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トークンあれこれ

おはようございます🐤

先日、サコイン($SAC)というトークンが発行されました。

無料配布キャンペーン、迫とコインをかけてサコイン、そしてトークンという怪しい響き。

もうなんというかツッコミどころ満載かつ怪しさ満点なのですが、これがBrainという情報商材向けプラットフォームの最大手の社長が手掛けるトークンということなので、どうやら詐欺じゃなさそうなのです。

前澤社長のお金配りと似ていますね。

でも、そもそもトークンって何? っていうところを知りたくありませんか? 知りたいですよね?! それでは無理やり押し売り解説をしたいと思います。


トークンとは

トークンにはいろんな意味があります。

  • セキュリティのトークン:利用者の認証のために使われるポケベルみたいな小さな表示装置、ちょっと前にジャパンネット銀行やゆうちょ銀行でも採用されていて流行りましたよね

  • プログラムのトークン:プログラムなどで使われる、名前(変数名、関数名など)や演算子、括弧、リテラル、デリミタなどのこと

  • ブロックチェーンのトークン:ブロックチェーンの技術を使って、なんらかの証(証券のようなもの)をデジタルで表現したデータのこと。ステーブルコインやNFT(非代替性トークン)などが代表例

ということで、今日はもちろん「ブロックチェーンのトークン」について説明をしていきます。

ブロックチェーンのトークンの中にもたくさん種類がありまして…

  • ステーブルコイン(USDTなど)

  • NFT(非代替性の何か)

  • ソウルバウンドトークン(忘れた

  • ガバナンストークン(CAKE、GMTなど投票や何かの権利を表すもの)

  • ユーティリティトークン(BNB、GSTなどサービス利用に使える)

  • セキュリティトークン(証券をデジタル化したもの)

  • 何かよくわからないトークン(遊びや詐欺に使われるもの)

  • etc…

要するに、トークンっていうのは"紙"みたいなもので、紙に何を書くかによって「お金」になったり「証券」になったり「絵」になったりするように、トークンというデジタルデータの中に「証券」を詰め込んだらセキュリティトークン、「投票権」を詰め込んだらガバナンストークン、「法定通貨」を詰め込んだらステーブルコインというような感じで、便利にいろんなものを詰め込めるものなのです。

セキュリティトークンとは

セキュリティトークンって何だと思ってました?
私は、なんかちゃんとしたところで発行された安全な(セキュリティの高い)トークンだと思ってました。

ほんとうは、セキュリティ(=証券)トークン
つまり、有価証券をトークン化したものなのでした。

セキュリティ(security)とは有価証券って意味だったんですよ、今日言いたかったことの90%はこれです。知らなかったな~。

もっと分解すると、株や不動産などを小口の有価証券にしたものをデジタルデータにして、ブロックチェーン技術を使って管理できるようにしたものです。

似たようなもの

「個人では買えない大きなものを小口化して買う」といえば、似たようなものが他にもありませんでしたか?

私が知る限りセキュリティトークンは次のようなものとほとんど一緒で、何が違うのかわからないです。

  • 単元未満株

  • 株式投資クラウドファンディング

  • そもそも株式

そうですよね、そもそも株式って、会社の権利や財産を小分けにして証券にしたものでしたよね。

株は普通100株単位でしか買えないから、さらに小分けに1株単位にしたのが単元未満株であって、それを電子化したからといって何がめずらしいんだろう。

実際のところ、セキュリティトークン(ST)はいろんな証券会社で扱われているけど、そのほとんどが不動産を小口証券化したものでした。例外として社債を小口証券化した例がほんの少し、株の例はゼロでした。

なぜ不動産の例が多いのでしょうか?

まあ、そもそも社債も株式(ミニ株)も十分に小口化と電子化がされているからSTの優位性がなかったからです。

一方で不動産についてはこれまでの小口化手法(J-REITや不動産型クラウドファンディング)にはない新たなSTのメリットがありました。

それは、次のような不満を解消できることです。

  • J-REIT
    規模が大きくて個々の物件に対する「手触り感」が低い、運営コストや上場コストが高い

  • 不動産型クラウドファンディング(みんなの大家さんなど)
    キャピタルゲイン(売却益)が主でインカムゲイン(家賃収入)は限定的、運用期間が短い、権利を売れない

【Progmat】概要説明資料(ST中心編) / Security Token Overview - Speaker Deck

不動産型クラウドファンディングについては私もCREALというサービスを利用していますが、確かに「もっと家賃収入にふって長期投資をしたい」「途中で売れない」という不満がありました。

そして、J-REITは「物件を保有している感覚が小さい」という不満もありました。

STではこれらを解決して、個別の小規模な物件を、長期投資を可能にしながら、権利を途中で売却することもできるようにしています。

それもこれも、ファンド運営コストと上場コストをブロックチェーンの力で小さく抑えたことによります。

J-REITは大きな物件を複数集めて、規模を大きくしてそれらのコストをまかなっていましたが、STはブロックチェーンを使ってそのコストを小さくするという方策をとりました。

クラウドファンディングの投資では、上場をしなくていいため個別物件に投資が可能となりましたが、そのしくみ上、中途解約をしたり持分の権利を第三者に売却することが難しいため、長期投資よりも短期投資が求められました。

つまりSTは、不動産型クラウドファンディングの権利の持分を二次流通できるマーケットをつくりやすいしくみをブロックチェーンで整えた、それにより長期運用も可能になった理想の商品と考えるとわかりやすいです。

個人トークンの暗い過去

話はサコインに戻ります。

過去にはYouTuberのヒカルさんで有名になった「VALU事件」というものがありました。ヒカルさんの影響力を利用して、個人のVA(今でいうトークン)の価格をつり上げてから売り抜けて不当に利益を得たのではないかということです。

なぜこういうことが起こったのかというと、暗号資産やブロックチェーンのまわりはまだまだ法律が整備されていない、途中の段階だからだと思います。

かつては株式もそうだったのでしょう。数え切れない詐欺と法改正の末に今のルールができています。

有価証券を売買する時のルールは、金融商品取引法に示されています。

  • 不正の手段、計画をしてはならない

  • 虚偽の表示、誤解を生じさせてはならない

  • 風説の流布をしてはならない

  • 相場操縦をしてはならない

金融商品取引法|条文|法令リード

カブアンドの前澤社長が、自分の事業の将来像を軽々しく語らないのも「風説の流布」にあたることを避けるためです。

ただ、トークンだと「有価証券」にあたらないので、迫さんは特に根拠がなくても夢の未来を軽々しく語ることができるわけです。

株だとできないけど、トークンならできる。

それは、被害にあってきた件数(被害者数)と規模(被害額)の違いだけであって、トークンについても今後被害者が多数、多額になるにつれ株と同じように(規模に応じて)規制がしかれることになるでしょう。

トークンの明るい未来

それでは、トークンは結局株と同じになるのでしょうか。安全の証明に多額のコストと手間がかかり、不便な世界に戻ってしまうのでしょうか。

私は「株式会社」というしくみは人類最大の発明だと考えています。

明らかにこのしくみができてから技術や産業の発展は加速しました。ホモ・サピエンスが世界に広がって6万年で、世界初の株式会社ができてからまだたったの400年で、その前はほとんどの人には紙も文字も使えなくて、情報を伝える手段が口伝だけだったって信じられますか。

たったの400年でここまで来たのは、社会的な動物である人間の分業の力を最大限に発揮できる方法=株式会社=資本主義を見つけたからに他なりません。

トークンはこの株式会社のパワーをもっと手軽に使える方法であることは間違いないと思います。

株式は、偽造でないことの証明に中央集権機関が必要だったのでコストがかかりましたが、トークンならそのコストは下げられると思います。

不動産はもともと台帳が公開されているという性質がブロックチェーンと似ていて、うまく活用することができれば効率化が図れると言われていました。

不動産のSTはそれを現在進行形で確かめているところです。

個人と不動産が同じかはわかりませんが、不動産の事例が広まるにつれて、その他の分野にもトークン活用の可能性が見いだされることになるでしょう。

そして、幅広い分野で、効率的に投資できる未来がくる可能性はあるのではないかなと私は思います。

トークンといっても

$SACトークンの流動性プールは SOL-SAC の組み合わせで合わせて$307k、うちSOLは$154k。初期は$100kでドル建ての$SAC単価は同じくらいだったと記憶しているので、SOLとSACが両方とも増えてますね。

トークン発行の流行はDeFiの魔界では3~4年も前に通り過ぎています、$DENGAKUとか$MMTとか。

懐かしメロディを聴く気持ちです。

この世界に初めて足を踏み入れる人のために一言。

トークンは誰にでも発行できます、それがパブリックなブロックチェーンの特徴。そしてそのトークンはDEXで取引できます。

私も思いつきでPolygonにJPYC-MATICのプールを作ったことがあるくらいです。何の審査もありません。

まとめ

トークンの世界が自由で夢いっぱいで楽しいことはほんとうです。

ただ、DeFiの「魔界」を知っている方なら「99.99%のプロジェクトは詐欺」という言葉と数字がなんら誇張でないことを肌で感じて来られたと思います。玉石混合というイメージではなくて、川の底から砂金をひろう作業に似ています。

今のところ詐欺の魔の手から身を守ることができるのは自分しかいません。警察も弁護士も法律も守ってくれません。詐欺師とのガチンコ勝負です。

だから「手を出さない」というのはすごく賢明な選択です。

私は出しますけどね。

それではまた~(@^^)/~~~

END

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