声を収録する時に入る"ノイズの種類"と"ノイズ処理の仕方"をまとめてみた!(ひよわ流)


はじめに

これは、ノイズ処理についての解説する機会があって、その中でまとめた
声を録音する中で入る"ノイズの種類"と"この名前のノイズはどんな音なのか"を出来るだけ分かりやすくまとめたものです。

今回の説明には、私が現在ノイズ処理に使ってるソフトと、過去に使ってたソフトの中で
出来るだけお金のかからないフリーソフト使った方法と解説するのに見やすい画面を使って説明しています。
なので、見ている方の使ってるソフトや知識によっては、やれる事が変わります(EQはDAWソフトでも出来る等)ので、参考+の知識として見て下さい。

解説に使用しているソフトは
SoundEngineとAudacity、画像はRX10(波形が見やすかったので)を主に使っています。

収録する時に入るノイズの種類

ノイズは大きく分けて2種類、それぞれを分類すると

環境ノイズ

  • ハムノイズ

  • ヒスノイズ

  • クリックorクラックスノイズ

  • クリッピングノイズ

人が出すノイズ

  • ブレスノイズ

  • リップノイズ

  • ポップノイズ

  • 歯擦音

  • その他(衣服の擦れ・喉やお腹の音)

こんな感じになります。
一つずつ解説しますね!(=^-^=)

○環境ノイズ

ハムノイズ

家電製品全般から出てる音
東日本なら50hz前後西日本なら60hz前後の倍音がノイズになる。
一定の音で鳴り続ける。
「ブー」

ハムノイズ(押すと音源に飛べます)

ヒスノイズ

テレビの砂嵐みたいに鳴る音。
いわゆるホワイトノイズの事。
音源に入ってる一番多いノイズで、エアコン・PCファン、PC・マイクコードやインターフェース・周辺の電気製品から出ている電子ノイズ(接続不良や古い機材、電気抵抗の大きい時に鳴りやすい)等と車の通る路上音等がこれに当たる。
一定の音ではあるが、定期的に切れたり不安定に鳴る音なので音の長さ、大きさに波がある
「サー」「ブーン」「ブッブッ」

ホワイトノイズ(押すと音源に飛べます)


換気扇(押すと音源に飛べます)


電子ノイズ(押すと音源に飛べます)

クリックorクラックスノイズ

虫・鳥の鳴き声、マウスのクリック音、紙・スマホ等の摩擦ノイズはこれ。
「ピリッ」「パチッ」「カチッ」

鳥の鳴き声等ホワイトノイズ+クリックorクラックスノイズ
(押すと音源に飛べます)

クリッピングノイズ

音割れ。録音時にピークを越えてしまった時に鳴る音。
「ビリビリ」「バリバリ」「ブチブチ」

クリッピングノイズ(飛ぶと音源に飛べます)

○人が出すノイズ

ブレスノイズ

呼吸音。息継ぎや吐息、感情の揺れを表現した時の音なので、吹いていたり大き過ぎて気になる場合を除いて基本消さないノイズ

ブレスノイズ(押すと音源に飛べます)

リップノイズ

リップ音。ピチャッと口が渇いていたり、逆に濡れすぎていると入りやすい音

リップノイズ(押すと音源に飛べます)

ポップノイズ

いわゆる吹いてる音。ぱ行や囁きで出やすい。
ポップガードで防げる

ポップノイズ(押すと音源に飛べます)

歯擦音

さ行で出やすい。

歯擦音(押すと音源に飛べます)

その他

*衣服の擦れ
動きのある台詞の時、体勢を変えると出やすい。
*喉やお腹の音
予期せぬ奴

以上がノイズの種類です。

各ノイズが、大体どのあたりの周波数に出やすいかが分かると、次は"どのノイズにはどの処理が必要なのか"が分かるようになりますb

例えば、

・低い周波数だけに鳴ってるからEQで削る
・波形の途中でポップノイズ入ってるからギリギリまで削って隣の波形と繋げよう
・台詞の始まりや終わりなら、前後を切ってフェードで消そう
・リップノイズがセリフに被ってないからカットで切ろう

とかですね!
(これはRXを使うとほぼ手動でしなくて良くなるので、買うのをオススメしました笑)

手動の場合は、これを全員分確認してやってますね笑

編集で処理出来るもの

周波数を抑えて消せるノイズ

各DAWソフトのEQ
SoundEngineではノイズゲート、ノイズサプレッサー
Audacityではノイズの低減を使います

車の音、エアコン・PCファン、PC・マイクコードやインターフェース・周辺の電気製品から出ている電子ノイズ、歯擦音

カットで切るノイズ

リップノイズ、服・紙・スマホ等の擦れノイズ、マウスのクリック音、鳥の鳴き声、喉・お腹の音等

カット+フェードで調整するノイズ

ポップノイズ(吹き)

特定のソフトでしか処理出来ないもの

クリッピングノイズ

※声の間に入るの(特にクリッピングノイズ、ポップノイズと服の擦れ)は、基本録り直してもらうのが確実に綺麗になります。

各ソフトで使い分ける所(それぞれが得意or扱いやすい得意分野)

CubaseやCakewalk等DAWソフト

パン振りやセリフごとの音量調整、複数のキャラ音源の掛け合いタイミング調整、SE・BGM挿入、リップノイズ、クリック音等の単音のカット、フェード処理

(EQはDAWソフトでも出来ますが、私は今別ソフトでやってるので今回外しています)

iZotope

・RXシリーズは全ノイズ対応(グレードで使えるものが変わる)そしてノイズ専門
・OzoneはEQ、コンプ、マスターリング

SoundEngine

ノイズゲート、ノイズサプレッサー、EQ、コンプ、マスターリング

Audacity

音源全体に掛かっているハムノイズ(一定の音域で鳴り続ける)、ホワイトノイズの処理
クリッピングノイズの処理

中には必要なノイズもあるので、全てを削る必要は無いですし、
削り過ぎると演者さんの表現を殺してしまう事もあるので、SEやBGMを入れるタイミングより大事な所です。

歪んでるか、削りすぎてないかの確認は、声の始まりや抜けの良い声の所が掠れていたらやりすぎですb

ノイズ処理の順番

※これはあくまで私の場合です。

  1. 全体のホワイトノイズ、ハムノイズを削る

  2. クリックノイズ、リップノイズを切る

  3. 歯擦音、ポップノイズを削る

  4. 必要なら声の足りない部分の圧をEQで上げる(これは、他の方と合わせた時に音が薄いとか、高音が聴こえすぎるので抑えたい等の場合を除いて一人の音源に強くやらない方が良いと思います。)

  5. 複数人で掛け合う場合は全員の声量、音量を合わせる(怒鳴る、囁く、息演技等特集な場面は例外)


※整音は、"ノイズを処理の工程を的確、簡潔にして、いかに声を削らず聴きやすい音にするか"が大事ですb

音圧や音量のバランスは、絡む人の声の相性と合わせたり
BGMやSEと並べて聴こえやすいように前に出したり
馴染むようにフラットにしたり
など、これは編集者さんの好みなので好きに調整してください。

その他

予談ですが
ノイズは、音だけじゃなく波形にも出るので、耳だけじゃなくて目でも見れますb
(私も体調悪い時は難聴になったりしてるので、グラフでも見ます笑)

○RX10では、左端に並んでるモジュールリストを一番下まで下がるとあります。

spectrum を押す

○SoundEngineでは、やり方が2つあります。

①編集画面のボタンを押す

ヴィジュアルボタンを押す

②タブから設定する

設定→ヴィジュアルにチェックを入れる

○Audacityはタブから開きますが、先に聴きたい場所を指定すると、より細かく見れます

解析→スペクトル表示

どれも見た目、数字どちらでも確認出来るので便利です。

その他聞かれた事

コンプで音圧を圧縮する、マスターリングをして整える

これは、全音源(BGMやSEを入れてバランスを取った後)を組み立てた後全体の音を最終調整、整えるために使うエフェクトで、編集の一番最後にやる工程なので、1人の音源を整音する時にはやっちゃだめです。

例えば、個人のノイズ処理の時に一回→完成してもう一度、種類によってはさらに動画のエンコード時に…
みたいに、編集の工程内で何回もやってしまうと
声や音が崩れてしまうので、音源のみで聴いたら何ともなかったのに、完成したのを聴いた時になんか変?とかなったりします。


ボイスドラマ用の個別音源にノイズ処理をする時、あまりやらない方が良いと個人的に思ってるもの。
SoundEngine編

1、オートバランスは使わないでください
 均一にはなるんですが、均一になり過ぎて声の揺らぎが減るのでもったいないです。

2、マスタリング(標準)、リミッター(マスタリングリミッター)、コンプレッサー(マスターコンプレッサー)は全部の音源を合わせた時に使うので、
声一つずつに使うときは、リミッター(標準)やコンプレッサー(ソフトリミッター)だけにしたげてください。

ノイズ処理で使える技術

イコライザーを使って削る方法に低音域をハイパスで下げるとか、中音域や高音域を持ち上げる等が一般的によく使われる方法なんですが…

こういうの

その他にも
・ある周波数の音をピンポイントに削る


とかにも使えますb

これは自分の使っている、EQが使いやすいソフトで大丈夫です。(EQで波形を見れるもの、「ハイパス」「ローパス」「ハイシェルビング」「ローシェルビング」等が見ながら操作出来る物ならどれでもやれると思います)
↓こういうのですね!


雑ですみませんw



EQの∨(パラメトリック)機能を使って、大きいのでざっくり検索(波形は持ち上げて∧)→その後∨を一番細くして(今度は波形を下げる)、音になる場所を見つけたら更にピンポイントに削る。
この後、持ち上げた④(画像内)は、オフにして元の波形に戻してください。

大きく持ち上げて細く削る

少しでもズレると削れない事もありますし、広すぎたり下げすぎると声に影響が出ます。
ノイズが微妙にズレて2カ所並んでる事もあるので、時間をかけてやってくださいね!(これは複数カ所にある場合があります)

・声の中にノイズがある時、そこを削りたい
声にも一定波があって(例えば、あーと発声したとする。それは揺れとして録音されるんだけど、出してる長さの分、波形は繰り返し同じ波形で揺れる。
波は一度では終わらないので、クラッチノイズやポップノイズ、リップノイズが入っている場所を切り取る時に、前後波形が近い波をカットする長さ分コピーして貼る


声に入ったノイズを取る
  • SoundEngineのノイズゲート、ノイズサプレッサーの数値

これは昔ノイズ処理について調べていた時に、サイトかつぶやきで見つけたもの(画像は実際に入力して保存したもの)
軽めに、薄くの数値を書いてるサイトが、この方の他に見つけれなかったんだけど
紹介しようと調べた時にどこにも見つけられなかったので貼ります。
結構お世話になってるので、良かったら試してみてね!

登録はライブラリーに名前を書いて→保存を押す


最後に

声を録る場所は皆さん環境が違いますから、入るノイズも様々です。
音源を聴いた時に何が聞こえるか分かると、その後の処理が早くなります笑

今回は編集に入る前段階の話ですが、
他にもエフェクトの使い方で、声をクリアにしたり、不明瞭な音にする事も出来ますから、
ここからが色を付けていく作業です。

声とノイズが重なりすぎてる時や、不意に入ってる音が演出に使えそうなら
ノイズを減らすんじゃなくて、入ってる音を利用して誤魔化す方法もあるんで、色々試してみると良いですよー

というわけで!
長くなりましたが、ノイズの種類と処理の仕方について私なりの解説、以上になります。
見てくださった方いましたらありがとうございました!(=^人^=)
少しでも編集の役に立てたら幸いです(=^-^=)

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