

そんなことをここまでつらつらと書いておきながら矛盾するかもしれないが、鈴木千裕に勝てるかどうか?といった観点でふたりを見比べると、クレベルのほうが高い気がしている。

打撃戦だと、よりフレッシュで勢いのある鈴木千裕に分があるように思う。

だから、打撃主体かつ、年齢的にピークアウトの可能性が高いパトリシオは、鈴木千裕にとって相性がよさそうだ。

反対にクレベルは、年齢的にもまだまだピークが作れる時期である。

そして寝技という自分のフィールドで試合が作れる。

鈴木千裕にとって、天敵なのではないかと思う。

同じ海外勢の強豪なら、まだコレスニックやダウトペックのほうがやりやすそうだ。

とはいっても、やってみないと分からないのが格闘技である。

下馬評なんてものは、覆されるためにあるようなものだ。

ここで私がいくら予想を立てたところで、ファイターは軽々しく想像を超えていく。

年末が楽しみである。

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