The Merge~こんなはずじゃなかった
おはようございます。🐤
9月15日か16日ごろと言われているイーサリアムのハードフォーク「The Merge」まで1か月を切りました。みなさま準備は万端でしょうか?
一発儲けてやろうと作戦を練っていますか? しかし、一発儲けてやろうというよこしまな気持ちは、お金を失うことにつながります。
今日は、生兵法をかじったプレイヤーが陥りがちなワナについてお話しますので、中途半端なプレイヤーさんはよく耳の穴をかっぽじって聞いていってください。
そもそもThe Mergeとは?
Mergeとは2つのものを1つに「統合」するという意味あいで、じゃぁ何を統合するのというと、イーサリアムは実は2020年の12月からPoSのチェーン(下の図のBeacon Chain)を準備して着々とテストを続けていたんですね。
ここで、PoSやPoW、いやそもそもコンセンサスアルゴリズムの説明からしていたら日が暮れてしまうので、バイナンス・アカデミーに頼ることにします。
とにかく、The Mergeはイーサリアムの運用に莫大な電力がいる方法から、前から準備していた環境にやさしい方法に切り替えるのです。
次期
The Mergeの実施は、Total difficultyが 58,750E(=58,750,000,000,000,000,000,000)になるときと決められています。
ブロックチェーン関係のこういうイベントは、〇月〇日の〇時というアナウンスはされずに、代わりに「何番目のブロック」とか、「Total Difficultyが〇〇」とか言われます。
2022年8月22日21時現在(#15390109)のTotal Difficultyは56,945,669 P、現在の平均のDifficultyは11.843 Pくらいか、なるほど。いや単位わからん!
今は1日あたりおよそ6,350くらいブロックができているようだから、グラフにしたらこんな具合になりそうです。
もちろん変動があるので、ぜひもっと信憑性の高いサイトを参考にしてください。
ハードフォーク
そもそもハードフォークとは、またバイナンス・アカデミーに聞きます。
それでもちょっとだけ説明してみると、ハードフォークというのは互換性のないアップデートのことで、もし一部のマイナーがアップデートを拒否したら、フォーク(ブロックチェーンの分岐のこと)が永久的になってしまって、新しいブロックチェーンが誕生してしまいます。
ハードフォークしても必ず新しいコインが生まれるとは限らないのですが、今回は生まれる可能性が高いと言われています。
なぜなら今のマイナーたちはマイニングマシンが無駄になってしまうことを避けたいからです。しかし一方で、PoSを期待して2年近くも前からたくさんの人がETHを預けているので、本流は間違いなくアップデート後のPoSのイーサリアムになります。
その結果、上の図のように本流の(A)ETHと少数派の(B)EthPoWに分岐することになります。この結果、僕たちのもともと持っていたETHや、Uniswapに預けていた資金はどうなるんでしょう。
(A)はよほどの事故がない限り、これまでどおり使えると考えておいていいと思います。一方で新たに生まれた(B)EthPoWの方にもこれまでのAと同じ資金がそのままコピーされることになるので、まるで資産が倍になったような気になります。
しかし現実には倍にはならないと考えられています。なぜならUSDCやWBTC、NFTなどのほとんどは新しい(B)EthPoWをサポートしないと明言しているからです。これらの価値は限りなくゼロに近づきます。
問題は基軸通貨であるEthPoWの行方です、いくらかの価値がつくかもしれません。2016年にハードフォークしたETC(Ethereum Classic)のように。
2016年に起こったThe DAO事件の前後、ETHは混乱による乱高下があるもののおよそ$10~$14くらいの価値で推移していました。ハードフォークの4日後、Ploniexという暗号資産取引所がETCの取り扱いを始めると、ETCには$0.75の価値がつき、その後最大$2.76の価値がつきましたが、やがてまた$1以下に下がりました。
ETHPoWを扱うには
ところで具体的にETHPoWってどうやって使えばいいのでしょうか?
おそらくですが(鵜呑みにしないでほしいですが)現在ETCを扱っているようにETHPoWを扱えるようになるんじゃないかと仮定すると、取り扱いのある暗号資産取引所では持っているETHに対して分岐して数日後にETHPoWが付与されて、ない取引所では何も起こらないはずです。
メ夕マスクなどのWeb3ウォレットでは、新しいRPCやChain IDなどを指定してネットワークの追加をする作業が必要になるでしょう。それらはきっとこのあたりで公表されるんじゃないでしょうか。知らんけど。
予想されること⇒詐欺!
さて、だいたいのあらすじは見えてきました。あくまで予想ですが、本流のイーサリアムはこれまでと同じように使うことができます。僕たちは何もする必要はありません。
一方で、イーサリアムからフォークしたEthPoWというチェーンがおそらく生まれます。そしてそのチェーン上にあるトークンの価値はほぼゼロになり、基軸通貨であるETHPoWだけが少し値がつくかもしれません。(つかないかもしれません)
仮に値がついたとしてETHの何十分の1という程度だと思います。そしてその価格は激しく乱高下することが予想されます。
トレードで勝つのはプロでも難しいと考えられる中、賢い人たちは詐欺で稼ごうとすることが予想されます。これは情報弱者を狙って、つぎのようなFUD(不安を煽る)をしかけます。
パターン1「The Mergeによりあと数分であなたのウォレットの資産は凍結されます。すぐに次の作業を行って資産を回復してください」
パターン2「おめでとうございます、あなたはEthPoWを得ています。今すぐ高値で売ることができます、しかしあと数分で価値はほぼゼロになります、急いでください」
とにかく、僕たちが覚えておくべきは「①ETHPoWで儲けるのはプロでも難しい」「②ETHチェーンに置いておいた資産は、特になにもする必要がない」「③暗号資産取引所にある資産も、なにもする必要はない」ということです。
僕たちが高めるべきは攻撃力ではありません、圧倒的な守備力です。生き残ったもの勝ちの世界です、とにかく生き残りましょう。
よくある誤解
The Mergeでガス代が安くなる
⇒すぐにはならない、後に控えているシャーディングの実装を待ちますThe Mergeで取引のスピードが速くなる
⇒すぐにはならない、後に控えているシャー……(ryThe Mergeで一時的にブロックチェーンが止まる
⇒止まらない、運用しながらアップデートする
まとめ
ETHEPoWで儲けるのはプロでも難しい
ETHチェーン上の資産はこれまでどおり、特に何もする必要がない
暗号資産取引所にある資産も特に何もする必要はない(取引所によってETHPoWの取り扱いは異なります)
あと、もしレンディングなどしていてThe Mergeの時点であなたのウォレットにETHの形でない場合は、フォーク後のETHPoWにもないことになると思いますが、よくわかりません。そのプロジェクトによって違うと思います。
基本的には何もしないが吉、というのが僕の考えです。
スケベ心で儲けてやろうとする人は足元をすくわれないように気をつけてください。僕はけっこうスケベで失敗してきた歴史があるので、今回はちょっとしかスケベしません。
何年かたって暗号資産バブルが来た時、思い出してみればなんかETHPoWあったわー、くらいがせいぜいだと思います。2%くらいついていたらラッキーですね。
というわけで、今日の内容はここまでです。みなさんのお役にたてたらうれしいです。
それではまた、DeFi~(@^^)/~~~
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