幽恋(ゆうれん)
9月にイベントで売った女性向け絵本(詩集)の内容を書き写したものです。
イラストは詩と直接リンクしないものは省きました。一部の詩にタイトルを付け、説明を追加したり省いたりしておりますが詩自体に変更や加筆修正などは御座いません。
前書き
軽井沢の森の奥で偶然見つけた廃教会で白髪の青年に出会う。彼の正体は幽霊だった。
自宅のマンションに帰って来た夜、再び彼と遭遇して自身が彼に取り憑かれてしまった事を知る。
初めは怖がっていたものの、彼に惹かれ恋に落ちる。
妖しくも愛おしい、優しくも哀しい同棲生活をAIイラストと会話と詩で表現したもの。
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彼に抱かれていると
まるで雨を抱いているみたいだった。
バスルームに現れる彼は
いつもより解像度高くて
私の体温が少し高くて
貰い物の入浴剤お高くて
香りよろしくて
天井仰いで
くしゃみをして
風邪かなぁなんて独り言
誰も知らない二人事して。
出来るだけ綺麗に
眠るように
透明になれたなら
。
お揃いの夢を見よう
水族館
街ぶら
遊園地
カフェ
何処へだって行ける
手を繋いで
日の下でも
誰がいても
一緒にいる
お揃いの夢を見よう
朝とかくれんぼして
夜に待ち合わせして
おやすみのキスして
同じベッドに入って
ずっと眠っていたい
だから今夜もお願い
お揃いの夢を見よう
僕らは
+と-の様に
林檎が木から落ちる様に
生と死の様に
引き合い
触れ合い
会い
逢い
相
哀
いつか君と出会ったあの教会で
いつか見た桜色のドレスを着て
いつかした約束をもう一度して
「死すら二人を別つ事が出来ない様に。」
壊れているはずの鐘が鳴って
二人で穴の空いた天井を見た
青空なのに雨粒が顔を濡らす
いつかの夢
いつかの朝
いつかの涙。
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後書き
読んで下さり有り難う御座いました。
この作品には元ネタがあるのでその話をしますね。
内容に関しては夢女子の妄想を一次創作に書き直したのが本作、幽恋です。見た目の特徴以外は原作との類似点はありません。
テーマに関しては楠本まきさんのKISS××××
の愛蔵版に収録されている往復書簡の萩尾
望都さんのKISSの世界観を表した言葉から
『永遠のロミオとジュリエットように』
『世界に二人しかいないように』
『不安な死の匂い』
(KISS××××Ⅱより引用)
上記の三つがテーマですが、KISSとは逆で死に抱かれて甘い日々を送る女の話です。
暗めの絵が多いのもそのためです。
AI画はにじジャーニーで出力しました。AIって便利ですね~。これだけたくさんの
絵を描いてもらうとなると時間もお金もか
かりますからね。
読んで下さりありがとう御座いました。
好みだなーと思って頂けたら、是非本で読んでもらいたいです。
本の方が絶対良い!より世界観に浸れると思います。
本はこちら↓で購入出来ます♡
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